
雨、23度、96%
主人は仕事柄、時計をその時その時付け替えます。朝の散歩用、ゴルフの時、昼間会うお客様に合わせて時計を選びます。それにひきかえ、最近ズボラな私は余程の方とお会いする時でもないと、一日AppleWatchをしたままです。恥ずかしく思います。それで、普段の外出用にクリオブルーの時計を出して来ました。
以前は日本にもお店があったフランスのシルバ−アクセサリーのクリオブルーです。フランスではまだお店があるそうですが、日本は全店仕舞ってしまったと聞きます。20数年前、私はこのクリオブルーの時計をはじめブレスレットなど随分求めました。クリオブルーのマークは魚、私は魚座です。西武デパートが香港にオープンした時にクリオブルーも香港にやって来ました。デパートの小さなショーウィンドーに飾られていたこの腕時計、何度も何度も見に足を運びました。有名時計ブランドではありません。ですからそんなにお高い時計ではないのですが、我が家の経済は豊かではありませんでしたから求めたのは随分経ってからです。初めは深い緑のリザードのストラップでした。
出して来たこの時計止まっています。電池を替えに時計屋さんに行きました。いつものおじさん、時計を開けるなり首を傾げて、突き戻します。「古いから直らない。」確かに20年以上経った時計です。時計の修理、香港何処でも小さな店があります。電池を替えたり、簡単な修理です。日本で思うような時計職人ではありません。仕方なく別の時計屋さんに、そこでも、やはり、ダメだと言われました。
雨が降る中、時計を握りしめて寂しく思います。あれだけ憧れて手に入れた時計です。いつか日本んできちんと修理に出そうと思いながらも、気持ちが沈みます。香港島のセントラルの小さな土産物の時計を売ってる店の前をたまたま通りました。まだ若いお兄さんが古いGショックなどを売ってる店です。一旦前を通り過ぎたものの引き返して「修理出来ますか?」と尋ねました。何やら新しい機械を出して来て、「見るだけで10ドル。」とおっしゃいます。10ドルぐらいならと診てもらうことにします。
こんなお店、軒などありません。店の前の安い時計などビニールシートがかかっています。私も傘をさしたまま、お兄さんの手元を見ていました。「直ると思うよ。」とウィンクなんかしてくださいます。それから待つこと5分ほど。魚の形をした長針が動いている時計が私に戻って来ました。
この時計を求めた西武デパートもとっくの昔に香港から撤退しました。クリオブルーのお店もありません。お金がない頃に求めたものはそれなりの思い入れがあります。フランス製のシルバ−の小さな時計が、錆を落としてもらってまた動き始めました。家にある置き時計、他の腕時計、時計は私と一緒に時を刻んでくれています。
ですが、ある日、津田沼のパルコ、チックタックという時計屋さんで、こんどは始めから工場での電池交換をお願いしたら、無事、又動いて戻ってきましたよ。
工場にお願いすると3000円はかかるけどちゃんとしてくれるから安心ですよ。