6~7年前、テレビが故障した時、廃棄して、そのままテレビ無し生活になり、
本を読む時間が増えました。
こちらに越してきて、近所に本屋さんも古本屋さんも無くて、古本市も無いので、
私の生活の中で、図書館の存在はとても大きい。
この日は、この図書館の開館25周年ということで、玄関に天井まで届く紙製のバースディ・ケーキが飾ってありました。
図書館を利用した子どもたちにはシールが渡され、そのシールを各自貼る、という趣向になっているようです。
図書館は、入り口で手を消毒して、体温を自動測定して、中に入ります。
ゆったりとしていて、工夫が凝らされ、司書さんたちも親切でほっとします。
ネットを通じて貸出の延長や、他館からの取り寄せや、リクエストもスムーズで助かります。
今回は、久しぶりに翻訳本が並ぶ書架へ。
まず、「いざよいさん」ご紹介のミラン・クンデラの『冗談』を探し、
その近くに並んでいた本の中から、好きな作家の最新作を見つけて借り、
その傍の、軽く読めそうな本や、ちょっと気になる本を籠の中に入れ、計8冊選んだら、
なんと著者の生まれはそれぞれ、ロシア、チェコ、イタリア、イギリス、アメリカ、フランス!
図書館から帰って来て、本を入れた重い袋を床に降し、
1冊づつ出して並べて、手に取って、さてどれから読み始めようか。わくわく!
アクーニン(ロシアの作家、日本文学を多数ロシア語に翻訳・紹介している、
アクーニンは「悪人」からとったペンネーム)のサスペンスも気になる。
イタリアの作家が書いた、アフガニスタンの少年の孤独な旅の物語『海にはワニがいる』も気になる。
『贖罪』のイアン・マキューアンの新作『ソーラー』は随分雰囲気が違う、面白いといいんだけど。
日本在住のフランス人の書いた『フクシマ・ノート』は?
でも、最初はミラン・クンデラの『冗談』から。
思いの外読みやすく、翻訳も滑らかで、引き込まれました。
それぞれの登場人物の心の底へ深く降りていく描写に、震えました。
ストーリーに呼応して語られる音楽も興味深い、
ラストはどうなるのだろうと、心配でしたが、いいラストでした。
返却前にもう一度目を通したいと思います。