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マリヤンカ mariyanka

日常のつれづれ、身の回りの自然や風景写真。音楽や映画や読書日記。手づくり作品の展示など。

月食

2011-12-11 | Weblog
昨夜、息子から「月食見てる?」という電話で慌てて外に出て見ると、
夜空に、ぽっかりと、右の隅だけ光る、
なんとも言えないやわらかい色の月がありました。
周りには星がキラキラと光っていて、
冬の星座がくっきりと見えます。
眼をこらすとかすかな星の光も段々濃く見えて来るような気がします。
うっとりと眺めていたら、首が痛くなって、寒くなってきて、
慌てて上着を取りに戻り、それからしばらく眺めては、
家の中に入るのを繰り返しました。
なんと久し振りに流れ星も見ることが出来ました。
夜空の星を眺め、知ってる限りの貧弱な知識ではありますが、
ありったけの宇宙を想像すると、くらくらしてきます。
でも、それが気持ちいいのはなぜでしょう。
宇宙のちりから始まり、いつか、すべて宇宙の塵となるのなら、
その悲しみも空しさも、全ては超えて吸い込まれるような気がするのです。
でもなぜ人類は生れたのでしょう。
宇宙のことを考えるために生まれたのかもしれない、と思ったりします。
コメント (2)
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『数学的にありえない』

2011-12-11 | book
『数学的にありえない 上下』
  アダム・ファウラー (矢口誠 訳)2006 文芸春秋



これぞエンターテイメント、面白かった。
2006年に出ていたなんて…全然知りませんでした。

主人公はギャンブル中毒で、いろいろあって「数学的にありえない」脳になってしまうのですが、
その脳を手に入れたい怪しい医者や科学者やFBIやCIAやテロリスト相手に、
やはり、ありえない脳の双子の兄と、クールでめちゃめちゃ強い小柄な女性と一緒に闘うという、
始めっから「ありえない話」です。
でもわくわくしながら読んでいると、「ありえないことでもないような」気がして来て、
さすが小説家というのはすごいものです。

所々、主人公の大学での確立論や物理の講義が挟まるのですが、これが面白い。
苦手な確率の話もへぇ~、と感心しながら読みました。

作者は小さい時に両眼を難病に侵され十数回も手術を繰り返し、失明の恐怖におびえながら、
図書館の録音テープ版で膨大な小説を濫読していたそうです。
この本が処女作だそうです。次作「心理学的にありえない」をいそいで図書館に予約しました。
楽しみだなー。

この小説の主人公の双子はそれぞれ癲癇や統合失調症をかかえています。
昔から、多くの物語の中で、権力の手から逃げて謎を究明し本当の力を発揮するのは、
マイノリティ(少数派、弱者)の人間です。
悪魔の出すなぞなぞを小さな子供が解いてとうとう悪魔をやっつけるおとぎ話を思い出しました。

物語のラストは少々詰めが足りない感じで、物足りなさが残りましたが、
貧弱な想像力が支配している現実世界を忘れさせてくれる楽しい読書のひと時でした。
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