チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

ファニーフラッグ 「The WONDER BOY of WHISTLE STOP」

2020年12月27日 | 

晴、5度、84%

 ファニーフラッグ、10冊目の小説は今年の11月に刊行されました。彼女の代表作「フライドグリーントマト」を読んで以来20数年、新作を必ず読んできました。あいにく、日本では「フライドクリーントマト」以外は翻訳されていません。

 アメリカ南部アラバマ州の「ウィストゥルストップ」を舞台に繰り広げられる話がほとんどです。そしてその街も鉄道の荒廃と共に寂れて今ではどこにあったかもわからない街になってしまっています。

 1930年代から現在までの様々な出来事を、「ウィストゥルストップ」で生まれ育った「バッドゥ」という片腕の少年を追って話は始まります。時代は行ったり来たり、思い出もあれば今のアメリカの事情を反映する様々な出来事、でもそこには故郷を思う人の気持ちが脈々と流れています。

 片腕の「バッドゥ」は獣医になり今では80歳を過ぎ妻も世を去って、養老院暮らしです。近くに住む娘ルーシーとバッドゥとが主軸となって話は進みます。「ウィストゥルストップ」を最後に一目見たいと養老院を逃げ出すバッドゥはもうどこを探してもその街の姿を見ることが出来ませんでした。話は人と人の繋がり、過去まで遡り、ぐるぐると回ります。ひょんなことから、娘ルーシーが「ウィストゥルストップ」の街再建をすることになります。

 ファニーフラッグの話はどれも本当に普通アメリカ南部の人の日常です。ゴシップあり離婚あり殺人あり、でも最後はいつもハッピーエンド。どの本も読み終わった後に心温まるものが残ります。

  20年間、読み続けてきたファニーフラッグの本は全部香港からの引っ越しの荷物に入れて持ち帰りました。ファニーフラッグの本はアメリカ南部が西部や東部とは違うものだと私に教えてくれます。場所が違って人種も違うけどやはり人間は同じだとも私に教えてくれます。20年間いつも私の心の片隅に「ウィスットゥルストップ」の街がありました。普通の人たちの普通の話、アメリカの人たちからも支持されるのはそんな暖かさのある話からだと思います。

 今年はお家にいる時間が長かったのに、チクチクに時間が割かれ読んだ本が数冊でした。チクチク予定より遅れていますが、来年初めには完成予定です。

 すでに2冊新刊を予約しています。amazonのおかげで新刊が出て10日もすれば手元に届きます。来春は待望の「カズオイシグロ」の新刊も出ます。確か今回は日本語の翻訳本も同時出版だと聞いています。残念ですが「THE WONDER BOY of WHISTLE STOP」もきっと翻訳されないでしょう。

 

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