2話のときであった、美術監督の明石貞一さんは2階の部屋で背景設定などの仕事をしていた、背景は彼のスタジオで、彼のスタッフと描いていた。そのほかにも、前からの仕事で、ひろみプロの絵本作品も描いていた。
ひろみプロは、虫プロ左正面の電気屋2階に有った。右の狭い階段を上がったところにスタジオがあり、手塚先生のアシスタントも出入りしていた、もちろん平田さんも手塚卓さんもひろみプロの役員でもあった。
明石さんは伝える用事があったので、ひろみプロに寄った。仕上がったメルモ第2話の背景が、車のトランクルームに入れてあった。すぐなので、エンジンはかけたままであった。
もどった目の前で車が盗まれた。追いかけても、車と人では追いつけない。すぐ先の交番で、急いで手配をしてもらったが、背景の価値がわからないので、緊急さに欠け、その日は発見されなかった。
我々は真っ青になった。放送日も迫っている、撮影出しができない。その夜から、少年探偵団?が活躍する。まずは,逃走方向の石神井団地、駐車してある車をしらみつぶしに調べていく、その日は夜が明けて仕事場に戻った。
明石さんは、徹夜してでも、もう一度描き上げるといった。
新宿方面の外注さんへ、打ち合わせをしに行くときも、目は明石さんの車を、車酔いするほど探した。
人の慣性は面白いもので、新宿方面だと、フジテレビへ行くための裏の抜け道があるのであるが、何年も使っているものだから、気を抜くといつの間にか、そのうら道を走っている。 別の言い方をすれば、いつの間にかその道で、虫プロまで帰れるのである。
その日も環七を突っ切り、裏道をいつものように中村橋から阿佐ヶ谷へぬける道を突っ切る、突き当たりに小学校が有り、少し広い道になる。そこを左折して富士見台駅前を通り手塚プロへと帰るのであるが、そこを右折すると左の歩道に片輪を歩道に乗り上げた乗用車が停めてあった。
そのナンバーを確認するとビンゴである。すぐにまわりの様子を見て、ドアを開けてみる。ドアの鍵はかかっていなかったので、ボンネットを開けて、コンデンサーの一次コイルからの配線を抜いておく、これでエンジンはかからない。
警察に連絡するために、公衆電話を探す。富士見台への向け道手前に新しくできた、うどん屋さんがあった。
お店の公衆電話で110番をする。しかし相手の声は聞こえるのだが、こちらの声が聞こえない。そのうちに、相手が「お店の公衆電話の場合、お店の人から鍵を借りて、かけなおしてください」とのこと、そんなこと全く知らなかった不便である。
話が通じるようになって、友人の盗難車を発見したので、すぐ来てくださいというのに、要領を得ない、いつの話ですかとか、など細かいことを聞かれる。
それは、昨日届けを出した交番から盗難届けが上がっていなくて、110番しても、要領が得ないのであったのだ。
説明するだけで、かなりの時間がかかってしまい犯人が車に戻っているのではと気がかりで仕方なかった。
連絡がすんですぐに明石さんに電話を入れ、発見したことを伝えた。来るときに鍵がないので鍵を持ってきて欲しいことをも言った。
車の中で見張りながら、かなり待足されて、パトカーが到着、盗難届けが上がっていなかったため、ここでも説明をする。
鑑識が来て指紋など採取、車が粉だらけになる。
助手席のドアにハンドバックが引っかかっていた、多分、ひったくりをして、捨てたのにドアに引っかかっていたのだろうと、被害者の手がかりを探していた。
こちらはあとで、被害にあった方から、ハンドバック発見のお礼の電話を貰ったが、現金などはなくなっていたという。
犯人が戻るかもしれないので、見張らなくても良いのですかと尋ねたが、明石さんが、鍵を持ってきたところで、練馬警察で調べるため、車で警察に向かった。
あとで明石さんから聞いた話では、サンバイザーに鍵が隠してあったとのこと、犯人は、あとでまた戻って来るつもりだったのだ。
少年探偵団としては、大人の警察官のふがいなさに、不信感ばかりが、増してしまった。
それでも背景が、すべて無事で戻ってきたのは、うれしかった。
何より疲れ気味の明石さんに、貫徹(完徹)をさせなくて済んだ事が喜びであったし、偶然にも盗難車が発見できたことに、神も仏もあったものだと感謝した。
ひろみプロは、虫プロ左正面の電気屋2階に有った。右の狭い階段を上がったところにスタジオがあり、手塚先生のアシスタントも出入りしていた、もちろん平田さんも手塚卓さんもひろみプロの役員でもあった。
明石さんは伝える用事があったので、ひろみプロに寄った。仕上がったメルモ第2話の背景が、車のトランクルームに入れてあった。すぐなので、エンジンはかけたままであった。
もどった目の前で車が盗まれた。追いかけても、車と人では追いつけない。すぐ先の交番で、急いで手配をしてもらったが、背景の価値がわからないので、緊急さに欠け、その日は発見されなかった。
我々は真っ青になった。放送日も迫っている、撮影出しができない。その夜から、少年探偵団?が活躍する。まずは,逃走方向の石神井団地、駐車してある車をしらみつぶしに調べていく、その日は夜が明けて仕事場に戻った。
明石さんは、徹夜してでも、もう一度描き上げるといった。
新宿方面の外注さんへ、打ち合わせをしに行くときも、目は明石さんの車を、車酔いするほど探した。
人の慣性は面白いもので、新宿方面だと、フジテレビへ行くための裏の抜け道があるのであるが、何年も使っているものだから、気を抜くといつの間にか、そのうら道を走っている。 別の言い方をすれば、いつの間にかその道で、虫プロまで帰れるのである。
その日も環七を突っ切り、裏道をいつものように中村橋から阿佐ヶ谷へぬける道を突っ切る、突き当たりに小学校が有り、少し広い道になる。そこを左折して富士見台駅前を通り手塚プロへと帰るのであるが、そこを右折すると左の歩道に片輪を歩道に乗り上げた乗用車が停めてあった。
そのナンバーを確認するとビンゴである。すぐにまわりの様子を見て、ドアを開けてみる。ドアの鍵はかかっていなかったので、ボンネットを開けて、コンデンサーの一次コイルからの配線を抜いておく、これでエンジンはかからない。
警察に連絡するために、公衆電話を探す。富士見台への向け道手前に新しくできた、うどん屋さんがあった。
お店の公衆電話で110番をする。しかし相手の声は聞こえるのだが、こちらの声が聞こえない。そのうちに、相手が「お店の公衆電話の場合、お店の人から鍵を借りて、かけなおしてください」とのこと、そんなこと全く知らなかった不便である。
話が通じるようになって、友人の盗難車を発見したので、すぐ来てくださいというのに、要領を得ない、いつの話ですかとか、など細かいことを聞かれる。
それは、昨日届けを出した交番から盗難届けが上がっていなくて、110番しても、要領が得ないのであったのだ。
説明するだけで、かなりの時間がかかってしまい犯人が車に戻っているのではと気がかりで仕方なかった。
連絡がすんですぐに明石さんに電話を入れ、発見したことを伝えた。来るときに鍵がないので鍵を持ってきて欲しいことをも言った。
車の中で見張りながら、かなり待足されて、パトカーが到着、盗難届けが上がっていなかったため、ここでも説明をする。
鑑識が来て指紋など採取、車が粉だらけになる。
助手席のドアにハンドバックが引っかかっていた、多分、ひったくりをして、捨てたのにドアに引っかかっていたのだろうと、被害者の手がかりを探していた。
こちらはあとで、被害にあった方から、ハンドバック発見のお礼の電話を貰ったが、現金などはなくなっていたという。
犯人が戻るかもしれないので、見張らなくても良いのですかと尋ねたが、明石さんが、鍵を持ってきたところで、練馬警察で調べるため、車で警察に向かった。
あとで明石さんから聞いた話では、サンバイザーに鍵が隠してあったとのこと、犯人は、あとでまた戻って来るつもりだったのだ。
少年探偵団としては、大人の警察官のふがいなさに、不信感ばかりが、増してしまった。
それでも背景が、すべて無事で戻ってきたのは、うれしかった。
何より疲れ気味の明石さんに、貫徹(完徹)をさせなくて済んだ事が喜びであったし、偶然にも盗難車が発見できたことに、神も仏もあったものだと感謝した。