愛知の史跡めぐり

愛知県の史跡を巡り、その記録を掲載します。

長篠城 新城市

2015年02月01日 19時36分45秒 | 新城市
長篠城は日本100名城の一つ
長篠城に行ったという知人がいて、しかも長篠城は「日本100名城」の一つであるということ、そして、先日訪れた設楽が原の近くであるということで、いってみることにしました。

長篠城が「日本100名城」の一つというのは、どうしてでしょうか。以下は、公益財団法人「日本城郭協会」のホームページから、「日本100名城」が選定された状況を述べた文です。

日本城郭協会のホームページから
公益財団法人日本城郭協会では、全国各地の名城探訪の手がかりとして「日本100名城」の選定を進めていたが、城郭愛好家からの推薦、専門家による選定会議を経て100名城が確定し、平成18年2月13日に発表された。
選定されたのは、世界遺産の姫路城、国宝の彦根城・松本城など天守がそびえる近世の著名な城郭から、城郭の始まりとされる環濠集落吉野ヶ里(佐賀県)や古代の鬼ノ城(岡山県)、さらに中世の足利氏館(栃木県)・一乗谷城(福井県)、琉球王国の首里城(沖縄県)、信長の安土城(滋賀県)、西洋式の五稜郭(北海道)まで、時代と地域を代表する多彩な名城である。これらの城郭には、平成18年4月6日の城の日に名城認定証が渡され、平成19年6月からは100名城を探訪するスタンプラリーが開始されている。
今回の「日本100名城」は、日本城郭協会が財団法人となって40周年を迎える記念事業として、文部科学省・文化庁の後援を得て企画された。日本が世界に誇る文化遺産であり地域の歴史的シンボルである城郭が、青少年教育や生涯学習の場、さらに子どもたちの総合的な学習の場としても活用されることをねらったもの。
選考に当たっては、まず選定対象を①優れた文化財・史跡、②著名な歴史の舞台、③時代・地域の代表、と規定。各都道府県から1城以上5城以内として、平成17年8月から10月まで城郭協会の会報やホームページで、100名城の推薦を呼びかけた。多数の応募があり、平成17年12月1日にこのデータをもとに選定会議が開催された。史料的に問題のある模擬天守や、史跡としての環境保存状況、さらには城郭発達史からみた重要な名城について熱心な討論の末、100城が選定された。各城郭に通知、快諾を得て発表の運びとなった。
選定にあたったのは、新谷洋二(選定委員長・日本城郭協会常務理事・東京大名誉教授)、小和田哲男(静岡大)、黒田日出男(立正大)、千田嘉博(奈良大)、平井聖(昭和女子大)、村井益男(日本大)の諸先生。


長くなりましたが、子どもたちに「城を見るならとりあえずこれを」ということで選んだもののようです。

愛知県から4つの城が100名城に
愛知県からは、以下の4つの城が選ばれています。
犬山城、名古屋城、岡崎城、長篠城
上記100名城選出の基準を各城に当てはめてみると、以下のようになります。

基準 ①優れた文化財・史跡、②著名な歴史の舞台、③時代・地域の代表

犬山城 ①国宝 ②小牧長久手の戦い ③特に尾張の代表ともいえない
名古屋城 ①国の特別史跡 ②特にない。(江戸時代になって清須から移転したため) ③尾張名古屋は城で持つ
岡崎城 ①市指定 ②松平家の居城(清康~家康) ③西三河の代表といえば代表(ほかに、刈谷城、安祥城(安城市)、西尾城、七州城(豊田市)などがある)
長篠城 ①国の史跡 ②長篠の戦い ③東三河は吉田城、田原城か

岡崎城が、3つの基準でとくに決め手がなく見劣りがします。また、名古屋城は「史料的に問題のある模擬天守」という点で鉄筋コンクリートで中にエレベーターがあるのはいかがかとも思います。

でもお城を人々に広めるために「この城はぜひとも見てください。」とアピールして、日本の歴史に興味関心を持ってもらう趣旨には大賛成です。現にその「100名城」を回ってみたいという方を知っていますし、私自身もそう思っている一人だからです。

長篠城の概要
さて、長篠城ですが、その概要は以下のようです。(「愛知の山城ベスト50」より)


わかりにくいので、今回見学したところをマーキングしました。


保存館
まずは、保存館です。




チケットの裏面に展示内容の概要が記載してありました。やはり鳥居強右衛門(すねえもん)については詳しく説明がありました。縄をかけられた像も展示してありました。

大きな空堀
保存館を出ると左手に空堀が見えました。大きな堀でした。


分断された土塁
また、空掘りの左側におおきな土塁が見えました。土塁は、階段で登り奥のほうは神社の跡地になっていました。


土塁に登ると、電車の線路が見えます。JR飯田線です。長篠城は飯田線で分断された格好になっています。(残念)
線路の向こうに分断された土塁が見えました。

こういう史跡を見ると、少し悲しくなります。

渓谷を利用した堀
本丸跡の西側(図では左側)は、渓谷になっていました。自然の堀です。


まさに渓谷で、かなり深かったです。そしてこの自然の川の源流が滝となっていました。「不忍の滝」だそうです。


長篠城撮影スポット
大きな空堀と土塁を見て満足しましたが、ふと気になることがありました。長篠城といえば、二つの川(寒狭(かんさ)川と宇連(うれ)川)に挟まれた情景がよく写真として出てきますが、どこから写したのだろうと。辺りを探しましたが、ありました。すぐ下流の牛渕橋というところから写したものだということがわかりました。さっそく私も撮りました。


鳥居強右衛門は「大権現」
長篠城を後にして、鳥居強右衛門の墓が近くにあるということで行ってみることにしました。

大変立派な墓で平成24年に新東名高速道路建設のためにこの地に移転したとの説明書きがありました。鳥居強右衛門は「鳥居大権現」として神様になっていました。


JR飯田線といい、新東名高速道路といい、文明の発達によって昔の遺跡がどんどん居場所を失っていくのは大変切ないと感じました。
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4 コメント

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Unknown (城歩きマン)
2015-02-02 07:53:10
長篠城が日本百名城。

日本城郭協会、というところが決めたことです。あまりこだわってはいけません…。

じつは、誰が決めたのか、日本200名城、300名城などというのがあるそうです。

百名城は福井県などは、一乗谷と丸岡城だけ。
選定基準を考えると福井城、小浜城、大野城となるのがよいと思いますが、選者の方々は人気度を加えて今のリストに落ち着いたようです。

マ、皆さんの百名城参りの楽しみのために、できるだけ応援していきたいと思います。
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Unknown ()
2015-02-02 13:38:25
名古屋城、犬山城、岡崎城に比べて長篠城はマイナーなお城だったので、100名城に選ばれていたのが意外でした。
仲間のためにあの絶壁と川を越えたすねえもんは偉大ですね♪
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気にしない (midorishako)
2015-02-02 14:01:36
城歩きマンさん
コメントありがとうございます。

日本100名城といっても選ぶほうも大変だったのでしょう。いろんな思惑があったのでしょうね。おっしゃるように、あまり気にしないで、お城を見たいと思います。
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走れメロスとかぶった (midorishako)
2015-02-02 14:04:23
ささん
コメントありがとうございます。

鳥居強右衛門は本当にすごいですね。後世武士の鑑みたいに扱われたことでしょう。わたしは、「走れメロス」の話とかぶってしまいました。
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