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箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

デジタル教科書を使うには

2025年04月05日 08時30分00秒 | 教育・子育てあれこれ

学校で使う教科書には、2030年度からデジタル教科書が正式に導入される予定です。

もちろん、従来の紙の教科書と同じように検定制度が適用されます。
また、無償で配布されます。

・紙の教科書だけ使用
・デジタル教科書だけ使用
・両方の教科書を使用

その選択肢の中から、自治体の教育委員会が選びます。


ただし、デジタル教科書は、小中学校の英語や算数・数学で既に導入されています。


その知見から、デジタル教科書のメリットがわかってきています。


タブレット端末で、アニメーションや音声が補助してくれますので、授業が理解しやすくなるという効果があります。


画面上で図形を動かして算数・数学の理解を深めることができます。


英語は、何よりも音声が重要になる教科ですので、デジタル教科書は児童生徒の学びの強い味方になります。


児童・生徒が教科書に書き込んだ内容を電子黒板や端末に表示し、おたがいの考え方・意見を交流できます。


しかし、課題もいくつかあります。


一つは、指導者側の問題です。デジタル教科書を授業で使いこなすことができる教員が、まだ多くはいません。


家庭学習への配慮も必要です。家庭の経済状況の格差が、通信環境の違いになり、不利益を被る子どもが出ないようにする必要があります。


視力低下という弊害を生み出す懸念もあります。長時間にわたり画面を見続けることがないよう、指導しなければなりません。


一方、紙の教科書には、その単元の学習全体を見渡すことができるという長所があります。ところが、デジタル教科書は、一点集中になりやすいのです。


また、集中した読解を要する長文などには、デジタルよりも、紙の活字の方が適していると考えられます。 


また、数学の立体図形の授業を参観してわたしが思ったことがあります。


平面図形を移動させるときなど、黒板にマグネットつきの図形を貼り付けて、実物を動かすのは、デジタルで図形を動かす画面より、リアリテイがあります。


デジタル教科書か紙教科書か、どちらかではないのです


両方を使い、お互いの短所をカバーしあえるよう、教員の研修を深めていかなければなりません。