
曇り、14度、82%
先日、お嫁さんと孫のいる病院を訪ねる時、小さなブーケを持って行きました。たった5日の入院と聞いています。残りは2日だけ。都心の大きなターミナルの中に小さな露店の花屋さんがあります。手頃な値段で買える小さな出来合いのブーケが店先を飾っています。もしかしたらお花は、病室には止められているかもしれません。そんなことも考えて小さなブーケを買いました。
黄色いバラ、ガーベラにスイートピー、アネモネのブーケです。アネモネを見たのも、スートピーを見たのもほんとに久しぶり。優しい柔らかそうなスイートーピーは、なんだか我が家のお嫁さんのようです。無事に病室に入れてもらえた小さなブーケ、看護婦さんがコップを持って来てくれました。大袈裟な花瓶なんていらない小さなブーケは、ちょっと嬉しい時、ちょっと寂しい時、手土産代わりにと重宝なものだと思います。
私が留守中は、切り花の世話をしてくれる人がいません。水を替える、枯れた花柄を取り除く、小さなことですが、お手伝いさんにはどうでもいいことのようで、すっかり枯れてしまった花が私の帰りを待っていたことがありました。以来、切り花は全て始末して旅に出ます。香港に戻った翌朝一番に、九龍サイドの花市に向かいました。
旧正月、バレンタインデーと花市にとって書入れ時が過ぎて、いつもの花市の朝の光景です。お店の人たちの荷下ろしも、心なしかのんびりしています。先日紹介した昆明からのチューリップが、色も様々に入って来ています。やはり春はチューリップね、と思わせる程です。ムスカリ、ヒヤシンスなどの球根の花がオランダからはいって来ています。ラナンキュラスも昆明のもオランダからも色取り取り。でも、心の片隅であの小さなブーケのスイートピーやアネモネを探しています。記憶をたどっても、スイートピーだけはこの花市で出会ったことがありません。
数件しかないオランダからのものを扱う花屋の一軒の一番奥に、たった2束だけアネモネを見つけました。この店は、ほんにごく稀にクリスマスローズも入れてくれます。アネモネの色は赤と白。迷って赤を買い求めました。まだ堅いつぼみです。病院に持って行ったブーケーのアネモネもつぼみだったのに、水に浸けるや花開いたことを思い出します。赤いアネモネ、真っ赤かと思えば少し黄色ががった赤やピンクっぽい赤まであります。ゆるゆると開いたアネモネ。他の花なら葉を落とすところですが、まるで、襟巻きのようにギザギザの葉が花を囲んでいます。枝先を少し落として、ほとんど手を入れないで活けてみました。
例年より少し寒い香港です。一足早く、我が家には春が来たようです。
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