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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

ロマネスコ

2021年03月11日 | 庭仕事

晴、9度、90%

 「ロマネスコ」、カリフラワーの親戚の野菜です。ちょっと見はブロッコリーにも似ています。蕾花が食べる部分です。その蕾花が、造形的で見た目が面白い野菜です。いえ、食べても美味しい。

 種蒔きで育てて、4年目、うまく発芽する時もあれば、虫に新芽を食べられて育たない年もありました。今年はなかなかいい育ち方で大きくなるのを待っていたのですが、黄色がかったグリーンが急に茶色に変色しました。霜に当たったわけではありません。がっかりしていると、ここ数日の陽気で蕾花が開き始めました。まだ拳ほどの大きさです。開いては美味しくありません。そこで、思い切り摘み取りました。

  色は悪いけど、形に惚れ込んでいます。カリフラワーより火の通りが早く、さっと蒸したり湯がいてサラダにします。今日はお昼のスープに入れるつもりです。小房の「ロマネスコ」は生でも食べれます。カリカリと音がします。蕾花を食べるのが一般的ですが、茎が実に美味しい。茎を薄くスライスにすれば生でも甘みを感じます。そして、ご覧のように立派な緑の葉っぱです。この葉もおひたしや炒め物で美味しく食べることが出来ます。

 7粒発芽して、3株残しました。あと2つ、茶色になった「ロマネスコ」があります。一つだけ種取り用に残します。菜種のような花が咲き、種になるまで数ヶ月かかります。庭から種が取れるものは出来るだけ自前したいと思います。

 経験も知識も時間の積み重ねです。庭仕事は自然との関わりです。うまく行くこともあれば、芽すら出ないこともあります。芽吹く、花を咲かせる、実を結ぶ、種を取る、単純な繰り返しが季節の廻りと共に私にたくさんのことを教えてくれます。

 「ロマネスコ」を余すとこなく食べあげるここ数日、お野菜は買い控えましょう。


酒饅頭

2021年03月10日 | おやつ

晴、7度、88%

 品の良い小さな「酒饅頭」をいただきました。薄皮でふっくらとした小ぶりな「酒饅頭」です。優しい酒粕の香りがします。

 福岡はめっきり和菓子屋さんが減ったように思います。朝早くからもち米を蒸す匂い、小豆を炊く匂いが辺りに漂う和菓子屋さんです。祝い事の時などちょっとお赤飯を頼むことも出来ました。そんな和菓子屋さんでは冬になると紅白の「酒饅頭」を蒸して熱々を袋に入れてくれました。中はこしあんです。手から伝わる温かさ、酒粕の独特な匂い、冬の「酒饅頭」は大好物です。

 この小ぶりな「酒饅頭」も食べる前に温め直します。冷たくても美味しいのですが、酒粕の香りの立ち方が違います。米子には「饅頭蒸し器」という土鍋があります。一見、普通の土鍋です。ところが底には穴が空いていて、他のお鍋に湯を沸かしその上に乗せると蒸し器になる仕組みです。色といい、形といい、寒い時にお饅頭をいただくと、いつもこの「饅頭蒸し器」が欲しくなります。米子地方では蒸したお饅頭をこの蒸し器に入れたままお客に勧めるそうです。蓋を取って、饅頭を手にする人の顔が思い描かれます。欲しい欲しい「饅頭蒸し器」ですが、蒸し器もたくさん持ってます。「道具を増やさない」と心で唱えて諦めます。

 日が差すと庭が心地よくなりました。 酒粕の良い匂いにつられて、ココも興味津々です。庭に持ってくるまでに、実は私、「酒饅頭」を一つ口に入れてしまいました。私も待てません。

 最近ではスーパーで個装された紅白の「酒饅頭」が一年中売られています。なぜかスーパーの「酒饅頭」には手が出ません。和菓子屋さんの熱々の「酒饅頭」が懐かしく思い出されます。


オダマキ、カラスノエンドウ、オオイヌノフグリ、ドウダンツツジ、咲いてます。

2021年03月09日 | 

晴、8度、86%

 福岡地方、例年より高い気温が続いているそうです。昨日のニュースではさくらんぼの桜花が満開の様子を流していました。「桜の開花」の基準はソメイヨシノだそうで、早ければ週末にも開花だそうです。春がどんどん進んでいます。

 庭の「オダマキ」が開きました。昨年より早いと感じます。丸い蕾が膨らんで中からめしべが出て来た様子は昆虫にも似ています。開ききると惚れ惚れする姿に変わります。

  「クモマグサ」も夏を越え、冬を越え昨年と同じように咲きました。九州では夏の暑さを越させるのが難しいと聞きます。「今年もようこそ。」

 道端でも「カラスノエンドウ」「オオイヌノフグリ」がいち早く咲き始めました。  これらの花が一面に咲く頃には桜も開きます。

 先日香港の春節の花「満天星」として紹介した「ドウダンツツジ」がこちらでも見られるようになりました。 小さな鐘状の花が咲く様子は人目を引きます。

 昨年の夏、種を取り、秋には種を撒き、芽吹いた「ビオラ」たちが花をたくさんつけ始めました。 種か砂か分からないほど小さな種でした。芽吹いた7つの株全部に花が付きました。こういう時、本当に嬉しく思います。種まき「ビオラ」は苗を買った「ビオラ」より数ヶ月遅れです。

 夕方の散歩時に近くの「ソメイヨシノ」の蕾を見ましたが、硬く閉じています。この辺りの桜はやや遅めです。それでも桜が咲くと思うと、心が浮き足立って来ます。春はずんずん進んでいます。


デミグラスソース

2021年03月08日 | 料理

晴、10度、84%

 このブログに「レンズ豆と牛すじのシチュー」を載せました。 この時の牛すじは「デミグラスソース」を作った残りですと書いたところ、「デミグラスソース」の作り方を知りたいとおっしゃる方があったので今日はその作り方を。

 牛すじ肉、300グラム。鶏ガラ、1羽分。野菜クズ、(玉ねぎ、人参、セロリなど)。小麦粉。トマトペースト、200グラムほど。ゲッケイ樹の葉。

 難しいことはありません。よく洗った牛すじ肉と鶏ガラを適当な大きさに切って、大きなフライパンで炒めます。油を切って、そこに小麦粉を大さじ6つほど振り入れさらに炒めます。トマトペースト、野菜クズと水をカップ6ほど加えて煮込みます。途中浮いてくるアクを捨てて水がひたひたより少なくなれば足します。4、5時間そのまま小さな火で煮続けます。牛すじ肉を取り出し、すっかり身がなくなった鶏ガラを捨てます。残ったソースを大きな目のザルで濾します。ザルに残った肉クズや野菜クズを濾し全部をもう一度火にかけて、浮いてくる油をペーパーで取れば出来上がりです。 

 市販の「デミグラスソース」のような茶色い色にしたいときはここにカラメルソースで色をつけます。冷凍保存ができます。必要な時に自然解凍して使っています。オムライスのソース、シチューの煮込みに入れると味に奥行きが出るように思います。

 長年作り続けている「デミグラスソース」です。実はこれは亡くなった帝国ホテルの料理長「村上信夫」さんのレシピです。帝国ホテルのお菓子やデリカを売っているお店でもらった一枚のレシピで知りました。 その後、幾冊か「村上信夫」さんの本を買いましたが、どの本にも同じレシピが書かれています。家庭向きにアレンジされたレシピだそうです。

 牛すじ肉、鶏ガラが安く手に入った香港ではよく作っていましたが、日本は缶詰を買った方がずいぶん安いと今回わかりました。長時間煮た牛すじ肉がおまけで出て来ます。そのアレンジを考えるのも楽しみです。パンやお菓子のレシピはここ数年アップデートして来ましたが、この「村上信夫」さんの「デミグラスソース」の作り方だけは30年以上いつも同じです。分量も空で覚えています。私の大事なレシピです。

 

 


はなさんをお参りしました。

2021年03月07日 | 日々のこと

曇、9度、76%

 4年前、モモが亡くなったことからお付き合いが始まった方がいます。パグの「桃さん」をすでに亡くされ、保護犬の柴犬「豆くん」とパグ「はなさん」と暮らしていらっしゃる方です。4年前、悲しみに沈んでいる私を励ましに我が家にわざわざやって来てくださって以来のお付き会いです。

 コロナの現状下、この1年お会い出来ずにいました。年明けて一月も終わる頃、「はなが亡くなりました。明日が葬いです。」とメッセージを受け取りました。「はなさん」はいろんな疾患を持っているのを知っていましたので、何かが悪化して亡くなったのだとばかり思っていました。遅くなりましたが、昨日ココと一緒に「はなさん」をお参りさせてもらいました。

 我が家から3キロ程のところにお住まいです。「はなさん」が亡くなってすっかり甘えん坊になった「豆くん」が出迎えてくれました。 「はなさん」のことをお聞きすると「肺炎」が原因で急な死だったそうです。お家中、「桃さん」「はなさん」のお写真がたくさん飾ってあります。「はなさん」の話をお聞きしながら、久しぶりにお目にかかったのでずいぶん長居させてもらいました。「豆くん」が以前より馴染んで来てくれます。「豆くん」の以前の飼い主は家に閉じ込めたまま飼っていたそうです。「他の犬と遊ぶことを知らないのよ。」でも、牽制したり吠えたりはしません。

 「はなさん」は小柄なパグさんでした。経産犬です。「こんな小さな子になぜ産ませたのかしら?」と以前にも話したことがありました。少し心を開かない感じのおとなしい「はなさん」でした。 こんな素敵なカードをいただきました。「はなさん」いいお家に貰われて来ましたね。きっと幸せな最後だったと思います。また会えると思っていたのに。

 ココさん、行きも帰りも歩きました。行きはヨイヨイ、3キロを51分で歩きましたが、帰りは途中公園で休憩をしながら1時間10分かかりました。久しぶりの「豆くん」と遊べたのもお疲れの原因でしょう。

 いつかは逝くと動物と暮らす人は知っています。でもその時を迎えると途方に暮れてしまう。私がそんな様子だった時、そばで声をかけてくださった「はなさん」のお母さんです。今度は私とココが少しでもお力になれればと思います。  

 


「春江水暖」

2021年03月06日 | 映画

曇、13度、86%

 一年以上ぶりに映画を観に行きました。中国映画「春江水暖」です。この一年、たくさんの新しい映画を観逃しています。お家で「プライムビデオ」ばかり観て過ごしました。もう、映画館に行くのもいいかな?というよりこの「春江水暖」をどうしても観たいそう思って出かけました。

 30代初めの若い監督の映画です。初めての映画作品だそうです。話は中国杭州「富陽」の一家の話です。どこの家でもある普通の話を変わり行く「富陽」の街と変わらない「富陽」の街の自然を映し出したものです。「どうしても観たい。」おそらくこの「富陽」の景色を観たかったのかもしれません。

 杭州「富陽」は実在する街、監督の出身地でもあります。中国は北から南にかけて大河の流れる周りに大都市があります。上海より南、杭州にほど近い「富陽」は「富春江」が流れています。中国の川は日本の川とは比較にならないほど海に近づけば近づくほど対岸が見えないくらいの大きさです。

 話は四人息子の家族、それぞれの家庭事情が母親の病気、認知症を発端に進みます。日本でも同じ様な話はたくさんです。レストランを経営する長男、漁師の次男、障害児を抱える三男、結婚もしない四男。長男の娘の結婚話が顔を出します。年寄り世代、その子供の世代、孫の世代と世界観の違いもこれまた日本の現代と同じものです。

 話の筋より、「山水画」を下敷きに考えられた映像の美しさがこの映画の見所です。川を映す、山を映す、季節を映す、2年近くかけて撮影された「富陽」の自然の美しさです。新しく建設された建物も見られます。滔々と流れる川は歴史、人の営みを見続けてきた証です。

 3時間近い映画です。とっぷりとこの景色の美しさを堪能できます。私は「富陽」の街とよく訪れた「深圳」の街の近代化を重ね合わせていました。世界中、人の生活の基本は変わりません、悩むこと喜ぶこと悲しむこと。

 私の心の奥に「香港」への懐かしさが湧き上がってきました。出演する人たちはほとんどが素人だそうです。監督の故郷「富陽」への思いがこの映画の基盤に流れて私たちを強く動かしていると感じました。


椿の和菓子「のりこぼし」

2021年03月05日 | 庭仕事

雨、11度、92%、雷

 日本に帰国以来、「椿」の花がますます好きになりました。香港には「山茶花」は咲きますが、「椿」はありません。「椿」でも古来種の一重で筒咲きする種類が殊に好きです。筒の中には黄色い雄しべがみっしりと見えています。ポロリと額から花が落ちるので「首切り」に例えられ縁起が悪いという方もいらっしゃいます。たくさんの「椿」が散った様はこれもまた見事です。ぽつぽつと「椿」を庭に植えました。まん丸な蕾がほころび始めると、中央には黄色い雄しべが薄く透けて見えます。 その様がまた美しい。緑深い輝く様な葉姿も花がなくなったあとまで「椿」を凛と見せてくれます。

 毎年二月の奈良「東大寺」の「お水取り」の行事の頃、椿をかたどった和菓子「のりこぼし」をいただきます。 こんな箱に入っています。中には紅白の花弁を持つ「椿」の和菓子が入っています。初めて見たときは物珍しくいただきました。今年で4回目、年々、「のりこぼし」の美味しさ、その形に心惹かれるようになりました。「この時期だけ」と思う気持ちが強いせいかもしれません。古都奈良に思い合せるためかもしれません。 一服の時間がとても大切に思われます。

 「椿」の種類の多いことも知りました。香りのある「椿」もあるそうです。「夏椿」という品種も見ました。冬に咲く、筒咲きの「椿」が私の理想です。家の小さな「椿」の木をどこまで大きく育てることが出来るか、「のりこぼし」をいただきながら庭の「椿」を思います。


自家製。「しめさば」の炙り

2021年03月04日 | 料理

曇、6度、76%

 脂ののった鯖をこの冬はたくさん食べることができました。美味しい時期はもう直ぐ終わります。対馬沖で獲れた鯖が店に並んでいました。「お刺身に出来ます?」「ああいいよ。」「いえ、そのままもらって行きます。」大き過ぎず小さ過ぎず、私が思う一番いいサイズです。お刺身にできるほど新鮮な鯖を「しめさば」にするつもりです。お腹も出さずに買って来たのはそのためです。内臓を見て、その新鮮さを確かめるためです。匂いも肝心、締まった肝臓や肺、血の色、この鯖なら大丈夫と三枚に下ろしました。

 三枚におろした鯖にたっぷりの塩を身に振ります。 このまま40分ほど冷蔵庫に。塩が湿って溶け始める頃合いを見ます。軽く塩を払い、「酢水」ですっかり塩を洗い流します。「水」でなく「酢水」を使うことで次に浸す酢が入り易くなるそうです。洗った鯖に昆布をのせて、 酢に浸けます。ひたひたの酢に浸けるとたくさんの酢を使うので、ペーパータオルをかぶせることで酢の量を減らすことが出来ます。このまま冷蔵庫で40分、途中身を裏返します。

 酢から引き上げた鯖の皮を引き、身の中央に並ぶ小骨を毛抜きで抜きます。 これで出来上がりです。鯖の皮を引いた後の艶と青々しさが美味しさを表しています。

 このまま食べれます。最近「アニサキス」の中毒を耳にします。目でも見える回虫ですが、身の中に入り込むそうです。そこで炙ることにしました。炙るのは、「アニサキス」対策ばかりではありません。炙ることで脂の乗った魚をより美味しく食べることができます。オーブン、オーブントースターでも炙りは出来ます。私は「トーチバーナー」を使います。 魚の炙り、「ブリュレ」などの菓子作りにガスボンベに付けて使える「トーチバーナー」は便利です。 網に乗せて火を当てると、皮からの香ばしい香りと脂が滴ります。酢の香りがありますから焼き鯖の匂いとはまた違います。これで「しめさば」の炙りの完成。ほんの2時間ほどの作業です。

 火を入れますので身が柔らかくなります。少し時間をおいたほうが、包丁が綺麗に入ります。 炙り「しめさば」に酢飯を詰めれば「鯖寿司」も出来ますがそのまま食べることにしました。わさび、お醤油、柑橘醤油、胡麻を振っても美味しいのですが、どうかそのまま一口召し上がってください。新鮮な鯖、いい塩、まろやかな「米酢」この3つが「しめさば」の命です。炙ることでより脂の美味しさを感じつつ、「米酢」の持つ甘みが口に広がります。

 塩で締めて、酢で締める、鮮度を保ちつつ炙ることでより美味しくなると思います。お店で三枚に下ろしてもらうと難しい作業ではありません。パック入りの「しめさば」よりも美味しいと感じると思います。

 

 


私のお雛様

2021年03月03日 | 日々のこと

雨、6度、60%

 この家、つまり私の実家の整理をしていた7年前、探していた物がありました。ふた月に一度帰国しては、母を施設に見舞い埃だらけのこの家を片付けました。探し物は「私のお雛様」でした。その時点ですでに40年近く、一度も見ていませんでした。恥ずかしい話、母は整理も掃除もできない人で家の中の状態は惨憺たるものでした。まさかこんなところに「お雛様」がと思われるところから箱にも入らず、ひっくり返った状態で見付出しました。寂しいやら腹立たしいやら。この立ち雛は訳あって2代目です。初代のお雛様の細々したお道具も別のところから出て来ましたが、傷みがひどく残したのは立ち雛だけでした。大事に包んで香港に持ち帰りました。以来毎年、この日にお雛様を飾ります。 「私のお雛様」です。お歳はすでに六十歳近くです。

 雛人形の頭頂部が傷んでいます。木目込みの雛人形、今風のお着物ではありません。派手さのないこの人形が好きです。 

 先日、最近の大きな目のお雛様を見ました。とても可愛かった。昔のお雛様はみんな細い細い目をしています。時代を反映しての目の大きなサイズの小さなお雛様もまたお雛様です。

 今年は更に嬉しいことがありました。庭に咲いた「花桃」をお雛様に飾ることができました。4年目の「花桃」は亡くなったモモの記念樹として友人からいただいたものです。この一年で大きく成長して、今年は早々に花を咲かせました。ひと枝手折っても余りあるほどの花の数です。

 飾り終わると、やって来ました。 「ココさんも女の子だもんね。」今日はココさんと二人でひな祭りです。

 私が逝くまで、毎年この手で「私のお雛様」を飾れたらどんなに幸せでしょう。

 


大きなローズマリーの木

2021年03月02日 | 

雨、12度、92%

 暖かくなって来て植物たちが花をつけると大喜びします。ほぼ一年中花を付けている木が我が家にはあります。一年中ですから、花が咲いていても気になりません。香りもいいのですが、触らないと香りが立ちません。一年中、緑で小さな紫の花を付けているのは「ローズマリー」です。ハーブの「ローズマリー」です。

 香港で一体何本の「ローズマリー」を枯らしてしまったことか、高温多湿の気候に合わなかったと思います。それでも懲りずに、オーストラリア産の高い苗を買いました。当然日本に帰って一番初めに庭に植えたのは「ローズマリー」でした。壊れた火鉢に植えて庭の真ん中に置きました。ひと夏、一回り大きく成長しました。花も付けました。根は火鉢から出て地面に張りました。少し誇らしい気分になりました。翌年、真冬でも花を付けています。早春から晩秋までミツバチの集客量は「ローズマリー」が一番です。もちろん、料理の時は庭に出てプチプチと枝を摘みます。

 確実に大きくなっています。花をつける量も増えました。庭の真ん中で緑と紫の小さな花は我が家の当たり前の景色となりました。雪が降っても気にもしません。雪をかぶっても元気です。小さな苗はすでに木質化して木になっています。

 当たり前の光景になってしまった「ローズマリー」を取り上げて書くこともなくなりました。先日、2階のデッキから庭を見ると真ん中にこんもりと「ローズマリー」が佇んでいました。 遮られることなくお日様をたくさん浴びることの出来るこの場所にどんと座っているかのようです。恋い焦がれた「ローズマリー」が手に入りました。なのに水遣りも手入れもしない私です。「ごめんね。嬉しいよ。」と改めて声をかけました。

 

 地中海地方の白壁の家の玄関によく植わっている「ローズマリー」、どれほど憧れていたか、今新たに思い出しました。これからの花のシーズン、たくさんのミツバチがやって来ます。レモンもポリッジもミツバチの好きな花です。でも一番は「ローズマリー」、誇らしく抱きしめてやりました。