
晴、26度、96%
年が明けて以来、繁華街に出るのは月に一度、月初めに銀行の用事で出かけます。その時、必要な買い物を済ませます。ただでさえ寄り道なしで用事だけの人間ですが、コロナが怖いので地下街は使わず目的の用件だけを済ませます。日々の食品、日常品は近くのスーパーで事が足ります。不思議なことに欲しいものも特にありません。十分に事足りた日常です。
長い梅雨が明けました。暑い夏の到来です。昨日は8月が始りました。急に何か「新しいもの」が欲しいと思いました。気持ちのハッとする「新しいもの」です。心踊るものが欲しくなったのだと思います。
60歳代に入って香水の好みが変わりました。若い時から苦手な匂いはありましたが、歳と共により軽く、より透明感のある香りが嗅覚にも心にも気持ちよくなりました。数本まだ使い切っていない香水の瓶が並んでいます。香水は全て主人からの贈り物です。好きな香水をそれがなくなった時にだけ買ってきて欲しいのですが、いつも違う香水を選んでくれます。まだ箱に入って封を切っていない香水が3本もあります。「新しいもの」この3本のうち一つを開けることにしました。
香水の名前からネットでどんな香りなのかを調べました。できるだけ「シトラス系」の香りが欲しいと思います。エルメスの「李氏の庭」は金柑、ベルガモットが使われていました。そこで久しぶりに「新しいもの」を箱から出してきました。
エルメスは「庭園シリーズ」の香水をいく本か出しています。「李氏の庭」は一番新しいものです。実際にある庭園の香りではありません。調香師が名前からイメージした香りを作り上げているのだそうです。「李氏の庭」ですから中国の庭園を思い浮かべたのだと思います。
芝刈りも済んだ夕方のお風呂上がりにふた噴き、首筋に香らせるだけの毎日です。ボトルはオーソドックスなエルメスのスタンダードな形です。金柑、ベルガモットを思いながらプシュプシュ。なんとなく思い違いの香りです。そこでもうふた噴き。重くはない香りですが最後の微かに甘い香りがしてきます。もう一度調べて見ると、ジャスモンが入っています。ジャスミンの香りは確かに後を引く匂いです。
私が欲しい香りとはちょっと違いました。もっとはっきり「シトラス」が香るものが今の気分です。それでも手持ちのものの中ではシトラス系の「李氏の庭」です。10代の終わり頃から身近にあったオードトワレ、プンプン匂わせていた時代もありました。今思うと恥ずかしい限りです。香りってなんだろうと思います。必要なものではありません。でもそのふと香る瞬間、心が踊ります。
「新しいもの」を手にした昨晩でした。この夏は「李氏の庭」に一日の「ご苦労様」をもらいます。
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