MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

ドイツもこいつも…

2014-03-14 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

03/14 私の音楽仲間 (572) ~ 私の室内楽仲間たち (545)



             ドイツもこいつも…




         これまでの 『私の室内楽仲間たち』




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                  割り勘ドンブリ
                 不自由な輩め…
                 ドイツもこいつも…
                  最後の作品
                  酔いに任せて
              知識も無しに作れるか!
                お伴は忍者でござる
                  ふざけた曲さ
                深刻めいた遊び
                 感じる殺気
               逆立ちで走るのだ




 「ト長調、三部形式。 “ドイツ舞曲風” と題されているが、
これはレントラーのことである。」

 Beethoven の弦楽四重奏曲 変ロ長調 作品130、第Ⅳ
楽章の解説文です。



 [譜例]は Vn.Ⅰパート譜ですが、確かに “Alla danza
tedesca (ドイツの)” と記されています。



 演奏例の音源]も、この最初から始まります。

 ただし、繰り返しをカットするなど、大幅に編集
してあります。 Beethoven さん、ごめんなさい。





          ↑

 [譜例]の最後の段から、中間部に入ります。
この部分の主役も、やはり “3つの八分音符”。

 しかしスタカートが付いており、それまでの
滑らかさとは、だいぶ趣が異なります。



 楽章の構成を小節数で見ると、以下のようになります。

    1. 滑らかな踊り    48  (繰り返しを含む)
    2. スタカートの踊り  56
    3. 滑らかな踊り    48
    4. コーダ        22



 2. 中間部は、長さにおいても対等、ないしはそれ以上。
この[音源]でも、長めに編集してみました。

 各部分は、1 【30秒】、2 【1分30秒】、3 【10秒】…です。




 “3つの八分音符” といえば、“運命の動機”。 クラシック音楽
ファンならずとも、あの交響曲は知らぬはずがない。

 その形のうち、頭に “八分休符” があるのが第Ⅰ楽章。 でも
如何に続く楽章では、“音符3つ” の形だけで現われます。



 同じ譜例です。







 その後の “音程の動き” を見てみましょう。 この譜例にある
のは “上行4度”、“下降3度”です。

 この “3度” は “3度” ですが、“3度の下降” もあります。
音源の後半では、“Mi Mi Mi Do - -” が、何回も聞こえます。



 作曲者はどんな意図で、この同じモティーフを使ったのか?
たとえ無意識に始めたとしても、途中で気付くはずです。

 そして出来あがった、この『ドイツの踊り』。




 「運命は、かくのごとく戸を叩く…だと? ワシは
そんなことは言っておらんぞ!」

 …おや、そうなんですか? Beethoven 先生。



 「すべて、シントラーの創作に過ぎんよ。 このモティーフ
だけが話題にされるのは、ワシは好かん。」

 ジャジャジャジャ~ン! …は、今日あまりにも有名です
からね。 この挿話の働きも大きいと思いますよ。 特に
日本では。 なにしろ『運命交響曲』が通称ですから…。



 「“運命” と広く呼ばれておるのか!? それならむしろ、こう
言いたいわい。 この『ドイツの踊り』ではな、ワシは運命を
手玉に取って、遊んでおるのじゃよ!」

 はい、ただ無邪気に踊っているようにしか聞こえません。




 「ワシの境地が解ればいいのだ。」

 なるほど、重々しさ、暗さ、深刻さなど、
微塵も感じられませんね。 でも…。



 「でも…、何じゃね?」

 あんまり拘ると、“戸を叩く” とおっしゃったのは、やはり本当
だと思われちゃいますよ?



 「…やかましい! シントラーより、レントラーだと言うのに!」




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