まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

宮部みゆき『ソロモンの偽証』

2016-08-28 09:09:31 | 

12月雪の降る日、中学校の屋上から男子生徒が転落して死亡した。
明らかに自殺だと断定されたのに、殺人者がいるのを目撃したという告発状から、
事件は中学生による校内裁判という形で決着を図ろうとする。
端的に言ってしまえばこれだけの内容。
宮部みゆきさんは『事件』『決意』『法廷』の三部構成で2002年から2011年に渡って10年の歳月をかけて完成させた。
原稿用紙4700枚って!どんだけよという驚き。

    

いやいやいやいや宮部さん凄い、凄いの言葉しか出てこない。頭の中を覗いて見たい。
宮部さんファンなのに「三島屋変調百物語」シリーズなどは好みじゃないというだけで、
私はしばらく作品から遠ざかっていた。
それが『ソロモンの偽証』を読み始め読み終わり、上から目線承知で「恐れ入りました」と頭下げるしかない。

一気呵成、分厚い3部作を8月いっぱいだれることなく読み耽ってついに昨日読破。

特に第三部の「法廷」は、ほとんど裁判の様子描写だけ、中学生の検事側弁護士側、そしてその証人たちとの
大迫力なやり取りの応酬、終盤に向かって思いがけない結末を見るまでは、手に汗握るといおうかドキドキするといおうか。
たぶん彼が真実を知っているのだろう、彼が偽証しているのだろうと推測もしながら。
収束に向かって進んでいくとこの校内裁判が終わるのがもったいない気持ちにすらなった。
そして「模倣犯」や「楽園」とは違って読後感がすっきりして余韻があって。軽い興奮も手伝って今もその世界にいる。

私が訳のわからんこと書いているよりはこちらを見つけたのでご覧になって下さったほうが早い。

宮部みゆき『ソロモンの偽証』刊行メッセージ

蛇足と承知していながら。

8月上旬 第一部 区内図書館で軽い気持ちで借りる。人物関係をつかむまでもたもたしたけどはまりました。
8月中旬 第二部 佐渡の図書館で借りて思う存分気のすむまま読みふけりました。
8月下旬 第三部 区内図書館にはなく予約は待ちきれず、ブックオフで購入する有り様でして。

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