映画「明日の記憶」がようやくレンタル開始になり
さっそく観た。
とても丁寧に原作を損なわないように
大事に作ってくれてるのは嬉しかったけど・・。
理由のわからないもどかしさが残った。
原作は全編一人称で語られていて
主人公の内なるものが壊れてゆく過程の恐怖が
作者と主人公と読者がまるで一体になったかのように
追い詰められてゆく・・。
一気に読み進み、時折りほおっと息を吐く
あの臨場感は映画にはなかった。
なにしろ原作を読んだのが昨年の2月なので
ディテールにそれこそ記憶が定かでないところもあり
もどかしさを開放したくて本屋さんで立ち読みし
要所を確認してみた。
嗚咽してしまった。
ラストの2ページで。
映画の山奥の吊り橋の情景も
一服の絵画のようで素晴らしかったんだけれど
原作の主人公自身の言葉で語られてゆく
戸惑いや諦めやかすかな希望などから受ける
≪共有感≫にはかなわなかった・・と私は感じた。
まあ。私は無類の活字中毒人間なんで
何を観ても「やっぱり原作よ」と云いかねないけど?