曇り、19度、81%
ロマネスコという立派なお名前、見た目はカリフラワーのようでもありブロッコリーのようでもあるのに個性的、いえ、私の目には芸術作品のように見えます。 れっきとしたお野菜です。ロマネスコを知ったのはほんの3年ほど前、日本の友人が自宅で育てています。見てみたい食べてみたい、世界中からお野菜が集まって来るここ香港ですが、どんな高級食材店にもその姿はありません。そうすると尚更、見たい食べたい気持ちが募ります。間違いなく私はロマネスコに恋してしまいました。
日本に戻ったときも、デパートの野菜売り場を点検、やはり見つけることが出来ません。ウェッブで調べると、日本では栽培販売されています。一般的ではないのでしょう。初めて実物を手に取ることが出来たのは、2年前のクリスマス前のことでした。しかも私が毎日通うセントラルの市場です。レストランに野菜を卸している八百屋さんの荷物の中に見つけました。売れないと言うロマネスコを無理に頼んで、しかも値切って買って来ました。昨年からはこの八百屋さんに限っては、時折、店の奥に2つ3つ並んでいます。高級食材店にはたまに見られるくらいです。アメリカからの輸入物です。
日本の友人宅のロマネスコの最後の一株は、雪の下に埋もれていたそうです。葉っぱだって凍ってしまったその株、雪が溶けて見てみると実を付けていたそうです。なんという生命力。葉をそっと開けて中に実を見つけたときの友人の驚きと喜びは如何ばかりか。友人は私と会う朝、包丁で丁寧にその実を茎から切り離しました。まわりの葉は付けたまま、ラップに包みエアパッキンを被せ袋に入れて、沢山のお土産と一緒にロマネスコのことは一言も言わずに、私に手渡してくれました。新幹線の中、大きな袋の一番上、中身は見えませんが私にはその正体が分かります。翌々日、飛行機に乗る私のトランクの片隅にロマネスコは私の服に包まれて入っていました。
友人が切り取ってくれて3日目、いよいよ我が家の食卓に上りました。
茹でてサラダで頂きます。 こちらは初めて食べるイタリアから入って来たラムレタス。イタリアのミニトマトと一緒に、もちろん主役はロマネスコです。
おそらく私が口にしたロマネスコの中で一番新鮮、青臭さを感じます。甘みは少ないロマネスコですが、そのコリコリとした食感、円錐状の形は代え難いものがあります。主人など、「今度は、天ぷらで食べたい。」と申します。
いつか、このロマネスコを自分の手で作ってみたい、夢です。実は昨年の夏この暑い香港で種を蒔きましたが、大きく育ったのは茎ばかり実は付けませんでした。ロマネスコ栽培は中級者以上向けだそうです。