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日本政治の行く末(4):”象のはな子”と”政界の白象”

2014-04-18 | Weblog

**この記事は2012年に書いてイザブログに公開したものです。この3月でイザブログが終了となり、本ブログに移し変えました。管理人**

日本政治の行く末(4)

2012/07/14 01:39

全国調査で、常に若者の住みたい街トップに選ばれている東京の武蔵野市吉祥寺。福祉資金貸付事業など先進的な取り組みを行っており、シニア市民からも愛されている福祉の街でもある。

この街の語源は、明暦3年(1657年)の江戸大火で焼け出された吉祥寺門前の住人達が、この地に移住してきて開墾した新田を吉祥寺村と名づけたことに由来するという。吉祥寺のお寺はいまも文京区本駒込に現存する。

:駅を背に吉祥寺通りをしばらくきて、煙の立ち込める焼鳥名店「いせや」の前を過ぎると井の頭(恩寵)公園だ。この公園の一角は都立動物園になっており、タイ生まれの象はな子が飼育されている。

はな子は1954年に公園デビューして以来、ベビーブーマー世代の親達、その子供達、そしてその孫達と、三世代にわたる人気ものである。まさに吉祥寺のシンボル的な存在だ。

そんなはな子も今年で65歳をむかえた。歯が抜け落ちて果物をすりつぶした流動食で体を維持しているという。

どうだろうか、停年を迎えたベビーブーマー世代、小学生の気持ちにかえって、もう一度はな子に会いにいってみてはいかがだろうか。きっと、はな子の優しい目をみたとき、何か胸のなかにこみ上げてくる感情があるはずだ。このいとおしむ感情と気持ちこそ今の日本、とりわけ政界に欠けているものだ。

:英語には、「White Elephant(ホワイト・エレファント/白象)」という言葉がある。辞書には、「やっかいなもの」、 「用済みのもの」、「高くついてむだなもの」、「(不要な)持て余しもの」とでている。

象はその昔、インドやタイで神聖視され、その飼育には非常に金がかかるため、シャムの国王が嫌いな家臣に象を贈って破産させたという故事からきているという。では今の政局の中で誰がホワイト・エレファントだろうか。

:民主党を除籍された小沢は11日、新党「国民の生活が第一」を旗揚げした。「反増税、脱原発」を旗印に、衆参両院議員49名がはせ参じ、衆院では第3勢力、参院では第4勢力となった。さらに衆院では9議席を持つ新党「きづな」と統一会派を結成する勢いだ。 

ところが、この4回目になる新装開店、マスコミには不評のようだ。花輪の一つさえも贈られていない。

それどころか、選挙基盤の弱い当選一年生の新人議員では代表を支える懐刀は少ないとか、地域政党との連携は展望が開けないとか、衆院解散が遅れれば資金不足になりかねないとか、水を差す心配ごとばかりをまくし立てている。

:一方、巷の声は評判がいい。ブログ「日々坦々」の保存資料から抜粋。

* 小沢氏の行動を評価するか「朝まで生テレビ」アンケート、評価する257件(66%) しない135件(34%)有効回答数392件、田原「新聞と全然違うねえ」(2012/6/30)

* 「いまこそ、小沢氏に期待する」(大阪日日新聞社主論説2012/7/3)  

http://www.nnn.co.jp/dainichi/column/ronten/2012/ronten0703.html

* 今回の分裂もまた小沢一郎勝利の予想、野田ファッショ首相も一巻の終わり、谷垣も末期 (日刊ゲンダイ 2012/7/3) 

http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-6258.html

* 出馬希望者が殺到、小沢新党盤石の選挙戦略(日刊ゲンダイ2012/7/6) 

http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-6276.html

* 田中秀征元経企庁長官や片山善博元総務相、「小沢一郎さんは正しい」と高く評価(2012/7/9)

http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken

 

:さらに、巷の声はアンケート調査にも現れており、マスコミのものとズレがある。ブログサイトから一部抜粋(http://electronic-journal.seesaa.net/)。

小沢一郎氏に対する人物破壊的報道は、小沢氏が検察審査会に強制起訴された小沢裁判で一審無罪を勝ち取った現在でも、止むことなく続いています。現在、われわれはかなり発達したIT社会で生活しています。そういう現代社会で正しい判断をするには、リアルとネットの両方のメディアからの情報をチェックしないと、大きく判断を誤ることになります。その格好の例として上げられるのが小沢新党の支持率です。

ANNの調査によると、小沢新党の支持率は次の通りです。1000人に対する固定電話調査7月2日。

「小沢新党に期待する」13%、 「小沢新党に期待しない」80%、

しかし、小沢新党は本日7月2日時点でもまだ結成されていないのです。過去、できていない時点で新党の支持率を世論調査したことは、今までに一度もないことです。それを先回りして調査し、上記のような結果を公表し、小沢新党の出鼻をくじく、このようなことを記者クラブメディアは平気でやります。

これに対して「ヤフー・ジャパン/みんなの政治」では、7月2日に、同じ趣旨で調査を行いました。その結果は、メディアで報道されている調査結果とは真逆の数字になっています。

「支持する」73%(9137)、「支持しない」24%(2937)、「どちらともいえない」3%(365)投票総数(12439名)

これまで新党結成というと、せいぜい数人から10人程度しか集まらないのが普通であるなかで、40人近い国会議員が離党したのですから、本来なら大ニュースであるのに、メディアはそれを正しく伝えていません。

みんなの党、立ち上がれ日本、新党改革、新党日本など、いずれも数人の規模です。あれほどメディアによって叩かれ、控訴されている今も刑事被告人でもある政治家が、そのハンデにもかかわらず、現職国会議員、まして与党議員をこれほどの人数を引き連れて離党したのですから、そのリーダーシップは大変なものと考えるのが普通ではないでしょうか。

今後、反小沢陣営が、今後どのように仕掛けてくるか予断を許さないものがあります。 しかし、国益と日本のために「アメリカからの自立」「官僚主導体制からの政治家の自立」「日本人の個の自立」を掲げる、小沢一郎の動きに目が話せないのである。(抜粋 終わり)

:当プログ「さまよえる日本人(4)」でも述べたが、1955年に自民党が結成されて、一時期の例外(細川連立内閣)を除き、自民党一党優位の政権が続いてきた。この間に自民与党は、裏では、党と行政官僚との相互依存の関係を深めて政策立案を彼らに外注し、表では、内閣と党の二元体制を敷き、「法案は閣議を経て国会に提出し与野党で審議される」という本流を、「法案は閣議を経て国会に提出される前に必ず与党内の了承を取り付けること」に変えてしまった。これが事前審査の慣習化だ。このため、与党にとっては、国会での議論など必要がなくなり、国会審議そのものを儀式化させた。さらに党の指導力がまし、首相や閣僚などは、官僚におんぶされて気の利いた答弁さえできれば日替わり「ド素人」で勤まるようになった。

:これに小沢は、イギリス型の政府、とくに内閣と党の一体化・一元化というスタイルで、官僚に代わって政策をたてさせ、官邸の機能をアメリカのホワイトハウスばりに強化して、官房長官を首席補佐官に任命して強力な政治リーダーシップを発揮させ、それと合わせて、選挙制度の改革と国会改革を提案。この小沢構想下で「官僚統治の中央集権体制の解体」を掲げる政治姿勢は昔もいまも一貫している。

そんな小沢だが一つ肝に銘じておく必要がある。それはいつまでも若くないということだ。 1993年、宮沢内閣不信任案に賛成し、小沢氏とともに自民党を離党した経験がある民主党税調会長藤井裕久が6月23日テレビ番組で、「私が離党した時は世の中の人は(喜んで)泣いてくれた。今、泣いている人はいない。何やっているんだと。20年前と世の中は違っている」と語ったことだ。

:小沢の新党旗揚げは橋下にとって脅威だ。橋下は数年前までは弁護士崩れのテレビタレントだった。それがいきなり行政の長に飛び出たまではいいが、政治力はいまだ未知数の素人だ。

その素人兆候はすでに現れている。タンカを切った威勢のよい脱原発発言が腰砕け、消費税増税反対の小沢を褒めたかと思うと野田政権の評価にまわるなどの一転言動だ。マスコミは作戦だと書いているが、なんのことはない「ブレ」だ。むしろ、彼が雇っているブレーンスタッフのブレかもしれない。

その橋下が、親分肌で弁がたち、筋金入りの政治家小沢に対抗するには若さしかない。いまでも、地域政党・大阪維新の会の代表として、同志を募るだけの人気は続いている。この新旧世代の二人には政策で対立することはあっても国民のための政治を期待する。

:5月21日福岡市での講演で、たちあがれ日本(代表平沼赳夫)の幹事長園田は、「衆院選までには石原を中心とする新党という形で出発する」との見通しを示した。この都知事石原こそ(息子伸晃も同じだが)、箸にも棒にもかからない男だ。まさにホワイト・エレファントだ。

(続く)


追加記事

✩朝日新聞(2012/7/16)
「石原知事、2週間渡英へ、 出張費は計約7800万円!!!、 五輪招致PR、尖閣で逆効果?」

2020年夏季五輪の東京招致に向け、石原慎太郎・東京都知事(79)が24日、ロンドン五輪の視察に出発する。15日間の長期滞在で、随行も含めて費用は約7800万円。トップセールスを繰り広げるが、尖閣諸島購入をめぐり海外との摩擦も不安視される。「いろいろプランがある」。13日の定例会見で五輪招致について聞かれた石原知事は、手の内を明かさなかった。都によると、石原知事は開会式やロンドン市長のパーティーに参加し、男子競泳や陸上競技を視察する。9人が随行し、出張費は計約7800万円になる。
http://www.asahi.com/politics/update/0714/TKY201207140138.html

✩日刊ゲンダイ (2012/7/ 5)
「石原都知事 小沢離党に昔の「遺恨」を引きずり罵詈雑言」

今から23年前。1989年7月、自民党の参院選惨敗と女性スキャンダルの責任を取り、当時の宇野宗佑首相が退陣を表明。石原は若手議員に推され、翌月の自民党総裁選に名乗りを上げた。対立候補の海部俊樹には出身派閥の河本派に加え、党内最大派閥の竹下派、安倍派、旧中曽根派が相乗り。もうひとりの林義郎は、宮沢派と二階堂グループが支えた。石原は「アンシャンレジーム(旧体制派)対ルネサンス(革新派)の対決」と息巻いたものの、投票結果は海部279、林120、石原48……大惨敗に終わった。「古い自民党では『総裁候補』のメンツを守るため、最大派閥がある程度の票を回して、“泡沫(ほうまつ)”の印象を払拭させたものです。ところが、この時の石原氏は一切ゲタをはかせてもらえず、恥をかかされた。当時、竹下派の事務総長として総裁選の舞台回しを務めたのが、小沢氏。海部内閣発足後には47歳の若さで幹事長に抜擢された。逆に石原氏は入閣も果たせず、党の亜流を歩むきっかけとなった。この時の屈辱というか、逆恨みが小沢憎しの原点とみて間違いありません」(自民党古参秘書)
http://gendai.net/articles/view/syakai/137468

 


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