障害者との共生について、「障害の社会モデル」という考え方があります。
障害の原因は当事者の心身機能だけではなく、社会の環境にあるとするものです。
この考え方が社会全体で、まだまだ理解されていません。
たとえば車いすに乗った人が、スロープやエレベーターがない駅のホームにまで上がれないとします。
それは、駅にスロープやエレベーターが未整備であるという環境があるからです。
飲食店や小売店、交通機関、金融機関などのさまざまな場所でICT化や無人化が進んでいます。
飲食店では、人件費を節約するため、食事の配達はロボットが導入されるレストランが増えています。
タッチパネルに手が届かず、低い位置から画面が見えない。障害者が使えない状況が見過ごされています。
人手不足を背景に、「人がいないので、障害者は待っていてください」というのがあたり前になってしまっています。
でも障害者たちにも生活があります。毎日待たされるのは苦痛です。
交通模関でも、出かけるたびに事前連絡を求められます。何時何分発、と伝えて、その時間に遅れないようにに行く。
こういうのはすごくたいへんだともっと、まわりの人が理解しなければなりません。
「できない方が悪い」という考え方は、「しくみの枠からはみ出しているあなたたちが問題なのてすよ」という主張につながります。
「助けて」、「私たちもここで生きている」という障害者の声に、敏感になりたいと思います。