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イルカ漁 アカデミー部門賞受賞…太地町「極めて残念」

2010年03月09日 06時46分44秒 | Weblog
【ロサンゼルス=飯田達人】映画界最大の祭典、第82回米アカデミー賞の発表・授賞式が7日夜(日本時間8日午前)、ロサンゼルスのコダックシアターで行われ、和歌山県太地町のイルカ漁を隠し撮りした米国の「ザ・コーヴ」が長編ドキュメンタリー賞を受賞した。受賞により、イルカ漁への批判がさらに高まる恐れがある。同作品は、初夏に日本公開予定。

 「ザ・コーヴ」の受賞に、地元では困惑の声が上がった。太地町の三軒一高(さんげんかずたか)町長は「ドキュメンタリーなら事実を伝える必要があるのに、まずシナリオありきで作為がある。伝統を無視した映画が受賞したのは極めて残念だ」と批判。町漁業協同組合の杉森宮人参事は「受賞が反捕鯨運動に利用されるのが心配だ。腹立たしいが抗議のしようもない」と憤った。

 北洋司町教育長は「受賞は西洋人の非寛容さを物語るもので、常識を疑う。根底には宗教文化の違いがあると思う」と言う。町漁協代理人の石田省三郎弁護士は「これ以上騒ぎを大きくしたくないのに遺憾。配給会社には既に上映中止を申し入れており、漁協と協議して今後の対応を決めたい」としている。

 一方、日本で配給する「アンプラグド」の加藤武史代表は「作品として完成度が高く、見応えがあった点が評価されたのだろう。米ジャーナリストたちのイルカ漁への関心の表れでもある」と話した。また、ルイ・シホヨス監督は同社を通じ、「私にとって、イルカ漁がなくなり、この入り江が本来の国立公園として日本の人々の手に戻った時が、本当の受賞の日だと思う」とコメントを発表した。

(2010年3月8日 読売新聞)