その選択肢の中から、自治体の教育委員会が選びます。
ただし、デジタル教科書は、小中学校の英語や算数・数学で既に導入されています。
その知見から、デジタル教科書のメリットがわかってきています。
タブレット端末で、アニメーションや音声が補助してくれますので、授業が理解しやすくなるという効果があります。
画面上で図形を動かして算数・数学の理解を深めることができます。
英語は、何よりも音声が重要になる教科ですので、デジタル教科書は児童生徒の学びの強い味方になります。
児童・生徒が教科書に書き込んだ内容を電子黒板や端末に表示し、おたがいの考え方・意見を交流できます。
しかし、課題もいくつかあります。
一つは、指導者側の問題です。デジタル教科書を授業で使いこなすことができる教員が、まだ多くはいません。
家庭学習への配慮も必要です。家庭の経済状況の格差が、通信環境の違いになり、不利益を被る子どもが出ないようにする必要があります。
視力低下という弊害を生み出す懸念もあります。長時間にわたり画面を見続けることがないよう、指導しなければなりません。
一方、紙の教科書には、その単元の学習全体を見渡すことができるという長所があります。ところが、デジタル教科書は、一点集中になりやすいのです。
また、集中した読解を要する長文などには、デジタルよりも、紙の活字の方が適していると考えられます。
また、数学の立体図形の授業を参観してわたしが思ったことがあります。
平面図形を移動させるときなど、黒板にマグネットつきの図形を貼り付けて、実物を動かすのは、デジタルで図形を動かす画面より、リアリテイがあります。
デジタル教科書か紙教科書か、どちらかではないのです。
両方を使い、お互いの短所をカバーしあえるよう、教員の研修を深めていかなければなりません。