MINの目

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茶屋建築に学ぶ

2008年02月16日 | 建築アイテム好き
金沢のひがし茶屋街では、国の重要文化財となっている「志摩」、かつてのお茶屋遊びの華やかさを感じる「懐華樓」と2つの魅力的な茶屋建築を見る事出来ます。
お薦めは重要文化財だけに「志摩」ですが、違う個性と茶屋建築の共通点を知る事出来ると思うので、時間が許せば両方、さらには同じに軒を連ねる喫茶店やお食事処も楽しまれると良いと思います。

茶屋建築の共通点としては、お茶屋の客間は2階にあり、1階は茶屋の主人の生活の場となっています。2階の天井高は高く、一階は低い。玄関からまっすぐ伸びる階段がある。といった様に色々な発見がありました。
写真の様に玄関からまっすぐ2階へ導く階段の造りは今の住宅にも応用出来るのではないかと思いました。
庭と光も充分に入る様な住宅であれば、庭と繋がるリビングが良いのでしょうが、昨今の住宅事情により、どうしても1階にリビングを持ってくると暗かったり、視界も狭い。それなら、それらを2階へという考え方は少なくないとおもいます。
夜過ごす事の多い寝室は1階に、昼間居る事の多いリビングやダイニングを2階に。
その場合、客人が訪れるリビングが2階である事を知らせる、導く階段のあり方については色々考えるところです。この茶屋建築は1つの答えだと思いました。
玄関から堂々と伸びる階段は2階へと導いています。自ずとその横の細い廊下はサービス通路(使用人通路)と分かります。この強弱により自然と2階へと導かれるのです。そして、1階の階高が低い事で階段も短くて済みます。2階にメイン、1階にサブと機能を明確に分ける事で構造や空間に無駄が無くなっているのです。
住宅でも、1階は寝室やお風呂の水廻り、ビルトイン駐車場と割り切れば1階の階高は低く、2階は天井を高く光も取り入れてと空間を自由に創る事も可能です。
2階にリビングという考え方は、良い面だけでなく、人によっては納得しがたい部分もあります。それが受け入れれば、住宅の形として1つの答えだと思います。
2階にリビングを検討されている方は、玄関と階段の関係についても考えて見るとまた計画が面白くなるのではないでしょうか?



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2 コメント

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Unknown (anapanapa)
2008-02-18 13:46:59
もし、家を建てることがあったら1Fはガレージにして、光の入る上の階に住みたいな~と漠然と考えています(笑)。日差しがたっぷり入る1Fなら庭に直結するリビングも魅力的ですけど(^-^)

この美しい赤の階段、確かに登りたくなりますね。
無意識のうちにそう思ったのですが、「導く階段」として設計されているとは、専門の方ならではの視点ですね!感心しちゃいました!
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Unknown (MIN)
2008-02-18 15:53:26
anapanapaさん♪
家を建てる夢は楽しいですよね!私もよく時間が空いたときには、自分用に理想の家を考えています。研究と言いましょうか・・絶えず考え、練習ですね。良い案がすぐに出せるように練習がてら考えています♪
この美しい赤の階段は漆でした。踏んで良いのかしら?と思ってしましましたが、本当に存在感のある階段でした。
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