

公立高校一般入試の出願が終わり、各校の志願倍率が報告されています。
三中では、多くの生徒が普通科を志願していますが、なかには「都市工学科」に出願した生徒がいます。
いまや、町づくりは、自治体が取り組む大きな課題です。
都市のデザインをどう描くか、それをハード面で学習したいという、その生徒の意気込みが大切とだと
私は思います。
さて、ハード面だけでなく、ソフト面でも、安心して暮らせる住み心地のいい町を追究することも、たいへん意義があると思います。
生活の環境が整備されていて、行政サービスが充実していること、それが住み心地のいい町だと言えるでしょう。
加えて、構成員の市民が、福祉や環境美化などのボランティア活動に、自由にかかわることのできる町も魅力的です。
あいさつを交わし、近くの子どもを優しい目で見守り、高齢者を大切にする町でのボランティア活動は、人びとを居心地よくさせます。
ボランティアで行った活動に感謝されることで、大きな達成感・貢献感を感じることができる。
そんな地域づくりは、いまの時代においては、とくに大切です。
社会学者がプライバタイゼーションと呼ぶ、個人の関心が他者ではなく、自分や自分の家庭に向く傾向が、いまの日本社会を覆っています。
それを、私は全面否定するつもりはありません。
でも、内側に向く関心を少しは他者に向け、となりの高齢者のようすや赤ちゃんのことを気にかけるとかできれば、優しく温かい町になると思います。
この点で、縁があって箕面三中という学校で出会い、同じクラスになった生徒同士が、となりの生徒のことを気にかける。
助け合い、協力し合い学校行事を進めていくなどは、学校という「箱もの」を意味のある、「町」にしていく営みです。
個人だけでは体験できないことを提供できる、生徒たちにとって、学校は意味のある「町」であるのかもしれません。