チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

古瓦の小道

2020年07月18日 04時00分04秒 | 家の改築

曇、23度、92%

 私の歳よりも古いこの家は7年ほど前に改築しました。改築時に庭にも手を入れて大きな木をいく本か切り造園してもらいました。改築する前の我が家は家の周りにぐるりと「飛び石」が置かれていました。芝生やタイルを張ることなどない古い日本の普通の庭です。雨の日に足元を汚さずに歩けるように「飛び石」は置かれていました。大人の歩幅、小さい頃の私は軽く「飛び石」を飛ばなくてはなりませんでした。

 家の改築は間取りの変更もありました。水回りを新しくすることも目的でした。いちばんの大仕事は古い屋根からの「雨漏り」の改修でした。屋根は「瓦」で葺かれています。昔の建築ですから土の上に瓦を乗せて作られていたと思います。改築中は私たち夫婦はまだ香港に住んでいました。工期をずいぶん過ぎて出来上がった家を見た時、言葉にしませんでしたが少なからずがっかりしました。屋根は入り組んでいます。雨漏りする箇所だけ新しい「瓦」に入れ替えてもらいました。ちょうど玄関の上の部分です。正面から見た我が家の屋根はその新しい「瓦」がやけに陳腐に見えました。昔の「瓦」、今の「瓦」、瓦の持つ風合いが違います。この時外された古い「瓦」は取って置いてもらいました。

 家の改築の後に始まった「造園」の時、この古い「瓦」を使って庭周りに小道を作ってもらいました。主人の提案です。「瓦」を使って「飛び石」代わりに泥除けの道を作ってもらいました。造園の方に話しても理解してもらうまで時間がかかった記憶があります。瓦を割り、それを一つ一つ埋め込む作業は熟練の庭師さんが一人でコツコツこなしてくれました。

 古い「瓦」と新しい「瓦」がいちばん違うと思うのは雨の後です。雨の後の古い「瓦」の屋根は水を含んだ瓦の色が落ち着いた黒に艶が浮かびます。新しい「瓦」は安っぽい色のまま変わりません。

 このところの長雨で庭の古い「瓦」の小道はいい景色を作ってくれています。 蹲の前。 表の道のココが横になっているところ。

 裏庭のライトが灯ると 

 タイル部分から芝生への渡しに半円に埋められた古い「瓦」です。 瓦を割る作業、埋める作業、ひとかたならない仕事の跡が見られます。

 まだ屋根には半分以上古い「瓦」が乗っています。止むを得ず外してしまった古い「瓦」は庭でこうして生き続けています。「屋根瓦」の美しさなんてこれからは廃れていく「美」だと屋根を見上げます。


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