蓮愛
2020年08月28日 | 花

晴、27度、80%
先日、器の店から図録が送られてきました。その中の一枚に北大路魯山人の染付の器の写真がありました。中国の古い器を模したその鉢には、釣り人と蓮が描かれています。 この鉢の裏には「蓮愛」と魯山人が銘を書いています。蓮を愛でつつ釣り糸を垂らす人、なんともいい図柄です。まだ開ききらない蓮の様子がちょうど我が家の「睡蓮」に似ています。
10日ほど前に誰かに折られた我が家の「睡蓮」、一本は花の頭から持ち去られ、残る一本は茎が2箇所折られていましたがかろうじて繋がっていました。「咲いて欲しい。」と思いましたが、立ち枯れてしまいました。古代から絶えることのない植物の「蓮」です。立ち枯れの蕾の横に新しい蕾が水の中から立ち上がってきました。
台風の北上で雨を待っていましたが、降った雨はほんのわずかでした。その雨を葉に受けて早朝の日の光の中で咲き始めた「睡蓮」です。
咲き始めはぽってりとした色ですが、開き切ると白を帯びて清楚な花となります。あいにく昨日は雲が多く、7分咲きで花を閉じました。
魯山人が「蓮愛」と名をつけた鉢の絵、釣り糸を垂らす人は釣りよりも「蓮」を見るために糸を垂らしているかのように思います。時折「蓮」の匂いが鼻をかすめるはずです。静かな動きのない水面に目を向けて、何も思わず釣り糸を垂らす昼前のひと時、贅沢な時間です。
私も庭に降り開き始めた「睡蓮」を眺めます。心が平らになる僅かな時間です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます