増税分を社会保障に回すのはもっともらしく見えますが、
しかし、社会保障が『政府の所得配分』機能そのものである点を踏まえれば、
その財源も所得再配分にふさわしい税目によって賄われた方が望ましい。そ
れは所得税や法人税です。
高所得者により重い負担を求める累進構造を備えた所得税や利益を出した法人
に課す法人税を財源に、政府が弱者への安全網を整える。それこそが所得再配
分、すなわち社会保障の原理原則であるからです。
所得の再分配によって社会の平等化を図ることは、社会保障のみならず、政府
による施策全体に貫かれるべき理念でしょう。