東京大が後期日程入試の2次試験で筆記テストを廃止し、新たに推薦入試を導入する方針を決めたことが12日、東大関係者の話で分かった。近く正式発表する見通し。1877年の創立以来、推薦入試制度の導入は初めて。周知期間を設け、おおむね5年後から実施する。
複数の東大関係者によると、学力水準を保つためセンター試験は今まで通り受験する必要がある。2次試験は学力テストに代わり、高校の調査書や面接での選考を検討しているが、詳細は未定。事前に公表した上で、高校側の意見も取り入れながら具体的な方法を決める。
指定校ではない一般推薦入試を想定し、当面は後期日程で試験的に実施。一定の評価が得られれば前期日程への拡大も検討するという。
東大は昨年4月、清水孝雄理事・副学長を座長とする学内検討会議を設置。入試改革や秋入学を含む入学時期の在り方などを議論してきた。
推薦入試は入試改革の一環で、理事会で既に方向性が示され、教授会にも口頭で伝達。現在まで表立った反対意見は出ていないという。
浜田純一学長は昨年1月の記者会見で、「点数至上主義は決して悪いことではないが、大学に入る前にリセットしてほしい。可能であれば、入試の在り方を変えたい」と述べていた。
2013年度の後期日程入試は、理科3類を除く全類で実施。2次試験は総合科目として筆記試験を行い、100人を募集した。 (JIJI)