MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

ボッケリーニの五重奏曲

2008-12-23 00:21:25 | 私の室内楽仲間たち

12/23  私の音楽仲間 (5)   ボッケリーニの五重奏曲

           私の室内楽仲間たち (5)



         これまでの 『私の室内楽仲間たち』



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 先日の "忘年会" から一日置いて、室内楽の会がありました。




   この集いは、すでに何度かお読みいただいているグループです。

         これまでの 『私の室内楽仲間たち』



 今回のメンバーは5人で、Violin が私と Suさん

Viola が Saさん、チェロは SiさんIさん です。


 どなたも、すでに何度かご一緒している方々です。





 最初は、ボッケリーニの五重奏曲です。




 チェロの達人でもあったボッケリーニは、三重奏から
六重奏まで、チェロを含む室内楽曲を極めてたくさん
残しました。

 うち、五重奏は最も多く、その数は120を超えます。
その編成は、大半が Violin 2、Viola 1、チェロ 2 の
ために書かれました。


 私たちが今回演奏したのは、そのうち
ハ長調 Op.28-4 (または 37-7) G.310 という作品です。

 緩、急(メヌエット)、緩、急(ロンド) の四楽章から成り、
演奏時間は 15分ほどでしょうか。




 さすがに巨匠の作品だけあって、Violin と同じような
形を、チェロにも演奏させる箇所が少なくありません。
終楽章に至っては、Violin よりも派手で難しそうな
パッセジで始まります。

 特に "移弦" の技術を要求される、その動きを、Siさん
が達者にこなす様は、見ていて気持ちがいいほどです。


 やはりこの曲をよくご存じのSaさん

 「こんなに素敵で楽しい曲だったのか!」

と、感嘆していました。





 実はこの箇所、だいぶ以前ですが、私はある所で耳にした
覚えがありました。

 聞いているうちに思い出したのですが、実に35年以上前の
ことになります。




 当時私は米国の大学で学んでいたのですが、室内楽を
担当していたユダヤ人の教授が、チェロの達人でした。

 そして、授業中にチェロの生徒の手から楽器を奪い取り、

 「移弦はこうやるんだよ!」

と言いながら、私の隣りで軽快に弾き始めました。


 その曲、そのときは何の曲か、全然判りませんでした。
授業中に扱っていた曲とはまるで関係なく、譜面など無い
状態で、教授がいきなり弾き出したからです。 




 それがあまり見事だったので、その箇所がいつまでも耳に
残っていました。 そして、まさにこのパッセジに違いない
のです。


 しかし、ボッケリーニの作品の一部だとは、その後分かった
ものの、チェロの協奏曲なのか、それとも室内楽曲なのか、
不明のまま、ここに至ったというわけなのです。

 Allegro con moto と書かれている、楽しげな終楽章です。





 そのパッセジを立派にこなしたSiさん


 Siさんとは再会も劇的でした (上記の (3))。

 そしてその上、また別の "再会" まで私に与えてくれました。




 こういう不思議な方って、ときどきいるんですよね。
     (あくまでも、私からの勝手な見方ですが。)




 Siさん、次回はどんな再会の場を提供してくれる
のでしょうか? 楽しみです!




 (続く)