今日は特に行きたいところもないと言ったので、夫妻とともにニースを歩くことになった。
いつものようにゆっくり目の朝食を済ませ、出かけたのは旧市街近く。
ここでも小さなマルシェが行われていた。
アクセサリなど、小物が多かったと思う。
Jクロードは何やらお店の人と話していて、ブレスレットを買っていたが、私は収穫はなし。
そして、昼はニース名物の「ソッカ」を食べようということで、旧市街の中へと入って行ったのだ。途中のお店も見ながら歩いていたので、お昼も過ぎて、結局予約が満席ということだった。お腹もすいていた私たちは、ソッカは諦めることになった。
変更して向かったのは、二年前も来た事がある、ガレットのお店。花市場の近くだ。そこは二年前とは違い店の裏側の外にもテーブル席ができていて、そちらへ案内された。裏の方が静かで落ち着ける。彼らが行きつけの店なので、融通も効くということだ。
私たちとミッシェルさんは、クロックムッシュ?風のガレット(つまり中に卵とハムチーズ入りのガレット)、Jクロードは前回と同様、山羊のチーズのサラダ風ガレットだった。
デザートは私たちとJクロードは、このシンプルなレモン、さとうのクレープ、ミッシェルさんは前回同様チョコレート。
近くのテーブルでは小さい女の子の誕生祝いらしく、火のついたローソクの立っている
ケーキが運ばれてきて、店の人たちも一緒に「Joyeux anniversaire(ハッピーバースデー」を合唱していた。
お腹も膨れた私たちは、ぶらぶら歩いていると、シラク大統領の銅像。なぜニースにあるのかはわからないが、日本通で知られた大統領の銅像にお目にかかれて、なんか嬉しい気分になった。
散策を続けていると、今回の旅で初めて日本の観光客夫妻に遭遇。
彼らは関東から来られていて6週間の予定で、南仏、スペイン、ポルトガル、パリを周遊するとのことだった。
リタイアされて、さあこれからという時にコロナで、やっと念願がかなったということだった。しかし円安で、ご主人は「食事はほとんどスーパーとマクドナルド」と言って苦笑いされていた。それをミッシェル夫妻に言うと「笑えない話だね」
連絡先を交わした私たちはその後のこの日本人夫妻と励ましあいながら?メッセージの交換を続けていたが、まだ60代と50代の夫妻なので、フットワークも軽く、下調べもよくされていて、いい旅を続けられていることが分かった。
スペインやポルトガルは物価が安いこともあり、美味しい地中海の魚介も楽しまれたそうだ。
ご主人は英語が堪能のようで、奥さんはフランス語を勉強中とのことだった。
日常のミッシェル夫妻の買い物ルートなどを通りながら歩いていると、新市街の大通りで、トラムの通行を妨害するかのような人物がいた。
何か心が病んでいるように見えた。大きな苦しそうな奇声を発してしていた。あるいは怖い幻覚を見ているのかもしれないと想像した。結局はトラムが近づいて来たら自分でよけたため、パトカーも走っていたが、特におとがめなし。それに対して、Jクロードは、「警察が見ていたのに何もしないなんて警察が機能していない」と怒っていた。
近づいたら逃げる能力があるので、何か意図を持っているのかもしれない。危険人物として、警察は動いた方がいいということだったのか、私にはよくわからなかった。
夫妻はパリでもそうだったが、あちこちでフランスがこわされていくようで、憂いていることが多い。
市民警察は市民生活に密接した機能を発揮していて、夫妻の評価は高くよくやっていると言っていたので、国家警察か軍の警察(憲兵)のことを言っているのだろう。
ラファイエットやモノプリなどにも行ったが、とにかくミッシェルさんは91歳にも関わらず、Jクロードのウインドーショッピングや試着などにも根気良く付き合うのには感心する。フランス人男性はそう言う人が多いのかもしれないが、日本人ならできないことだろう。ましてや91歳という高齢男性では。夫が疲れて椅子に腰かけていても決して腰掛けることはなく、ついて回り、荷物を持っているのだ。この点はフランス人男性に文句なく軍配が上がる。
今日もよく歩いた。
帰ってから夫妻は立ち続けで食事の準備をしてくれていた。感謝しかない。