愛知の史跡めぐり

愛知県の史跡を巡り、その記録を掲載します。

若越城の会30年の歩み 福井県

2022年05月24日 17時42分27秒 | 福井県
福井県美浜町の国吉城歴史資料館が「若越城の会30年の歩み」をテーマに企画展を行っています。
私が所属していた会が、歴史的対象物として展示されるという珍しい企画です。

企画展のチラシ(表)

この企画は、3回シリーズで4月23日から2023年1月9日まで行われます。

企画展チラシ(裏)

どんなものかと見に行きました。
実際には、何枚かのパネルが提示されていました。

「黎明期の歩み」パネル(撮影している人の影が写ってしまいました。)

ここには、会の目的が「福井県を中心に城館の調査・研究に取り組み、その成果の普及を推進することを目的に、現地見学会や学習会、会報『若越の城館』の発行を主な活動としました。」とありました。私は、終わりの方に参加していましたが、「城館の調査・研究」という点で大きな企画はなかったように思いました。しかし、方法としての現地見学会、学習会はありました。また会報も年1回発行されていました。
羨ましいと思ったのは、「縄張り図」の作図の学習会があったことです。参加したかったなあと思いました。
その後、見学会が会の活動の中心に位置づけられ、その範囲が県外へと広がっていったことが書かれていました。

問題は、見学会の中身です。これが現地見学会として、調査・研究の対象として行われるのか、または単なる観光旅行として行われるかでは随分中身が変わってきます。
私の記憶では、2020年10月4日にあわら市の主催で行われた神宮寺城の見学会は、赤外線写真で明らかになった神宮寺城の全体を地元の人達に紹介し、関心を持ってもらい、市の指定史跡として今後も保存していくという目的で行われました。これなんかは、観光目的ではありえず、どちらかと言えば、調査・研究の一環と言えます。同時に地元の人への普及活動でもあります。

神宮寺城の見学会

「若越城の会」は研究者の団体であり、かつ市民の会でもある、この両立を絶えずバランスを取りながら活動していくことが大切だと感じました。
コメント (2)
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松平記(24) 松平記

2022年05月05日 11時48分08秒 | 松平記
安城合戦から人質交換へ

松平記p24

翻刻
郎五郎殿籠りしに先手ハ岡崎衆大久保新八、阿部大蔵本
多平八郎を初として三百にて出す、尾州より後詰の勢有、
雪斎被申ハ、城をは駿河・遠江衆被攻へし、三河衆ハ後詰へ
向て給ハれと申、尤と請て後詰の勢へ夜討し速に追散、す
くに城へ押寄、二丸・三丸を岡崎衆攻破る、爰にて榊原藤兵衛、
本多平八郎討死しける、終に本丸計りに成、大将三郎五郎
を生捕にせんとす、尾州より後詰の大将平手と申す者扱を
入て、後三郎五郎殿をたすけて此方へ給り候ハバ、岡崎の
人質を其方へ返すへしとの儀にて、雪斎扱を聞て竹千代
殿熱田に置申たるを其時此方へ取、織田三郎五郎殿に三

現代語
(安城には織田三)郎五郎信広殿が籠っているので、先陣は岡崎衆の大久保新八、阿部大蔵、本多平八郎忠高をはじめ300を出した。尾張より後詰の兵があった。雪斎が申されるには、安城城は駿河、遠江衆が攻め、三河衆は後詰に向かって攻めよと。尤もと請けて、(三河衆は)後詰の兵を夜射ちにてたちまち追い散らした。すぐに城へ押し寄せ、二の丸、三の丸を岡崎衆攻め破った。ここにおいて榊原藤兵衛、本多平八郎忠高は討死してしまった。ついに本丸ばかりになり、大将織田三郎五郎信広を生け捕りにしようとした。すると尾張衆より後詰の大将平手と申者が調停を申し出てきて、織田三郎五郎を助けてこちらへ給われば、岡崎の人質をそちらへ返すということであった。雪斎はそれを聞いて、竹千代殿熱田に置いてあるのを今川方に取り寄せ、織田三郎五郎信広殿には(三河衆・・・・)

コメント
前回後半の続きで、いわゆる安城合戦です。今川側の中心は雪斎和尚です。それに従い岡崎衆大久保新八、本多平八郎、阿部大蔵らが登場します。大久保新八は、大久保忠俊で大久保党の始まりの人です。本多平八郎は、徳川四天王の一人本多平八郎忠勝の父で、本多忠高です。本多忠高はここで討死をしてしまいます。一緒に討死をした榊原藤兵衛は、ちょっと分かりません。四天王の一人の榊原康政とは直接関係はないようです。松平中心史観なので、一応駿河衆と書いていますが、具体的な駿河衆の武将名は登場していません。活躍しているのは、岡崎衆ばかりです。(しかし、松平廣忠は出てきません。)

安城城にある本多忠高の墓
コメント
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