08/23 私の音楽仲間 (300) ~ 私の室内楽仲間たち (273)
Mozart の Presto
これまでの 『私の室内楽仲間たち』
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Mozart には "ミラノ四重奏曲" と呼ばれる、初期の弦楽四重奏
曲集があります。 これは作曲者が17歳の頃の作品で、K155 ~
K160 とされる6曲です。
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これらはすべて、当初は3楽章構成で作られました。 この点
では、先立つ第1番ト長調 K80 も、やはり同じ。
しかし以後の "ヴィーン四重奏曲" からは、すべて4楽章制に
なってしまいます。
さて、この 18を数える楽章の中には、"Presto" の楽章
が3つあります。 "Presto" は "ミラノ四重奏曲" だけに
見られる速度標語で、以後、30曲以上の室内楽作品
(弦楽五、四、三、二重奏) には、どれにも見当たりません。
"Presto" (急速に) の音楽は、軽快なのが当たり前。
交響曲など、ソナタ形式の楽章を含む構成の曲では、
よく最終楽章に見られます。
イタリアで TAXI に乗って "Presto !" と言えば、本当
にスピードが速くなるのだそうです。
この "ミラノ四重奏曲" の K157、K160 でも、終楽章が
"Presto"。 拍子はいずれも 2/4 です。
4/4拍子の "Presto" は、なぜか、あまり見かけませんね。
それでは、もう一つの "Presto" は? それはト長調
K156(134b) です。
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この "Presto" は 3/8拍子ですが、ここではいきなり
第Ⅰ楽章に登場します。
参考サイト [弦楽四重奏曲 K156 はこんな曲]
[アマデオ弦楽四重奏団とモ-ツアルトの弦楽四重奏曲] より
第Ⅰ楽章と言えば、普通はソナタ形式の楽章が置かれます。
この "Presto" 楽章も、規模はこじんまりしていますが、やはり
ソナタ形式の楽章です。
"Allegro" と書かれたソナタ楽章なら、よく見かけますね。
また、目まぐるしい "Presto のロンド" も自然です。
しかし、"Presto のソナタ楽章" となると、どうもしっくり来ま
せん。 これは、どんなテンポで演奏したらいいのでしょうか?
「"3/8" という拍子を、どう捉えるか?」が、どうも大事な
問題のようです。
(続く)
[音源ページ]
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