気丈夫だった笠井静子であったが、アパートで一人生活しながら会社にも出ていた。しかし、生活態度が荒れてきた。深夜までお酒を飲み内海君の幻影を追って、泣き、叫び、狂舞して「私も連れてって」とさけぶ、そんな日が続いていった。アパートにも帰らず、朝まで飲む日が続く、心配して多くの仲間たちが彼女に着いていることとなっていた。
前後して、アパートを借りていた。睡眠だけは贅沢しようと、セミダブルの高級ベットと、部屋には、当時としてはかなり贅沢なエアコンも取り付けた。おおきな本棚と冷蔵庫、ソニーのトリニトロンカラーテレビも買った。
ある日、たぶん夢であったのであろうが、はっきりと見た、今でも鮮明に覚えている。
おばけや幽霊に関しては、弱いほうであった。あれが、夢枕に立つと言うのであろうか。左横をむいた、内海君が何も言わず立っている、後ろから光が当たっているので、シルエットしか見えないが、青白い光の中に浮かんだその影は、紛れもなく、内海君であった。
不思議と、まったく、恐くなかった。声をかけたかったが、あれが、金縛りに合うと言うのであろう、声も出ず、体も動かせなかった。
ベットの上で上半身を起こした私は暫し呆然となっていた。今見たものが、現実なのか夢なのか、その、さかいがわからない、時間が動き出しているのがわかったことだけは確か。
内海君から何も語られなかったが、「許された」と感じた。「ゆるして」といってもいた、頼まれたようにも感じた。いつまでも悔やむことを、終わりにしなければ。
真夜中ドアを叩く音で目が覚めた、ドアを開けると笠井君がかなり酔って立っていた、タクシーの運転手が気の毒そうな顔をして立っていた、料金を払ってあげた。
仲間たちと、例によって飲みに行っていたらしい、一人で帰れるからとタクシーに乗ったが、さびしくて、アパートには帰れず、私のところに来た、という事がわかった。
酩酊状態で、「たけお」の名を呼び、「なぜ一人で行ってしまったんだ」「私も連れてってよ」とさけぶ。近所に迷惑である、声を抑えるよう頼む。
ただ抱きしめてやるしか出来ることが無かった、やがて深い眠りに付く、そのままベットに寝かせてやった。
朝まで見守り、ガラステーブルに、「先に会社へ行く 自由に使って」とメモを置いて会社へ出かけた。
帰宅するときれいに片付けてくれてあった、ガラステーブルの上に昨日のお詫びのメモが置いてあった、追伸PSごちそう様と書いてあり、ひとが大切に飾ってあった、VSOPの空ビンが、置いてあった。
そんなことが、何度かあった、調べて見ると作画の新田君も被害を受けている一人とわかった。
新田君と協力して2人で見張ることが多くなった。
6月に入った頃、新田君のほうが倒れてしまった。笠井君に協力して,付きっ切りで看病する、初めのうちは、笠井君が酔って倒れてしまっていると連絡を貰い、新田君のアパートで,笠井君の看病をさせられたりしたが、内海君の事が、思い出されるのか、献身的な看病をし、食事を作ったりもしてくれるようになった。
看病に夢中になり、飲む事もなくなりすっかり立ち直るかに見えた。
ある日新田君が咳き込み始めとまらなくなる。主治医の西田さんへ検診をお願いするが、すでに寝てしまっていた。ちょうどそこへ丸山君が来ていた、西田先生の奥さん二人の協力を得て、西田先生に診てもらう事ができた。
丸山君とはマッドハウスの丸山さんで当時から表立つ、ということは無く、それでいて、いざという時、適切な行動をする人で、とても頼れる人であった。
この日は早朝7時に再度西田先生が来てくれて、診療してくれている。
そのご笠井君は実家のほうへ帰り、新田君は石神井の小山病院へ入院し病院へ見舞いに行く日が続いた。
6月13日夕方笠井君と内海君の実家へ行っている、着いたのは10時半ごろで、思い出話をして、12時過ぎに内海君の家を出ている、1時半には帰宅しているのでこの頃の交通状態がわかる。
新田君は、まだ退院できなかったが、虫プロでは、平常な状態に戻っていった。笠井君も休まず仕事をしていた。
前後して、アパートを借りていた。睡眠だけは贅沢しようと、セミダブルの高級ベットと、部屋には、当時としてはかなり贅沢なエアコンも取り付けた。おおきな本棚と冷蔵庫、ソニーのトリニトロンカラーテレビも買った。
ある日、たぶん夢であったのであろうが、はっきりと見た、今でも鮮明に覚えている。
おばけや幽霊に関しては、弱いほうであった。あれが、夢枕に立つと言うのであろうか。左横をむいた、内海君が何も言わず立っている、後ろから光が当たっているので、シルエットしか見えないが、青白い光の中に浮かんだその影は、紛れもなく、内海君であった。
不思議と、まったく、恐くなかった。声をかけたかったが、あれが、金縛りに合うと言うのであろう、声も出ず、体も動かせなかった。
ベットの上で上半身を起こした私は暫し呆然となっていた。今見たものが、現実なのか夢なのか、その、さかいがわからない、時間が動き出しているのがわかったことだけは確か。
内海君から何も語られなかったが、「許された」と感じた。「ゆるして」といってもいた、頼まれたようにも感じた。いつまでも悔やむことを、終わりにしなければ。
真夜中ドアを叩く音で目が覚めた、ドアを開けると笠井君がかなり酔って立っていた、タクシーの運転手が気の毒そうな顔をして立っていた、料金を払ってあげた。
仲間たちと、例によって飲みに行っていたらしい、一人で帰れるからとタクシーに乗ったが、さびしくて、アパートには帰れず、私のところに来た、という事がわかった。
酩酊状態で、「たけお」の名を呼び、「なぜ一人で行ってしまったんだ」「私も連れてってよ」とさけぶ。近所に迷惑である、声を抑えるよう頼む。
ただ抱きしめてやるしか出来ることが無かった、やがて深い眠りに付く、そのままベットに寝かせてやった。
朝まで見守り、ガラステーブルに、「先に会社へ行く 自由に使って」とメモを置いて会社へ出かけた。
帰宅するときれいに片付けてくれてあった、ガラステーブルの上に昨日のお詫びのメモが置いてあった、追伸PSごちそう様と書いてあり、ひとが大切に飾ってあった、VSOPの空ビンが、置いてあった。
そんなことが、何度かあった、調べて見ると作画の新田君も被害を受けている一人とわかった。
新田君と協力して2人で見張ることが多くなった。
6月に入った頃、新田君のほうが倒れてしまった。笠井君に協力して,付きっ切りで看病する、初めのうちは、笠井君が酔って倒れてしまっていると連絡を貰い、新田君のアパートで,笠井君の看病をさせられたりしたが、内海君の事が、思い出されるのか、献身的な看病をし、食事を作ったりもしてくれるようになった。
看病に夢中になり、飲む事もなくなりすっかり立ち直るかに見えた。
ある日新田君が咳き込み始めとまらなくなる。主治医の西田さんへ検診をお願いするが、すでに寝てしまっていた。ちょうどそこへ丸山君が来ていた、西田先生の奥さん二人の協力を得て、西田先生に診てもらう事ができた。
丸山君とはマッドハウスの丸山さんで当時から表立つ、ということは無く、それでいて、いざという時、適切な行動をする人で、とても頼れる人であった。
この日は早朝7時に再度西田先生が来てくれて、診療してくれている。
そのご笠井君は実家のほうへ帰り、新田君は石神井の小山病院へ入院し病院へ見舞いに行く日が続いた。
6月13日夕方笠井君と内海君の実家へ行っている、着いたのは10時半ごろで、思い出話をして、12時過ぎに内海君の家を出ている、1時半には帰宅しているのでこの頃の交通状態がわかる。
新田君は、まだ退院できなかったが、虫プロでは、平常な状態に戻っていった。笠井君も休まず仕事をしていた。