新聞のコラム欄で又吉さんがお勧めの本。
漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫) | |
西 加奈子 | |
幻冬舎 |
気にはなっていたが、もともと小説は読まないので買うつもりは無かった。
先日、本屋さんに行くと、お勧めのコーナーに並んでいたので、思わず買ってしまった。
お話は、肉子ちゃんとその子供のキクちゃんの話し。
キクちゃんが話を進めている。
肉子ちゃんは族に言うダメンズウォーカー。
沢山の男に騙されて、借金を作って返済をする。
それでも、相手の事を悪くは言わない。
子供のキクちゃんもあきれるほど。
一緒に住んでいた、自称小説家の男は1枚も原稿を書かない。
ある日、彼が出て行った。
肉子ちゃんは心配になって男を探す。
そしてたどり着いた先が漁港だった。
漁港にある「うおがし」という焼き肉屋さんに住みこみで働くことになる。
働く条件は、体を壊さないこと。
食あたりでもおこせば、お店の評判が悪くなる。
太ってはいるが明るく前向きな肉子ちゃんはすぐにお客さんに溶け込んでいく。
キクちゃんも転校してきた小学校でいろいろなことを経験して行く。
キクちゃんの成長と天真爛漫な肉子ちゃんの生活。
そんな小説だと思っていたら最後にジーンとくる場面があって終了。
そこは読んでください。
肉子ちゃんみたいに生きられたら。
生きることに一生懸命になれたら。
本当は泣きたいくらいの毎日だった・・・。
ああ、、きっと泣きたい気分も越えちゃったのか。
いやらしさもドキドキもなく、淡々とそしてじわっとくる小説だった。
又吉さんお勧めありがとう。