雨、9度、86% 札幌
札幌は海がありません。飛行機は太平洋の上を飛び内陸の千歳空港に降り立ちました。札幌からほど近い小樽は日本海に面しています。
旅の間でもいつもの時間に目が覚めます。洗濯も掃除もすることがありません。退屈です。そこでホテルを飛び出して、小樽に向かいました。札幌駅から電車に乗りました。ホームには小樽行きの電車が止まっています。中にはすでに乗客がいるのに電車のドアは閉まっています。 ドアの横にはこんなボタンがあります。自分でボタンを押してドアを開けて乗り込むようです。ドアの開け閉めが自動でない電車は2度目です。ロンドンのヒースロー空港からパディントン駅に向かう電車に開閉ボタンがついていました。押してみたかったのですが、その時は別の方が押してしまいました。ドアを開けるためにグッとボタンを押しました。ドアが開きます。中に入ると、 今度は開閉のボタンがついていて、閉める方を押します。シートに腰掛けて何故こんなボタンがついてるのか考えます。寒さの厳しい冬、折角の電車内の暖気を外に流さないためでしょうか。北の土地では寒さに対する備えを一番に考えると思います。
各駅停車の電車は早い時間ガラガラでした。北海道らしい珍しい名前の駅を通りながら進みます。「銭函」という駅は無人、駅舎もありません。この駅を過ぎた途端右手に海が見えてきました。まもなく小樽です。
小樽駅 を出ると緩やかな坂が海に向かっています。小学生の登校に混じって海に向かいます。10分も歩けば防堤に着きました。 石狩湾、この先は日本海です。福岡も日本海に面していますが、海の色が違います。海の匂いも違います。これが北の海だと空気をいっぱい吸いました。
商いの港として栄えた小樽は集荷のための運河も有名です。運河の脇には独特な形の倉庫が並んでいます。この運河は駅から海に向かう途中にありました。私のように朝早い観光客のために「運河クルーズ」がすでに出たばかりでした。この運河が賑やかだった頃、北の国の開拓の歴史と一緒に心に描いてみます。
古い建物は、石造で趣があります。 このお店は小樽のガラス細工のお店です。開店前ですから、格子のシャッターの間からお店を覗きました。お店の中は湿った古い空気が詰まっていそうです。
お寿司を食べて帰りたかったのですが、こんな朝早く開いているお寿司屋さんはどうもと思い諦めました。午後には会いたかった方達にお目にかかります。気が逸ります。
石狩湾の眺めは気持ちを調えてくれました。旅行の中の思いつきの小旅行です。小樽も行きたかった場所でした。海の色と海の匂いがお土産です。
帰りの札幌行きの電車は通勤の人でいっぱいでした。「銭函」の駅を出る時、海に向かって思います。「また、来ますね。」