09/11 まるチャンの「何だ、これ!?」 (95)
ハートのパンツにホック
今までの『ボクの出てきた記事』一覧だよ。
やあ、ボク、まるだよ! ワン!!
みんな、元気? ボク、とても元気だよ。
ウチの maru のやつがね、この前、メンデルスゾーン
について書いたんだ。
関連記事 『姉が手ほどき? 手招き?』
そのときね、作品目録のサイトを見つけたんだけど、
あいにくドイツ語なの。 maru のやつ、困ってたよ?
でも、パソコンのブラウザに、次のような表示が出るんだ。
「これはドイツ語のページです。 翻訳しますか?」
[翻訳] [いいえ]
maru のやつはね、いつも [翻訳] を選んでるんだ。
ヤーイ、ヤーイ!
でも、その翻訳、あんまり当てにならなくてね、いつも
ボクに訊くんだよ?
「まるチャン、ちょっと助けてよ。 キミがセンザイ的に
優秀な犬なのは認めるから…。」
それでボクさ、お食事の回数、もっと増やしてくれたらね?…
って頼むんだけど、いつも逃げちゃうんだよ、maru のやつ。
だからね、音楽の話題以外の翻訳は、実はいつもボクが
やってるんだ…っていうの、ここでバラしちゃうんだ、ボク!
ワ~イ、ワ~イ。
そのときに使ったサイトは、これだよ。
[メンデルスゾーンのジャンル別の作品目録 (ドイツ語)]
ときどき面白い訳文が出るから、ちょっとだけ見てみようね。
最近はボクも音楽、勉強してるんだ、ワン!
まず "声楽曲" だよ。 これは "Vokalmusik" の訳だから、
問題ないね。
お、さっそく出て来たぞ。 "大規模な占領下の宗教声楽
作品" だって。 "Groß besetzte geistliche Vokalwerke"…
って書いてあるぞ。
確かにそのとおりなんだけど、教会が占領されちゃうの?
何のことかなー、もう少し見てみようね。
いよいよ曲名が出て来たぞ。 なになに?
[A 15 第四十二 賛美歌 "ハートのパンツとして"、
オペアンプ42]
これ、原文は ”Der 42. Psalm ?Wie der Hirsch schreit“
op.42” なの。
詩篇第42番は、『鹿が谷川の水を慕いあえぐように』
(1837年) なんだ。
"Hirschkuh" だと、"後ろの"、"お尻の" になるからかな…?
ハートのパンツ履いた鹿なんて、聞いたことないぞ…。
ちなみに "Hirsch" は、俗語で "男" を表わすこともあるの。
"Hirschzeitschrift" (男の雑誌) だと、"ポルノ雑誌" になっちゃう
んだってさ。 キャワン。
"雄犬のお尻" じゃないぞー!
"schreit" は、"進む、歩く" だよ。
[A 22 コラール "VOM Himmelのホック、私は来る"]
原文は ”Choral ?Vom Himmel hoch, da komm ich her“”
だよ。 カンタータ『高き天よりわれは来れり』。
"Hoch" (ホーホ) は英語の "high" だから、ドイツ語、ちょっと
でもやる人なら、誰でも知ってるんだけどな。 変なの。
鹿のパンツには、ホックが付いてるのかな…?
以上は[詩篇、宗教カンタータ]。 独唱、合唱、オーケストラ
が必要だから、"Groß besetzte geistliche Vokalwerke" は、
"声楽を用いた大編成の宗教作品" のことだよ。
ステージの上で、戦争なんかやっちゃ、いけないよね?
"小さな占有宗教声楽作品"。
フンフン、今度は "(より) 小編成の" だな。 "Kleiner
besetzte geistliche Vokalwerke" って書いてあるぞ。
[B 40 賛美歌91 "誰が最も高い帽子に"]
「…お金を出すのか?」…って、続くのかな。
世界で一番高い帽子? 幾らぐらいするんだ~?
”Psalm 91 ?Wer in des Allerhöchsten Hut“”。
これは詩篇91篇で、 「いと高き方の隠れ場に住む者は、
(…全能者の陰に宿る。)」…と続くんだ。 "Hut" は確かに
帽子だけど、ここでは "避けどころ" だよ。
「主は、私たちを守る全能の神である。」という意味なん
だって。 帽子の値段のことじゃ、なかったなー!
[B 43 コラール "怒りの日、罪の裁判所"]
”Choral ?Tag des Zorns, Gericht der Sünden“”。
"Gericht" には、"裁き" の意味もあるから、これは "最後
の審判" のことだよね。 詩篇第43番なら、「神よ、私を審き」
(Op.78-2) だよ。
それとも、"罪な裁判所" のことを言ってるのかな。
裁判所が誤審ばかりやってると、人生狂わされちゃう人、
一杯いるもん。 それって、いけないよね?
"怒りの犬" だぞ、ウ~!
[B 21 聖歌 "我々は人生の真っ只中にいる"、オーパス
23第3号]
”Choral ?Mitten wir im Leben sind“ op. 23 Nr. 3”。
これは特に問題無いぞ。 ボクは "ケン生" だけどね。
"声とオーケストラのための作品集"。 フンフン、なるほど、
"Werke für eine Singstimme und Orchester" ね。
[H 1 "チェゲバラvuoiミオCOR"]
何だ、これ!
なるほど、”?Che vuoi mio cor“”…ね…。
急にイタリア語になっちゃったからだな。 これ、ドイツ語
サイトだもんね。 それに、"ケ" だよ、"チェ" じゃなくて。
演奏会用アリアの "Che vuoi mio cor?" のことだと思うん
だけど、何て訳すのかな? "Che vuoi, mio cor?" なら、
「我が心よ、何を欲す?」…なんだけど。
"心、心臓" を表わす "cuore" が "core" になり、さらに
縮まったんだ。 「心臓が縮まる」と、困っちゃうけどね。
「我がホルンよ、お前は何がしたいのだ?」…じゃないぞ。
あれは、"corno" (角 → 角笛 → ホルン) → "cor." だよ。
[H 5 "Infelice!-ああ、ritorna、ηフェリーチェ"/"Unglück-
sel'ge!- "黄金の日、再びあなたがたを回して]
何だ、これ! ボクの "お回り" みたいだぞー。
”?Infelice! ? Ah, ritorna, età felice“ / ?Unglücksel’ge! ?
Kehret wieder, goldne Tage“”。
「帰って来い!」って、呼びかけてるんだ。 過ぎ去った、
黄金の日々に向かって。
演奏会用アリア『不幸な女よ』 Op.94。
"Età" は、ある程度長い "期間、時代" を表わすんだよ。
これはイタリア語だけど、メンデルスゾーンはスペイン語や、
R.バーンズ、P.フレミング、T.モーア、バイロンなど、英語の
詩にも歌を書いてるんだ。 あ、フレミングはドイツの人だ。
"声とピアノのための作品集"。
"Werke für eine Singstimme und Klavier"。
要するに歌曲だな。
[K 21 "私、母は行く、ストレンジ"]…??
”?Seltsam, Mutter, geht es mir“”。
こういうの、一番訳しにくいんだよね。
私が行くの、母が行くの? どっち? 奇妙だなー。
最初の単語は、英語の "strange" だから、"妙な、変な、
異国風の、奇妙な、意外な、予想外の、異様な" だけどね。
"間の抜けた" って訳すと、この文にはピッタリだよ!
「お母さん、私、何だか変なの」…ぐらいかなー、ワン。
"geht es" は、英語だと "goes it"。
主語にはあんまり意味が無くて、形だけなんだ。
いよいよ器楽作品だよ。 交響曲、協奏曲と協奏作品
に続いて、"序曲と他のオーケストラ作品" だ。
"Ouvertüren und andere Orchesterwerke"。
[P 7第2コンサートの序曲フィンガルの洞窟/フィンガルの
諸島 (無人島では Bマイナー、オーパス26の)]
”Konzert-Ouvertüre Nr. 2 Die Hebriden / The Isles of
Fingal (Zur einsamen Insel) h-Moll op.26”。
演奏会用序曲 第2番…。
"Bマイナー" は "ロ短調"、"オーパス26" は "作品26"
だよね。
"無人島では" なんて、この訳、( )の位置がおかしく
なっちゃったみたいだ。
無人島では "Bマイナー"、大都会では "C調" になるぞー。
それから、"op." のような略語でも、ちゃんと一貫して訳して
くれるといいねー? "Opus" (作品) は、もう英語、ドイツ語と
しても定着してるはずだもん。
これ、当然 "単数形" だよね。 元はラテン語で、広く "作品"、
"仕事"、"作業" を表わすんだって。
その変化形が "opera" (中性複数) で、そのままイタリア語に
なっちゃったんだ。 "歌劇" は、そのうちの一つの意味なん
だよ、ワン。
"2人用の臓器"、"Orgelwerk für zwei Spieler"。
"オルガンは一人のプレイヤーで動作します"、
"Orgelwerke für einen Spieler"。
ちょ、ちょっと待ってよ! どうして急に変わっちゃうの?
一人と二人で! それじゃ、臓器移植 (organ transplantation)
になっちゃうじゃないか!
2人用、1人用の "オルガン作品" のことだよね。
ああ、びっくりした。 確かに "臓器、器官" の意味もある
けどね。
"Organic" (臓器の、有機の)、"organize" (組織化する)、
"organized activity" (組織的な活動)。
"ボーカルカノン"、"Vokalkanons"。 フンフン。
[X 6 "天才は聞いていません"]
”?Ein genialer Geist frägt nicht“ → "訊いていません"”。
ボクは、もう知りません…。
[X 10 "決勝をありがとう"]
”?Danke für das Final“” ??? なでしこジャパンか?
「感動した!」 …あれは "SUMO Battle" だったね。
[X 12 "兄弟は書かない方が私に言った"] ??
”?Der Bruder schreibt mir nicht“”
→ "兄弟は (手紙を) 書いてくれない"。
ウチの maru のやつは、ボクの背中が痒くても、
掻いてくれない。
口では「感動をありがとう」なんて言う。
食事を一日5回にしてくれと頼んでも、ぜんぜん
聴いていません。
「1回も2回も同じだ。 幸せな雄犬よ、汝、これ
以上、何を欲す?」…なんて、からかう。
最後の審判は、一体どうなるのかなー…!
覚悟してんだろうねー。 怖いぞー。 ウ~~!