言語空間+備忘録

メモ (備忘録) をつけながら、私なりの言論を形成すること (言語空間) を目指しています。

中国は「2012年の台湾統一」を目指している

2011-02-01 | 日記
大紀元」の「中共には経済危機存在しない・民主中国こそ日本の国益=袁紅冰氏来日講演(二)

 著書『暴かれた中国の極秘戦略』の宣伝に来日した中国人政論作家・袁紅冰氏は…(中略)…中国高層幹部とその家族から入手した内部機密文書に基づき、昨年台湾で、中国共産党の対台湾謀略の全貌を描く著書『台湾大劫難』を出版し、中国共産党が2012年までに経済、文化、政治上の統一を経て戦わずして台湾を勝ちとるという戦略を暴露したことで、大きなセンセーションを起こした。

(中略)

 中共の全世界拡張戦略の第一歩は台湾で、第二歩はインドで、第三歩は日本である。台湾が最初のターゲットにされたのは、中国本土の15億3000万人の政治奴隷にとって、台湾は自由と民主の手本に相当し、中国共産党の独占政権の存続に致命的な一撃を与えている。台湾問題を解決した後、中共は2015年にインド問題を解決する予定だ。インドが保護しているチベット亡命政府と多くのチベット難民コミュニティを追い払うよう、インド政府に強要する。中国国内の少数民族の反抗の中で、半世紀にわたったチベット人の反抗は全世界の関心を寄せた。当然、中共にとって2番目に除去したい要素となった。3番目は日本で、中共は日本を自分の政治従属国にさせたいのだ。

 2012年までに台湾問題を解決するのは中国共産党の既定の戦略方針だ。中国共産党内部に「2012台湾選挙工作チーム」が設立され、チームリーダは胡錦涛で、副リーダーは温家宝だ。台湾の2012年大統領選挙のために、中共は工作チームを設置するのはなぜだろう? 長期にわたって台湾で育成した各種の力を駆使して選挙を操るためだ。

 だから、2012年3月20日から5月20日の間は自由台湾の最も危険な時期だ。その時、中共は政治面、経済面、文化面の力を合わせて選挙を操って、台湾国民党の立候補者を当選させる。それから、2012秋開催の「18期党大会」の前に台湾国民党と中国共産党は与党の名義で政治和平合意を締結する。いわゆる「政治和平合意」の本質は国民党が中国共産党に投降する合意で、中華民国の概念はこれで消滅され、台湾は中共暴政の統治下に置かれる1つの地区となり、2300万台湾人がそれから中共暴政の政治奴隷となる。

 もし選挙を操る中共の陰謀は台湾の大衆に破られ、中共の望まない次期大統領が選出されれば、政権交代の3月20日から5月20日の2ヶ月に、中共はきっと台湾で長期にわたって培った力を駆使して大規模な動乱を起こす。それで中共は「国家分裂反対法」に定められた、台湾に大動乱が起こる時に中共が台湾に出兵すべきという条例に準じて、台湾に出兵する。要するに、台湾問題を解決するために中共はいかなる対価も惜しまないのだ。

 中共の台湾野望を知った全世界の人々に、台湾の自由を守るために、勇敢に中共に立ち向かうように私は期待している。


 2012年までに台湾問題を解決するのは中国共産党の既定の戦略方針である。内部機密文書によれば、中国共産党は胡錦濤・温家宝をリーダーとする「2012台湾選挙工作チーム」を設立し、台湾の2012年大統領選挙で親中派を当選させ、和平合意とともに台湾を統一することを目指している。もし選挙で敗れれば、台湾で動乱を起こし、それを口実に台湾に出兵する計画である、と書かれています。



 ここでも、「中国の対北朝鮮戦略」と同様、「どちらに転んでもOK」な態勢を中国はとっている、ということになります。

 「どちらに転んでもOK」というのは要するに、「確実に」中国は台湾を統一したい、ということでしょう。



 もしこの「作戦」が成功すれば、胡錦濤は (中国の) 歴史に残る指導者になると思います。毛沢東・小平に並ぶ、「偉大な」指導者として扱われるはずです。

 「キッシンジャーの「2011年10の予測」」には、
「胡錦濤主席の後継者は 2012 年まで分からない」
という項目がありましたが、胡錦濤が台湾統一に成功すれば、まず間違いなく、胡錦濤の後継者は習近平ではなく、胡錦濤に近い人物になるものとみられます。

 中国における権力闘争の凄まじさ(すさまじさ)を考えれば、台湾統一の成否には胡錦濤の命運もかかっています。本気になって選挙工作しているはずです。



 そして中国の台湾統一工作が成功すれば、日本は窮地に立たされることになります。日本には、あと一年しか残されていません。



■関連記事
 「台湾問題についての米中台の姿勢
 「台湾人のアイデンティティー
 「台湾の五大都市市長選結果
 「中国が集団指導体制に移行した理由と、民主化の可能性

中国の対北朝鮮戦略

2011-02-01 | 日記
櫻井よしこ 『異形の大国 中国』 ( p.208 )

 WSJは、ベーカー氏らがイラクからの撤退を尤もらしい理屈で安易に決定し、イラク国民が選んだシーア派主導の内閣を見捨てるなら、「非情なる現実主義の指導者が君臨するロシア、中国、ナイジェリア、ベネズエラ、ボリビア、パキスタン、エジプト、サウジアラビアなどを含む諸国で、米国が支援してきた民主主義勢力は痕跡残さず潰されていく」と警告した。
 ブッシュ大統領がISGの提言を受け取るのは11月第4木曜日の感謝祭のあとである。WSJの指摘するシナリオを米国が採れば、影響はイラク問題にとどまらず日本周辺にも深刻な影を落とす。
 具体的には朝鮮半島における中国の動きである。現在中朝国境には8万人の人民解放軍が配備済みだ。脱北者取締りのためとされているが、8万人は国境警備の警察官ではなく、全員が軍人である。中国政府は中朝国境に至る道路を、戦車の走行に耐えうるように拡幅し整備してきた。国境警備には不似合いな戦車や十分すぎる装備も配備した。加えて8万人の軍隊は少なくともここ1年、渡河訓練をはじめ、まるで北朝鮮に攻め入るかのような激しい訓練を重ねている。中国の目的は明白だ。いざというとき、どの国も介入出来ないほどの短時間で、電光石火の北朝鮮制圧をやってのける態勢を作り、それを維持し続けることだ。そうすることで北朝鮮への睨みもきかせたいのである。

★中国のしたたかな計算

 彼らが気にするのは国際社会への口実と米国の動きだ。中国は其の口実を着々と準備してきた。そのひとつが高句麗論争である。高句麗王朝の領土は現在の北朝鮮領土とほぼ重なる。そこで中国は、高句麗は、昔々、中国の一地方政府だったのだから、今の北朝鮮も中国の一部だと主張するのだ。
 これには韓国も北朝鮮も極めて強く反発しているが、中国は彼らの反発など気にしない。中朝国境にある北朝鮮の霊峰、白頭山を中国は長白山と呼び、中国側から着々と開発を進めつつある。進め方は傍若無人そのもので、日本固有の領土、尖閣諸島周辺海域の天然ガスなどを、いかに日本が抗議しようが、平然と奪い続けるのと同じである。
 中国が準備中のもうひとつの口実は、朝鮮人民軍の分裂と、分裂して生まれる勢力の一派からの支援要請である。北朝鮮の体制崩壊に伴う混乱回避のため、北朝鮮内部から支援を要請されたといえば、国際社会の批判を封じ込むことが出来ると、中国は計算しているのだ。


 中国は北朝鮮を制圧するための準備を、着々と進めている。脱北者取締りを口実として、国境警備の名目で (警官ではなく) 8万人もの軍隊を配備している。国境警備が目的のはずなのに、戦車が通れる道路を造ったり、渡河訓練を行っている。実際に軍隊を動かす(=進軍する)ための口実作りも着々と進んでいる、と書かれています。



 国境警備が目的のはずなのに「おかしな」行動を中国はとっている、というのですから、一応、著者の主張は「正しい」とみてよいと思います。

 引用部分を整理すれば、次のようになります。



一、目的

 中国は北朝鮮を領土に加えたい。または、属国にしたい。

二、手段

 中朝国境に軍隊を駐留させ、いつでも侵略できる態勢を整える。
 そのうえで、時期がくるのを待つ。

三、口実作り

 北朝鮮内部からの支援要請があれば、それが最善である。
 しかし、要請がこないかもしれないので、そのときに備えて、
 もともと北朝鮮は中国の領土だった、と主張しておく。

四 作戦の実施

 侵略の際には、他国の介入を防ぐため、電光石火の制圧を行う。



 上記の結果、中国の立場は次のようになります。

  • 北朝鮮側が中国の言いなりになるなら、それでOK!
  • 言うことをきかなくても、北朝鮮の体制崩壊の際、支援要請があればOK!
  • 支援要請がなくても、いざとなれば侵略の口実はある!


 先日、「中国軍、50年間の租借権をもつ羅津港に進駐」というニュースがありました。中国側の準備は、着々と進んでいるようです。



 このような中国の態度を前提に考えると、「平和のために、日本は軍備をもつべきではない」という発想は、完全に現実から遊離しているといわなければならないと思います。
日本が防衛のために軍隊をもてば、それが脅威となり、近隣諸国の軍拡をもたらす。したがって、日本は軍備を放棄すべきであり、自衛隊は認めるべきではない
などといった主張は、どこか「ずれている」のではないでしょうか。

 善人ばかりの世の中ならよいのですが、現実はそうではありません。いざというとき、自分を守るための手段は用意しておかなければならないと思います。



■関連記事
 「核廃絶は不可能、核の傘は必要