MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

Mozart の Presto

2011-08-23 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

08/23 私の音楽仲間 (300) ~ 私の室内楽仲間たち (273)



             Mozart の Presto



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                  論理を伴う感覚
                    自家中毒
                   毒には毒を
                   目玉はドコサ
                ク―ちゃんと食べたい





 Mozart には "ミラノ四重奏曲" と呼ばれる、初期の弦楽四重奏
曲集があります。 これは作曲者が17歳の頃の作品で、K155 ~
K160 とされる6曲です。

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 これらはすべて、当初は3楽章構成で作られました。 この点
では、先立つ第1番ト長調 K80 も、やはり同じ。

 しかし以後の "ヴィーン四重奏曲" からは、すべて4楽章制に
なってしまいます。




 さて、この 18を数える楽章の中には、"Presto" の楽章
が3つあります。 "Presto" は "ミラノ四重奏曲" だけに
見られる速度標語で、以後、30曲以上の室内楽作品
(弦楽五、四、三、二重奏) には、どれにも見当たりません。



 "Presto" (急速に) の音楽は、軽快なのが当たり前。
交響曲など、ソナタ形式の楽章を含む構成の曲では、
よく最終楽章に見られます。

 イタリアで TAXI に乗って "Presto !" と言えば、本当
にスピードが速くなるのだそうです。



 この "ミラノ四重奏曲" の K157、K160 でも、終楽章が
"Presto"。 拍子はいずれも 2/4 です。

 4/4拍子の "Presto" は、なぜか、あまり見かけませんね。




 それでは、もう一つの "Presto" は? それはト長調
K156(134b)
です。

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 この "Presto" は 3/8拍子ですが、ここではいきなり
第Ⅰ楽章に登場します。



       参考サイト 弦楽四重奏曲 K156 はこんな曲

   アマデオ弦楽四重奏団とモ-ツアルトの弦楽四重奏曲 より





 第Ⅰ楽章と言えば、普通はソナタ形式の楽章が置かれます。
この "Presto" 楽章も、規模はこじんまりしていますが、やはり
ソナタ形式の楽章です。

 "Allegro" と書かれたソナタ楽章なら、よく見かけますね。
また、目まぐるしい "Presto のロンド" も自然です。



 しかし、"Presto のソナタ楽章" となると、どうもしっくり来ま
せん。 これは、どんなテンポで演奏したらいいのでしょうか?

  「"3/8" という拍子を、どう捉えるか?」が、どうも大事な
問題のようです。



  (続く)




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