05/13 私の音楽仲間 (57) ~ Mozart の♭の響き
⑥ ミラノ土産
私の室内楽仲間たち (37)
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## → ♭♭♭
3つの♭、3つの音符
深まる謎
17歳になったばかりの Mozart は、弦楽四重奏曲第6番
変ロ長調 KV159 を作ります。 それは第3回イタリア旅行
の折で、1773年の初頭、ミラノでのことでした。
3月にザルツブルクに戻ると、2か月の間に四つの交響曲が
生まれます。 『第26番変ホ長調』、『第27番ト長調』、『第22番
ハ長調』、『第23番ニ長調』です。
そして7~9月の第3回ウィーン旅行から帰ると、その後1年
の間に、さらに4曲の交響曲が書かれました。 『第24番変ロ
長調』、『第25番ト短調』、『第29番イ長調』、『第30番ニ長調』
がそれでした。
Mozart の『小ト短調』と呼ばれる交響曲は、この25番です。
この8曲の『ザルツブルク交響曲』のうち、第24番までは3楽章
構成です。 そして、久しく遠ざかっていた "4楽章制交響曲" に
再び手を染めるのが、この第25番です。
以上は "② 四重奏から交響曲へ" で、ご一緒に見てきました。
以後、この "4楽章構成" は生涯に亘って続きます。
これ以後 "メヌエット無し" の3楽章制のものは、わずかに交響曲
第38番ニ長調 K.504 『プラハ』(1786年) があるのみです。
また1779年に作曲された交響曲第33番変ロ長調 K.319 では、
当初は楽章が三つしか無かったのですが、あとから第Ⅲ楽章と
してメヌエットが追加されました (1782年)。 出版は1785年に
行われています。
Mozart の交響曲を巡る、大きな流れ。 中でも第25番は、
一つの転換点と言えます。
交響曲『小ト短調』。 そしてその中の、短調のメヌエット。
これらは、弦楽四重奏曲変ロ長調 KV159 の中間楽章
"Allegro" と、何か関連があるのでしょうか。
譜 例
交響曲第25番ト短調 KV183 (173dB) 第Ⅰ楽章冒頭
交響曲第25番ト短調 KV183 (173dB) 第Ⅱ楽章冒頭
( "96" をクリック)
交響曲第25番ト短調 KV183 (173dB) 第Ⅲ楽章冒頭
( "98" をクリック)
交響曲第25番ト短調 KV183 (173dB) 第Ⅲ楽章 Trio
( "99" をクリック)
交響曲第25番ト短調 KV183 (173dB) 第Ⅳ楽章冒頭
( "100" をクリック)
弦楽四重奏曲 KV159 の "中間楽章ト短調 "Allegro"
( "73" をクリック)
(続く)