11/02 私の音楽仲間 (524) ~ 私の室内楽仲間たち (497)
ク―ちゃんと食べたい
これまでの 『私の室内楽仲間たち』
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毒には毒を
目玉はドコサ
ク―ちゃんと食べたい
話題が食材に終始しましたが、これではお叱りを
受けそうですね。
Mozart 16歳の作品、Mozart の弦楽四重奏曲
ト長調 K156 について少しだけ。
この前後の弦楽四重奏曲には、メヌエット楽章の
無いものが珍しくありません。
しかしこの曲は、上記の解説ページにもあるとおり、
第Ⅲ楽章がメヌエット。 そして曲は終わります。
(「全4楽章の構成で…」と書かれているのは誤り。)
そのメヌエットには、“Tempo di Menuetto” と書かれ
ている。 「メヌエットのテンポで。」
また曲によっては、ただ “Menuetto” だけで、速度の
指示が無いものも。
Mozart の弦楽四重奏曲で、初めて速度の指示が現わ
れるのは、ト長調 K387 で、Allegretto。 版によっては
Allegro と書かれています。
先輩 Haydn を驚かせた、ハイドン-セット中の一曲です。
弦楽器を含む室内楽曲に関する限り、Mozart がメヌエット
楽章に用いたのは、次の3つの速度標語です。
速いほうから、Allegro。 次が Allegretto。
そして、後者がメヌエット以外の楽章に用いられた例は
少ないようです。 (ニ長調 K575 の第Ⅰ楽章、2/2拍子。)
最後が Moderato。
これもメヌエット楽章 “専用” で、2つの例があります。
変ロ長調 K458、 変ロ長調 K589。
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[演奏例の音源]は、今回の Mozart の ト長調四重奏曲の
メヌエット。 トリオの直前からスタートし、メヌエットに戻って
終わります。 繰り返しはすべて省いて編集してあります。
(音源には談笑の声が入っています。)
[音源ページ]
Mozart の室内楽メヌエットでは、この3とおりの指示が、35年間
の生涯を通じて、ほぼ均等に用いられています。 「晩年を迎える
に連れて…」という傾向は、ほとんど見られません。
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これに対して Haydn はどうだったでしょうか。
やはり最初は、ただの “Menuetto” に始まりますが、やがて
明確に Allegretto と書かれるようになります。
そして、突然 “Scherzando. Allegro”、“Scherzo. Allegro” が
現われたかと思うと、また Allegretto の曲がしばらく続く。
ところが晩年には、再び Allegro が見られるだけでなく、
Presto まで出て来ます。 しかし “Moderato のメヌエット”
は、弦楽四重奏曲に関する限り見られません。
77年の生涯。 長さは Mozart の倍以上ですね。
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前者のページ末には、Haydn の弦楽四重奏曲中の
メヌエット楽章のテンポ一覧表があります。
写真は、昨年 Nさんが出してくれた、自生の
アケビ。 果物に目の無い私は、何とも言えぬ
ほのかな、自然の甘さを楽しみました。
種を東京に持ち帰り、栽培したかった。 でも
調べてみると、ほぼ不可能と判り、諦めました。
寒い冬を迎える今、こんなに小さい果物でも、野生の
鳥や動物たちには、貴重な食料になるんでしょうね。
ク―ちゃん、元気で…。
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