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言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

「謝謝台湾計画」の真意

2011-05-08 | 日記
YOMIURI ONLINE」の「つぶやきに6千人賛同…「ありがとう台湾」広告」( 2011年5月5日19時37分 )

 【台北=源一秀】3日付の台湾大手紙「自由時報」「聯合報」に、日本のネットユーザー約6000人が東日本大震災の義援金などに対する半ページの感謝広告を掲載した。

 日本語で「ありがとう、台湾」、中国語で「愛情に感謝します。永遠に忘れません」とメッセージが書かれている。

 日本政府は米国、中国、韓国などの大手7紙に震災支援感謝の有料広告を出したが、約160億円もの義援金が集まった台湾は含まれていなかった。川崎市のフリーデザイナー、木坂麻衣子さん(37)が簡易投稿サイト「ツイッター」で「台湾にもお礼したい」とつぶやいたところ、賛同者が殺到。2紙の広告費240万円を募ると、全国から6015件、約1930万円が寄せられた。


 民間の有志が台湾の新聞2紙に震災支援感謝の広告を出した、と報じられています。



 報道では、木坂麻衣子さんが「台湾にもお礼したい」とつぶやいた、と書かれています。「台湾にもお礼したい」の意味が気になるところです。普通に考えれば、

  (日本政府は台湾にお礼を述べなかったので)
             台湾にもお礼したい

という意味になります。しかし、実際には、日本政府は台湾の新聞にお礼の「新聞広告」を出さなかっただけで、台湾に対して「きちんとお礼を述べている」わけです。このことは、当ブログの過去記事「「中国を特別扱いするな、台湾を特別扱いしろ」という「偏った」主張」において引用している (報道) 記事を見てもあきらかです。



 とすれば、木坂麻衣子さんがつぶやいた「台湾にもお礼したい」の意味は、どう考えればよいのでしょうか?

  (中国に対するのと「同じ形」=新聞紙上で)
             台湾にもお礼したい

という意味に取らなければ筋が通らない、と考えるのが普通でしょう。もしかすると、木坂麻衣子さんは「日本政府が台湾にもお礼を述べている」ことを「知らずに」、台湾にもお礼したい、とつぶやいた可能性もありますが、次のブログ記事を読むかぎりでは、木坂麻衣子さんは「日本政府が台湾にもお礼を述べている」ことを「知ったうえで」、

  (中国に対するのと「同じ形」=新聞紙上で)
             台湾にもお礼したい

と考えておられたのではないかと推測されます。



日本が好きな人のブログ」の「謝謝台灣!日本有志一同

4月22日に御紹介した「謝謝台湾計画」の木坂麻衣子氏が、民間有志から募った募金を基に、台湾の新聞に感謝の広告を掲載しました。木坂麻衣子氏と電話で繋ぎ、今のお気持-ちをお聞きします。

政治的に冷遇する日本政府にかわって、本当に有り難いことだと思いました。いま台湾は分岐路にあると思います。台湾が中国に吸収されたら、日本の尖閣防衛なんて笑い話です。地図を見れば素人でもわかる。台湾は、太平洋にいつでも出れる不沈空母みたいなものですから。個人レベルでもいいから、台湾への親しみを伝えていくことが将来きっと大きく効いてくると思います。

逆に中国に媚びて中国で仮設住宅を買い漁る民主党に怒りを感じます。

日本は、アメリカと共同して、中国の脅威から台湾を護ろう。台湾の独立を支持しよう。中国が台湾を併合したらどうなるのか?それは、日本の生命線ともいうべき「シー・レーン」が中国に押さ-えれる、ということだ。そうなると、政治・経済の全ての面で、日本は、中-国の顔色を窺うことになる。そして、中国軍は、自由に太平洋に出て行くことができるようにな-り、「太平洋の覇権」を握ることになる。こんなことは、断固として、阻止しなければならない。




 私は、たしかにこのような主張もあり得るとは思いますが、これを日本政府が行えば、中国人の目には、

   日本は中国の一つの省、
    「台湾省」を特別扱いして広告を出したのに、

   なぜ、「広東省」などの
    中国のほかの省にはお礼の広告を出さないのか、

と映ってしまうでしょう。日本は台湾独立を支持するのか、ということにもなりかねません。このようなことをも考えれば、民間が台湾に広告を出すのは自由 (勝手) だが、日本政府の動きには「とくに問題があったとはいえない」と考えてよいのではないかと思います。



 ところで、上記ブログ記事中で紹介された木坂麻衣子さんの言葉は、

   日本の尖閣防衛・シーレーン防衛のために
    台湾にも中国と「同じ形で」お礼を述べたい、

ということを意味しています。これは言い換えれば、

   尖閣防衛・シーレーン防衛のために
            台湾を利用したい、

   そのために台湾を「国扱い」したい

ということではないでしょうか? このような態度は、台湾に「感謝」している態度とは、微妙に異なっているのではないかと思われてなりません。



 なお、この問題は、深く追求すれば「台湾は一つの国なのか、中国の一部なのか」という問題に行き着きます。これについては、外務省のホームページが参考になると思いますので、台湾と「外交関係のある国」=台湾を「国として認めている国」のリストを引用しておきます。



外務省」の「台湾

1.外交関係のある国(計23ヵ国)

大洋州(6ヵ国)
ツバル、ソロモン諸島、マーシャル諸島共和国、パラオ共和国、キリバス共和国、ナウル共和国
欧州(1ヵ国)
バチカン
中南米・カリブ(12ヵ国)
パナマ、ドミニカ共和国、グアテマラ、エルサルバドル、パラグアイ、ホンジュラス、ハイチ、ベリーズ、セントビンセント、セントクリストファー・ネーヴィス、ニカラグア、セントルシア
アフリカ(4ヵ国)
スワジランド、ブルキナファソ、ガンビア、サントメ・プリンシペ




■追記 ( 2011-05-14 )
 下記の動画によれば、木坂麻衣子さんが発起人となった「謝謝台湾計画」の動機は、尖閣防衛・シーレーン防衛などではなく、たんに「台湾にお礼を言いたい」という動機にもとづくものだったようです。したがって、私が引用した「日本が好きな人のブログ」の「謝謝台灣!日本有志一同」の記事内容が不適切だったのではないかと考えられます。募金された方々、および読者の皆様に対し、深くおわび申し上げます。

日本文化チャンネル桜【ニュースの読み方】日本人が台湾にお礼の広告を出した訳[桜
http://www.youtube.com/watch?v=TIReygIDed0

 ただ、上記動画を見るかぎりでは、木坂麻衣子さんは日本政府が台湾に対して「きちんとお礼を述べていない」と誤解されているようです。なにをもって「きちんと」と言えるのかは難しい問題ですが、私としては、日本政府の対応には「特に問題があったとはいえない」と考えています。