
晴、4度、52%
子供の頃の食べ物の思い出はいいものもあれば、良くないものもあります。「お餅」にはあまり芳しくない思いがありました。そんな思いをこの歳になるまでなんとなく引きずって来ました。でも、なんの切掛かコロリと落ちることがあるのを知りました。
子供の頃、元旦から成人式過ぎまでは朝から夜までこの家で一人で留守番をしていました。父の仕事柄、一年中で一番お客様の多い時期でした。写場、つまり写真のスタジオには晴れ着を着た人たちが記念撮影にやって来ます。母も着付けの乱れを整えたりで一緒に出かけます。火の元が心配なので、ストーブは使えず椅子に座って当たる火鉢だけでした。ご飯を作り置きするような母ではありません。私に置かれた食べ物は「お餅」。きな粉やお海苔もありません。仕方なく「お醤油とお砂糖」を混ぜてつけました。
寂しかったと思います。寒かったと思います。「お餅」を見るとお醤油とお砂糖の甘塩っぱい味とともに胸に支えるものがありました。嫌いではないのです。ぷーっと膨れて香ばしい香り、熱々の「お餅」は食の細い私でも好きでした。
ここ数年、年末につきたてのお餅をいただきます。福岡は丸餅です。ご家族揃ってつかれた「お餅」は遠くからやって来ます。今年初めて「あん餅」が入っていました。昔、祖父母の家でつきたてのお餅にあんを入れ私に叔母がぬくぬくを手渡してくれたことを思い出します。荷物を開けるや「あん餅」をいただきました。
明けてお正月、一番にいただいたのは白味噌で仕立てたお雑煮、久しぶりの白味噌仕立てでした。焼き餅は香ばしく、「ああ、お正月」としみじみ感じます。「あん餅」「白味噌お雑煮」と今年はお餅を食べる勢いが違います。いつもならひと月かけて食べる「お餅」が今年はもう数えるほどです。「お醤油とお砂糖」は使いませんが、ご飯がわりにいくつも食べます。「昆布締め」に使った昆布を炊いた、 こんなものと一緒に。
胸の中にあった「お餅」への石のように硬い思いが、ポロリと落ちました。「お餅」のあとに入れた「大福茶」を飲みながら、満足げに微笑んでいる自分がいました。寂しかった、寒かった思い出が何処かに消えてしまった、今年のお正月です。
いつも楽しく拝見しております。
特にココさんとモモさんのお話が大好きですが、ほろ苦い思い出しかなかったお餅が、「好きな食べ物」のカテゴリーに仲間入りしたのはこちらも心が暖かくなるようなお話でした。
またたくさんの「好きなもの」が増えることをお祈りします🙏💕
今年もどうぞよろしくお願い致します🙇🎵
おめでとうございます。🎍
いつも読んでくださってありがとうこざいます。
私、好き嫌いないのよ。ただ、胸に小さな石ころがお餅を見ると浮かぶの。この歳になるまで石を抱えていたのね。石を落っことしたら、楽ね。
「好きなもの」いっぱいあるわ。一番は自分😄
それは良うございました😊👏
毎日のココさんとの生活が、益々楽しいものになりますように😄👍