稲築志耕館高1年・北岡さんお見事! 行方不明、送り届ける
県立稲築志耕館高(嘉麻市岩崎)1年の北岡大和(ひろと)さん(16)=飯塚市明星寺=が7日夜、飯塚市内で認知症の高齢女性(91)を保護した。バスの中で運転手との会話を聞き、方向違いのバスに乗ったことを察知、家族の車で嘉麻市の自宅に送り届けた。女性は同日午後、行方不明になり、捜索願が出されていた。
北岡さんは7日の放課後、剣道部の練習を終え、バスで自宅へ向かった。飯塚バスターミナルで乗り換えた後、しばらくして高齢の女性が運転手に「稲築まで行きますか?」と尋ねるのを聞いた。運転手は方向違いだと告げ、降車を促したという。
時間的に折り返しのバスがないと知っていた北岡さんは女性と共に降車して母親に連絡。自宅の場所を少しずつ聞き出しながら母親の運転で嘉麻市へ向かい、何とか午後9時過ぎに送り届けた。女性は午後3時ごろ、家族と出かけた田川市美術館で行方不明になって捜索願が出されていたという。
北岡さんは「自分の祖母だったらと思うとかわいそうだった。無事に帰りついて本当に良かった」。嘉麻市高齢者介護課の池田巌課長は「女性1人だったら最悪の場合もあり得た。認知症高齢者が行方不明になる事例が全国で相次ぐ中、高校生の機転が命を救った」とたたえた。
毎日2016/7/9
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