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安倍の憲法クーデター 国民は集団訴訟で鉄鎚を(まず松阪市長 違憲提訴へ)

2014-07-04 | Weblog

米国ならどこの図書館の閲覧棚に置かれている著名な米外交専門誌、フォーリン・ポリシーは、安倍が憲法改正の手続きによらず解釈改憲で武力行使容認を閣議決定しことを「安倍の憲法クーデター」としるし、安倍を「不正行為者」として批判している。管理人

集団的自衛権 松阪市長、違憲確認求め提訴へ

2014年7月03日毎日新聞  

安倍政権が集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことに対し、三重県松阪市の山中光茂(みつしげ)市長(38)は3日、記者会見し「平和国家の原点を壊す政府の行為にしっかりと行動を起こさねばならない」として、違憲確認を求めて国を提訴することも視野に行動することを明らかにした。

政府見解について山中市長は「安倍総理がいう『武力による抑止』ではなく、『徹底した平和主義による抑止』を目指すべきで、それが次世代に引き継ぐ日本の誇りだ」と指摘。今後の活動としては「市民レベルで事務局をつくり、『ピース・ウイング』活動と名付け、国民的議論を深めたい」と述べた。


集団的自衛権  解釈改憲には訴訟リスク 憲法学者・木村草太氏:

2014年6月7日

集団的自衛権の行使を容認するのか、その手段として解釈改憲が適当か。二つを分けて考えるべきだ。登山にたとえると、政府は「あの山(集団的自衛権の行使)にこの崖(解釈改憲)から登ろう」と言っている。山に登るかは意見が分かれるが、憲法学者として、そもそもこの崖からは登れないと指摘したい。登ろうとすると、訴訟リスクが待ち受けているからだ。

国家は、憲法で禁止された行動ができないだけでなく、憲法に根拠規定がない行動もできない。違憲だと訴えられたら致命的だ。

憲法学者の間に「自衛隊違憲論」は根強いが、従来の政府解釈は、国民の生命や幸福の権利を尊重する憲法13条を根拠に、個別的自衛権は許容してきた。しかし集団的自衛権を基礎づける文言は、憲法上にない(注1)

つまり、集団的自衛権の行使の結果、政府が訴えられれば、巨額の賠償責任を負う可能性があるということだ。たとえば命令を拒否して懲戒処分になった自衛官や、本土への報復攻撃で被害を受けた人々から、国家賠償訴訟を提起される可能性がある。不安定な法的基盤のもとでは、首相は不安を抱えて集団的自衛権を行使することになる。

情勢が緊迫しているから憲法を無視してもいいと開き直るのは、自ら違憲と認める自白に等しい。司法の現場では、政府がどれだけ必要だと言っても、違憲は違憲。多くの法学者が解釈改憲を違憲だと言っているのは、政治的な反対ではなく技術者としての忠告だ。

国内の憲法を無視すると、国際法もないがしろにすると見られ、外交上もリスクが高い。三権分立をやっていない国はあるが、国際社会で信用されていない。その仲間入りをしてもいいのだろうか。支持を得る自信がないから解釈改憲に行くのだろうが、本気で集団的自衛権が必要だと考えるなら、真正面から憲法改正を提案するしかない。

私自身は、行使容認自体にも、現段階では反対だ。アメリカに守ってもらうためのご機嫌取りが目的ならば、日米安保の枠組みでなぜ不十分なのかが疑問だ。

きむら・そうた 首都大学東京准教授。専門は憲法学。東大助手を経て06年から首都大学東京准教授。著書に「憲法の急所」ほか。33歳。


注1:

解釈変更、内閣の裁量? 正当化根拠に憲法65条:

2014年6月30日

安倍内閣は7月1日にも、集団的自衛権を使えるように憲法解釈を変える閣議決定に踏み切る。内閣だけの判断で戦後日本が積み上げてきた専守防衛の原則を転換し、海外で武力を使うことを禁じた憲法を、事実上変えるようなことが許されるのか。閣議決定による解釈変更の是非を改めて考える。

「憲法解釈の変更が必要と判断されれば、閣議決定をしていく考えだ」

安倍晋三首相は24日の記者会見で、集団的自衛権の行使容認に踏み切る方針を改めて強調した。その際、戦争放棄を定めた憲法の根幹に関わる変更を内閣の判断でできる根拠としたのが憲法65条の「行政権は、内閣に属する」という規定だ。

「行政府が憲法65条のもと、行政権を執行するために憲法を適正に解釈していくことは当然必要なことだ」。三権のうち行政権は内閣にあるとする条文で、なぜ解釈変更を正当化できるのか。2月12日の国会では、首相は閣議決定による変更の是非について問われ、こう答えている。

「最高の責任者は私だ。私たちは選挙で国民の審判を受ける」。つまり、選挙で選ばれた与党の内閣が憲法解釈を行うのは当然で、その責任者は私だ――という論法だ。だが内閣による憲法解釈については、橋本内閣の村岡兼造官房長官(当時)が1998年、安倍首相とは異なる政府の見解を国会で示している。

村岡氏は「行政府も権限の行使にあたって、憲法を適正に解釈していくことは当然必要」としつつ、憲法99条の「大臣や議員、公務員の憲法尊重擁護義務」が前提になると述べた。

安倍首相の答弁に似ているが、異なるのは、内閣の権限を示す65条ではなく、憲法で権力を縛る立憲主義の考え方を反映した99条に言及した点だ。村岡氏の答弁は、内閣の解釈は憲法を守る立場から「適正」とされる範囲にとどまり、恣意(しい)的な解釈は許されないとの見解を示している。

そもそも集団的自衛権の行使については、81年に鈴木善幸内閣が「憲法上許されない」との答弁書を閣議決定。歴代内閣は30年以上にわたり、この解釈を踏襲してきた。

定着した解釈を状況に応じて変えようとする安倍首相が99条には触れず、なぜ65条を根拠にするのか。

上智大の高見勝利教授(憲法)は「首相は憲法尊重擁護義務に触れたくないのではないか。行政府の解釈変更は自由ではなく限界がある。今回の変更は、歴代内閣が積み上げてきた解釈と論理的な整合性がない。国民の憲法への信頼が揺らぐような変更は、憲法を尊重し擁護しているとは言えない」と指摘する。

■条文改正より閣議決定が容易

そもそも閣議決定とは何か。2000年の政府答弁書は「内閣が意思を決定する方式」と定義。その内容は、①憲法または法律で内閣の意思決定が必要とされる事項②法令上規定がない場合でも特に重要な事項――としている。

だが、閣議決定での解釈変更に対しては「時の内閣の裁量で憲法を事実上改正する」などの批判が強い。それでも安倍首相が、集団的自衛権の行使を憲法改正の手続きではなく、閣議決定による解釈変更で認めることにこだわるのは、その容易さが理由だ。憲法の条文を改正するためには、まず衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で発議し、そのうえで国民投票で過半数の賛成を得る必要があるからだ。

閣議決定は閣僚の全員一致が原則。憲法66条3項の「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ(負う)」が根拠で、帝国憲法で各大臣が単独で天皇に責任を負うとしていたのを改めた。

小泉内閣の郵政解散や、鳩山内閣での沖縄・普天間飛行場の辺野古移設をめぐる閣議決定では、反対した閣僚が罷免(ひめん)された例もある。今回の閣議決定では、集団的自衛権行使に慎重な公明党の太田昭宏国土交通相の賛成も必要になる。与党協議で自民党が公明党に配慮を重ねているのも、こうした事情が背景にある。

憲法65条 行政権は、内閣に属する

●憲法99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ

 


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