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[悲報] アラブの春・金融街の占拠、反格差運動のバイブル「怒れ!」の著者ステファン・エセル氏死去

2013-02-28 | Weblog

 


 ステファン・エセル氏=2011年1月18日(ロイター=共同) 

 ステファン・エセル氏(世界的ベストセラーとなった小冊子「怒れ!憤れ!」の著者)フランスメディアによると、家族が27日、「前夜から今朝にかけ」死去したと明らかにした。95歳。自宅はパリ。

 2010年、本文14ページ、価格3ユーロ(約360円)で刊行した「怒れ!憤れ!」(邦題)は、全世界の約30カ国語に翻訳され、400万部売れた。米国での「ウォール街を占拠せよ」などの反格差運動にも影響を与えた。

 ベルリン生まれ。フランスに渡り帰化。大戦中はレジスタンスに参加、強制収容所に送られた経験もある。戦後は外交官として活躍。「世界人権宣言」の起草にもたずさわった。(パリ共同)

 

管理人からの一言:

2010年、フランスで発刊された「怒れ!」(Indignez-Vous!、Time for Outrage)が世界30カ国で翻訳されベストセラーになった。わずか数十ページのうすい冊子本だ。その著者がステファン・エッセルだ。

2011年9月、カナダの非営利雑誌アドバスターズの創設者カレ・ラースンKalle Lasnらが、インターネットのブログで呼びかけ始まった米ニューヨーク・ウォール金融街の占拠は世界中で報道された。

このとき、占拠した若者達の多くは、エッセルの本を手にしていた。そして格差という「社会の矛盾」に対して怒りの声をあげた。こうした怒りの声は日増しに人々の共鳴を呼んでいった。いち早く支持表明をだした教職員組合に、全米1200万人をかかえる労働総同盟や産別組合も加わり全米各地に広がった。

本の中で、エッセルは、沈黙する大衆にむかって、「怒れ!」と呼びかけている。彼が呼びかける怒りは、反社会的な暴力による怒りではなく、変化への一歩となる怒りだ。だから怒りの声をあげて、積極的に社会との関わりあいをもちなさいと説いている。

また彼は、3.11原発事故の対応で東電や政府への不満の声がでていないことを疑問視しながらも、正面から怒りを表明せよと、日本人に訴えていた。

エッセルは第2次大戦中、ヒットラーに占領された仏で対独レジスタンス運動に参加し、捕虜、拷問、強制労働、死刑判決、脱走と、あらゆることを経験した闘士で、戦後は外交官として世界人権宣言起草に参加し、世界の人権の拡大に貢献した人物である。

 


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