goo blog サービス終了のお知らせ 

箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

おとなしい子を大切に

2019年08月09日 10時14分00秒 | 教育・子育てあれこれ







私が教職を通して、常に心がけ、実践してきたこと。また、後進の教員に伝えてきたことがあります。

それは、

教室の隅にいる子にも、光を当てる先生になる。

という教えです。

1クラスあれば、その中には多様な児童生徒がいます。

にぎやかな子がいるかと思えば、おとなしい子がいます。

目立つ子がいれば、つい見落とされがちな子もいます。

よく意思表示する子がいる一方で、自分の考えや思いを表現するのが苦手な子がいます。

しかし、それがクラスです。

いろいろな子がいるから面白いと思えるのが教師なのです。

そして、一人ひとりがクラスの一員であり、誰もが同じ一人の人間であり、誰一人欠けてはならないのです。


ところが、とかく教師はよく話しかけてくる子と会話したり、目立つ子に声をかけることが多いものです。

学校での一日が終わり、教室を出るとき、「今日は何人の子と話したか、声をかけたか」とふりかえるのです。

あの子とは、目があったけど話せなかったな。明日は、あのことで声をかけてみよう。

授業でも同じです。自分から手を上げて発表しようとする子だけで、授業を進めてしまった。

おとなしくて、手を上げていなかった子にはかかわることができなかった。

このように、内省的に考え、次の行動を変えることができる教師が、一人ひとりを大事に思い、子どもを大切にできる教師です。

難しいことではありません。

授業や学級活動、掃除、給食のとき、誰か子どもと話していて、おとなしい子に「〇〇さんは、どう思う?」など尋ねてみるだけだけでもいいのです。

または、近づいて直接気づいたことを言うのでもいいのです。

「〇〇さんは、いつもちゃんとゴミをとってきれいにしてくれるね。ありがとう」。

声をかけられた生徒は、「先生は、わたしのことを、ちゃんとみてくれている」と感じます。

その子に光を当てるのです。

要は、その子の存在に気がつくか、つかないかという感性をもっているかどうかです。

私にも経験があります。

たわいもない会話でしたが、ある女子生徒が「先生、先生」と近づいてきたので話していました。

その横には、別の女子生徒が下を向いてじっと聞いていました。

話の途中で、「ねえ、そうやんな。〇〇さん」。

自分には関係ないと思っていたその子は、ハッと顔を上げ、こちらに向けた表情は輝いていました。