◎選挙管理委員会委員長(中村明久君) 渡辺議員から選挙権年齢の18歳以上への引き下げと政治教育についてのご質問の中で、18歳以上の有権者が棄権しない戦略、投票率を上げるための対策についての考え方はどうかというお尋ねがございました。
選挙権年齢を現在の満20歳以上から満18歳以上に引き下げることを盛り込んだ公職選挙法改正法案がこの6月17日成立し、6月19日に公布され、公布から1年後の平成28年6月19日から施行となります。来年、7月に任期満了となる参議院議員通常選挙から適用となる見込みでございますが、この参院選までは約1年ほどの猶予しかない状況でございます。選挙管理委員会といたしましても、国、県と相互の役割分担のもとに連携・協力しながら、まずは広報紙、ホームページ等にて早急に啓発を進めてまいります。
投票率の向上策としましては、まず有権者としての自覚を持っていただくこと、選挙制度や投票の仕組みなどを知っていただくことなどについての十分な周知が必要であると考えております。現在、県選挙管理委員会では、5月から来年3月までを実施期間とし、県内の高等学校の希望校を対象とした選挙出前事業や模擬投票の指導を行っております。また、今後、県選管と県教育委員会で協定を結び、連携して主権者教育に取り組んでいく検討をしておりますので、市内高等学校に対しましても県と連携・協力する形で取り組みを行っております。
また、選挙権年齢の法改正に伴い、現在、住民票のある市内の17歳、18歳の皆様約3,000人余りと、新成人になられる19歳の皆様約1,500人、計約4,500人が有権者となる見込みでございます。今後、県、他市の取り組みも参考にしながら、これらの皆様にメッセージカード等による啓発など、効果的な啓発手段を検討したいと考えております。
さらに、小中学校に対しましても、市教育委員会と連携を図りながら、生徒会選挙の支援や総合的な時間を利用した出前講座の実施が可能かどうか調整をしてまいりたいと考えております。
次に、上田駅への期日前投票所の設置など投票しやすい環境づくりのための投票所の見直しについての考えはどうかとのご質問でございます。期日前投票所につきましては、公職選挙法の規定によりまして、期日前投票所1カ所については義務設置であり、定められた開設期間や開設時間での設置が求められておりますが、それ以外の期日前投票所の設置については、選挙管理委員会が任意に設置することが可能であります。その開設期間や時間についても委員会で定めることができます。現在のところ、市役所東庁舎の期日前投票所が法で定める義務設置であり、丸子、真田、武石、塩田、川西、豊殿の各地域自治センターに設置した期日前投票所は、任意に設置している状況でございます。
期日前投票所での投票状況といたしましては、全投票者数に占める期日前投票者数の割合を見ますと、昨年3月に執行した上田市長、市議選では25.65%、8月に執行した県知事選では27.41%、12月に執行した衆議院選では31.23%と徐々に増加しており、期日前投票所の増設、見直し等については、投票率の向上策として大きく影響を与えるものと考えております。
ご案内の駅構内への期日前投票所の設置につきましては、県内でも1カ所設置している市がございますが、投票における秘密の保持、静穏性の保持等の確保、全ての期日前投票所をオンラインでつなぐ端末機の設置や情報セキュリティーの確保、適正な投票事務を執行する市職員の確保など多くの課題がございます。
また、投票環境面での方向づけでは、総務省に設置した投票環境の向上方策等に関する研究会において研究が進められておりますが、3月に出された中間報告では、選挙当日、指定されている投票所にとらわれず、いずれの投票所でも投票ができないか、期日前投票所の投票時間を弾力的に設定できないか等、投票環境を向上するための検討を進めております。
具体的な期日前投票所の増設、見直しにつきましては、大学構内やショッピングセンター等への設置など、全国的にも前例はございますが、人的配置など先ほど申し上げました課題がございますので、慎重に進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。