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次期大統領トランプ 政治をファミリービジネスに(利益相反のリスク)

2016-11-19 | Weblog

実業家トランプ氏、大統領職との利益相反に直面-債務や自己取引で

8日夜に予想外の勝利を収めたトランプ氏は今後、歴代大統領の中で最大級となり得る利益相反の問題に直面する。資産家のトランプ氏がこの地雷をどう避けていけるかで、国内外に広範囲な影響が及ぶ可能性がある。

トランプ氏はワシントンで新設したホテルの経営に当たり連邦政府に賃料を支払っている。同氏の国際的なビジネス取引は国政に影響する可能性がある。また同氏のメーンバンクであるドイツ銀行は現在、米司法省との間でモーゲージ証券ビジネスをめぐる問題決着に向けて交渉中だ。

同氏の 30億ドル(約3200億円)相当に上る純資産の大部分は米国内の不動産だが、トルコや韓国、インド、ウルグアイ、ブラジル、フィリピンのプロジェクトでのライセンス契約やマネジメント契約もある。アイルランドやスコットランドにはゴルフ場を所有しており、アラブ首相国連邦(UAE)でもさらに2カ所の計画がある。

外国首脳はトランプ氏に関係する開発業者のプロジェクトへの許可や優遇を通じて、次期大統領のご機嫌を取ろうとすることも見込まれる。同氏には米国の裁判制度との絡みもある。同氏が以前に経営していた不動産スクール「トランプ大学」を相手取った訴訟にも直面している。

億万長者で初の米大統領に就任するトランプ氏が、これらの投資や他の利益相反問題にどう対応していくのか、世間は厳しい監視の目を向けるだろう。同氏に不動産会社トランプ・オーガナイゼーションと距離を置くよう義務付ける法律はない。同氏は引き続き資産公開を求められるだろうが、大統領は1978年成立の政府倫理法の適用を大部分免除されている。

法律事務所コビントン・アンド・バーリング幹部のロバート・ケルナー氏は「憲法に規定されたルール以外で、トランプ氏による自己取引への関与を法的に規制するものは実際に思いつかない」と述べた。

トランプ氏は公職に就くに当たって事業の経営を子息らに白紙委任するブラインド・トラスト方式を採用する考えを表明しているが、1月の討論では厳密な実施とはならない可能性を認めた。同氏は「子供たちは私の幹部とともに経営することになるだろう。私は国のことだけ気に掛けていくため、事業に関係することは決してない」と語っている。
 
 

参考:
 *トランプ大学訴訟事件

トランプ次期米大統領は、自身が創設した不動産セミナー「トランプ大学」で詐欺の容疑が持たれている問題をめぐる訴訟で、2500万ドルを支払って和解することで合意した。ニューヨーク(NY)州司法長官が18日、明らかにした。トランプ大学をめぐっては、トランプ氏が選任した講師が不動産投資の「極意」を教えるとの触れ込みだったものの、高額な授業料を払って何も得るものがなかったとして元受講生がカリフォルニア州で2件の集団訴訟を起こしていたほか、エリック・シュナイダーマンNY州司法長官も訴えていた。受講生が支払った受講料は最大3万5000ドル。この日の和解は3件すべてに適用されるもので、シュナイダーマン長官は声明で「6000人を超える被害者の勝利となった」と述べた。(11/18 ロイター ) 

*ドイツ銀行不正操作事件

ドイツ銀行は欧州経済の低迷とマイナス金利政策で収益性は低迷、巨額なデリバティブ・ポジションや資本不足で破綻危機にある。時価総額約174.3億ドルのドイツ銀行は将来の収益性の改善の見通しは低く、今後、不正操作による金融当局による罰金、民事訴訟による損害賠償金や和解金、米司法省による140億ドルの制裁金などの支払いで、多額な資本増強が必要となる状況に追い込まれている。破綻危機が一段と深刻化している。

*利益相反(Conflick of Interest):

責任ある地位に就いている者の個人的な利益と職務上の責任とが衝突している状況。つまり公職にある者や企業の幹部などが、自分の職務上の行動や影響力によって個人的利益を得るかもしれないこと。
 
*ブラインドトラスト(Blind Trust): 
公職にある者の資産運用について,職務権限との利害関係の疑惑を回避するために,白紙委任で受託機関に資産管理を委嘱する信託方式.
 
 
 
 
 

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