くう・ねる・よむ・はな

食べること、眠ること、読むこと、お花が大好き。そんなメイジャンが日々の出来事を綴った、のほほんor辛口日記

『ぶたぶたの食卓』

2008年06月03日 | おいしい本

「(餃子の)皮の焼き目のついたところはカリッとした歯ごたえ、あとはもちもちとした食感。餡にもたっぷりの肉と野菜の甘みがあった。はふはふ言いながら、一気に二つ食べてしまう。うん、とってもおいしい!ビールが欲しくなってくるではないか。」

『ぶたぶたの食卓』 矢崎存美著(光文社文庫,2005年)

 

矢崎さんのを読む度に、この本が最初でよかったなー、とつくづく思う。ストーリーは浮世離れしてるけど、次から次へと出てくるおいしそうなものときたら…、この人の最大の持ち味、食べ物の描写のウマさが発揮されてる話ばかりなんだもの。

さて、この中に出てくるメニューは馴染み深いものばかり。それだけに、どれほど美味しいのか、想像は果てしなく広がっていく。

第1話は「チャーハン,餃子」&「肉を噛むと肉汁がじゅっと口の中に溶け出る」酢豚から始まって第2話は「あさりづくし」(あさりの酒蒸し,中華炒め,スパゲティボンゴレ)第3話は文庫の表紙を飾る「キャラメルソースのガレット」。そして第4話の手作りカキ氷、クリームあんみつ(濃厚なアイス付)がトリを飾る。

中でも、第2話の「あさりの中華炒め」のくだりときたら…あさり嫌いの私をして実際に作らせてしまったほどだった。(砂が入ってる確立が高すぎて苦手なだけ~)

「殻をはずしたあさりとご飯を混ぜて頬張ると、そのままかっこんで食べ尽くしてしまいたくなってくる。鷹の爪がほんの少しぴりっとして、紹興酒の香りはほのかに-でも、圧倒的にあさりのうまみの方が強い。新鮮なあさりというのは、こんなに味がしっかりしていておいしいものなのか。」

…ごっくん。さて、その作り方ですが、いたって簡単。あさり,にんにく,鷹の爪,紹興酒を用意して、文中の手順でつくっていくとアッサリ完成します。ちなみに私がトライした時のお味は、…ヘヘヘ、ソコソコでございました。(腕前のせいだと思われます)

「おまけのつぶやき」

この本を初めて読んだときは、少々拍子抜けしたものだった。最後まで、特に何~んにも起きない話だったから。ミステリーでもなく、事件も起きず、最大にして唯一のサプライズは、「ぶだぶたさん」という動くピンクのヌイグルミ(人)が出てくること。

シリーズものなので、ぶたぶたさんの職業は色々なバージョンがあるけれど、基本的には各回の登場人物が、ぶだぶたさんを見てビックリして、そこから自分の内面を見つめたり、周囲の人たちとの触れ合いからあったかいものを見つけていく、といった話が多いかな。

私にとっては共感したり感情移入するシーンがあんまりないので、胸にじーんとくる場面は、ぶっちゃけそんなにナイ。。。(み、身もふたもナイ)

主人公のモノローグと登場人物たちの会話を中心に話が進んでいくので、新井素子の文体がダメな人にはキツイかも。 



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