しかしまあ。揃いもそろって軟弱な中年男子ども。
しっかりせえ!と、どやしたくもありうふふと笑いたくもあり。
私、どういうわけか手に取る本に男性作家作品は少なくて。
それが珍しくふっと読んでみようかと。
共通点?やっぱり軟弱な点よ、書名が全てを物語っているわ。
いつものことだけれど、引っくり返って読むにはぴったり。
(上2冊はちょっと前借りたのに、もはや記憶があいまいで適当、内容はこんな感じのレベル、すまない)
『病の神様』 横尾忠則著
これ読むと横尾さんてつくづく変な人だと思う。
朝起きるとどこか痛いところないか具合が悪いところないかさがすなんて。
不具合があると安心し、何もないと不安になるなんて。あっ、でもわかる気もする。
歩くのもままならないくらい膝が痛いのに、伏見稲荷の山の上にある店のぜんざいを食べれば治ると信じて。
えいこら登って。ぜんざい食べてさて下ろうと歩きはじめたらあら不思議、膝の痛みは跡形もなく消えていたって。
ほんとかね。
もうひとつ。
パリで食事中に気分が悪くなり頭痛高熱に襲われ食事を続けらなくなってホテルに帰ったんですって。
でもでも突然、「マロンクレープ」を食べれば治るとひらめいてしぶる奥様にむりやり買って来させて。
あら不思議、頭痛も高熱もすうーッと引いていったんですって。ほんとかしら。
ま、芸術家だから、入院生活は日常が非日常になるから好きである、とおっしゃるのは納得。
そして、本当に死ぬような病気になったことがないので、こんなのんきな観念的なことが言えるのかもしれない。
なんておっしゃるから、そうよそのとおりよ、と凡人はけっこう安心する、その当たり前の感覚に。
『オレって老人?』 南伸坊著
老人に決まっているでしょ!って突っ込んだりして。
まだ「病の神様」はちょこっとメモってあったから記憶も甦る部分があったけれど。
こちらは全く。で、うふふの部分を本の帯から拝借。
「前期高齢者となった団塊の世代のほぼ50%は、自分を高齢者と思っていない。
あとの50%が自分を老婆と思っているはずがない」
そうそうそうそう、ほんとよ。自分がそうだもの。
とまあ、こんなゆるい話が続いて、いいようなそうでもないような。
『ロングヘアーという生き方』 みうらじゅん×高見沢俊彦×リリー・フランキー
2009年 フジテレビ 「ボクらの時代」対談を書籍化したもの。
みうらさんんと高見沢さんにはとくに、だけれどリリーさんは近頃とても興味があるので手に取った1冊。
ロックに出会った。モテへの道は遠のき髪の毛だけはぐんぐん伸びた。
ロックとモテと仏と怪獣。
語りつくした120分は深いような、そうでもないような。
の前書きがぴったりよ。
なかでも、リリーさんが高見沢さんに迫ったここがおかしくて。
リリーさん
「高見沢さんが髪の毛切ってネルシャツ着て、ジャムつくって、今度そば打つから食いに来なよってなったら、幸せになったんだな
って思うけど、なんかさびしさも残るよね」
「ネルシャツになっているところを見たい気はするけど、それも何かやっぱさびしいものが残るというか。」
「じょじょにネルに行ってもらわないと。急にネルはね。女が悪いんじゃないか?みたいな話になるから。」
この手の話が続いておかしくて。深いようなそうでもないような。
今日のような肌寒い雨の日にはぴったり。