そして、次の朝、朝日が入るとさわやかで、部屋の趣もずいぶん違う感じがする。
朝食のテーブルでは、すでに出かける用意ができている?雑誌から抜け出てきたような、かっこいいマダムが、パンを切ってくれた。
フランス人友人の多くは、朝食時はパジャマに近い状態、朝食後に顔も洗い、シャワー。それは我が家に来ても同じ。
アンティークっぽいカフェオレボウルで、カフェ・オーレだ。
クロワッサンもある。
フランスで定番の朝食のカフェオーレにクロワッサンだ。
しかし、この定番のカフェオーレ、友人宅では意外に少ない。
だいたい、エスプレッソ、これをフランスではカフェ(コーヒー)と呼ぶのだが、コーヒーを飲む人も最近は少なく感じる。
あとは、大きなポットで飲む紅茶である。私は紅茶が好きなので、コーヒーか紅茶かと聞かれれば、紅茶を選ぶのだが、カフェオーレ?と聞かれる時は、オーレをいただくことにしている。ほんとに少ないが。カフェオレボウルが並べてあるときは、その可能性が高いといえる。しかしカフェオレボウルで紅茶をいただくことも多い。
カフェオレは、酪農国・フランスの牛乳のおいしさもあって、機会があれば一つの旅行で一回は飲みたいところだ。
そして、キッチンはこんな感じ。
出発まで、庭を散歩したり、少しこの村を歩いたり、川の方へ犬の散歩に行くフィリップに同行した。
この川の向こうに線路があって、電車が通るので尋ねると、RERーD線で、フィリップはパリに行くときこの電車に乗るということだ。
このD線、この後、郊外の友人宅へ行くときに初めて乗るのだが、その話はまた別に。
フィリップは庭の小屋なども見せてくれ、この数多いアンティークを保管すべく、新しい場所を見つけてあるので、まもなく引っ越しの予定だと言っていた。
ここも田舎だが、さらに田舎なので、この家に住みながら、田舎で過ごすような家を持つということらしい。
フランスで言う別荘は、豪華な別荘もあるが、たいていは都会ぐらし(特にパリなどの大きな町)で、それも仕事のためなどで住んでいる人が「週末を過ごす田舎の家」、というものが多い。日本人の感覚の別荘とはまた違うものだ
今日もナタリーとパリへ行く。
「ナビ派」という絵画展が、リュクサンブール公園の中の美術館で行われているとかで、出発前に「行くなら予約をするよ」というので、私は初めて聞く名前で、どんな作風なのかもわからずにとにかくお願いした。
あまり素敵だと言ったからか、スカーフも広げて見せてくれた後、くるくるっとさり気に巻いた。
もう完璧なマダムである。
フィリップは、おみやげにとジャムを2瓶もくれたのだった。ジャム好きの私にはありがたいのだが、重いのが玉にきずだ。頂くことが多いので、最後にそれでもプラスできそうであれば、私もスーパーで選ぶのだが、できないことが多い。
フィリップとは、ここでお別れになる。