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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

黒豆、新豆と古豆の炊き比べ

2015年01月05日 | 料理

曇り、18度、88%

 12月の初旬には、豆類は新物と古い物の端境期です。福岡の行きつけの豆屋には、まだ古い豆しかありませんでした。天神の岩田屋の地下にある富澤商店では、古物は少しお安くなって、新物がでていました。3年前に黒豆は、古物の方が味があって料亭では古物を使うと聞いたことがありました。その時は、豆屋が古物を売るための方便だろうと思っていましたが、別のところでもまた同じ事を聞きました。そこで、豆屋で買った古豆と新豆を炊き比べることにしました。豆の種類は、どちらも丹波の飛切りです。

 まず、元旦用に古豆から炊きました。一晩、たっぷりの水に浸けて、翌朝から炊き始めます。ひとつまみの塩とひとつまみの重曹を加えて、常に水の面がフツフツしている状態で炊き続けます。灰汁が出ればあくを取り、水かさが減れば水を足します。柔らかくなるまで炊きます。この柔らかさの目安、壁に投げてつぶれるくらいと聞いたことがあり大笑いしたことがありました。一番てっとり早いのは、噛んでみること。でも、指先で押したときの弾力で次第に柔らかさの加減が分かるようになります。充分に柔らかくなったら、ザルに取って、流水で静かに洗います。きれいに洗った鍋に戻し、水を豆の嵩の八分目まで入れます。ここに砂糖を加えます。普通は豆の量と同量の砂糖といわれますが、それではベトベトになります。すっきりとした黒豆に仕上げたいので、私は豆の量の8割にしています。この砂糖の半量を鍋に入れ、蓋をして砂糖が溶けるまで、火にかけます。ほんの5分程です。その後、蓋をしたまま完全に鍋が冷めるまで放置します。私はルクルゼの鉄鍋で作りますから、鍋が冷めるまで随分時間がかかります。蓋をとると、砂糖が溶けた分水かさが増しています。さて、完全に冷めれば、残りの砂糖を足して、再び5分程火にかけます。そのまま、一晩置けば出来上がり。この砂糖が溶けると豆と水かさがちょうど同じになります。砂糖水と豆の浸透圧の差で豆の中にじっくりと甘みが入って行きます。

 全く同じ炊き方で、新豆を元旦の晩からに始めました。黒豆は、年末あちこちに少しずつですがお分けします。それに甘みが少ないので、ポイポイと食べることが出来ます。あっという間になくなる黒豆です。

 炊く過程で新豆と古豆の大きな違いは、柔らかくなるまで火にかける時間でした。新豆が4時間に対して、8時間近くかかった古豆です。アクの出方も古豆の方が遥かに多くでました。ただ、豆の皮のはじけは圧倒的に古豆が少ない。艶や大きさは、殆ど変わりありません。ただ食感、食べたときの口に拡がる豆の香りが違います。新豆は、柔らかくほんわりとしたやさしい味です。古豆は噛みしめるとしっかりした豆の味がします。黒豆らしい香りは新豆です。 こちらは新豆。皮が弾いているのが分かります。見出し写真が古豆です。

 さて、炊く分には新豆の方が随分時間的には楽だと思います。新豆の女の子のような優しい味か、古豆の酸いも甘いも分かったような芯のある味が好きか、お好みでそれぞれです。実は、いつも最後に蜂蜜を落としててりを付けますが、今年は味比べのために、蜂蜜はパスしました。蜂蜜のほのかな香りが、味の邪魔をすると思ったからです。

 主人も私も、新物古物、甲乙付け難しという判断に至りました。モモさんは???だそうです。


今年のおせち

2015年01月02日 | 料理

曇り、14度、79%

 おかげさまで、新しい年を迎えることが出来ました。若かった頃には、毎年同じことをして年を越し、年を迎えることのありがたさが分からなかったように思います。そして、同じことを繰り返すうちに、たとえ、それが年末の慌ただしさの中でも身に付いて行くことを感じます。要は続けることでしょうか。

 結婚以来、少しずつ我が家の形になってきたおせち、息子がいた頃は肉ものが多かったように思います。それに、昔は、香港では手に入らなかった素材もありました。12月に主人か私かどちらかが帰国できる年は、やはりお正月らしいものが作れます。材料さえ調っていれば、台所に数時間こもって、料理に仕上げます。

 一の重。 今年は、一の重と二の重どちらを上に持って行くか随分と悩みましたが、生もののある方を一の重にしました。松の焼き印を押した伊達巻きも、今年は、ひと味違った大巻きに作りました。いえ、ただ、使ったはんぺんが大きいサイズだっただけです。 紅白に染めたゆりねのきんとん。古豆の黒豆。しめさばの炙り。しめさばのいいものが香港でも手に入ります。そこで、トーチバーナーを使って、炙ってみました。しめさばは少し酢に付けて塩気を落として使いました。冷凍してあった銀杏。紅白のかまぼこ。昨日の朝一番に求めてきたタイのさくを昆布じめにして、菊の花と和えたものを一品。

 二の重。 裏白椎茸。金柑の甘煮。赤かぶのなます。海老の酒蒸し。 昆布巻き。 そして、ふっくらと仕上がった牡蠣の薫製。我が家の薫製はチップは使わずに、紅茶の葉っぱで燻します。栗の甘露煮。

 三の重。 煮物です。今年は筑前煮にはしませんでした。野菜を一つ一つ炊き上げてみました。そして、私が愛して止まない、ロマネスコの緑に彩りを。百合根、白クワイ、京人参、ごぼう、蓮根、亀甲に形した里芋、こんにゃく。

 そして、もちろん、モモさんお重。 小さく切った伊達巻きやしめさばです。

   煮物も大好き。ロマネスコもぽりぽりと食べてくれます。

 おせち作りは、一つ一つの料理を作るのも楽しいものです。でも、一斉につめるものを並べて、お重につめるときの楽しさは、ひとしお。毎年同じ物とちょっと目先の変わったものをと心がけます。孫が大きくなれば、昔のようにガランティーヌや焼豚、ローストビーフが復活することでしょう。無事におせちを頂けたことに感謝します。

 


新豆?古豆? 黒豆の話

2014年12月30日 | 料理

晴れ、11度、75%

 おせち料理の中で初めて作ったのは、黒豆。朝日新聞の料理欄に出ていた土井勝さんの方法で炊きました。錆びた古釘なんか入れて炊きました。36年前の話です。数年はこの土井勝さんの炊き方でしたが、もっと簡単な炊き方を知りました。江戸時代から続く東京の仕出し屋「八百善」の炊き方です。浸透圧を利用して炊きますから、火にかけるのは実際豆を柔らかくする間だけです。私のような無精者にはうってつけの炊き方です。以来、ずっと「八百善」式。

 豆がよければ70%は美味しく炊けると信じて疑わない私です。10年程前までは、義母が年末になると丹波の飛び切りの新物を1キロもしくは2キロ送ってくれました。全部家で食べるわけではありません。その年年にお世話になった方に届けます。ここ数年は、主人か私、どちらかが12月には帰国します。その折、黒豆を携えて香港に戻ってきます。一度、主人が時間がなくて北海道産の黒豆を買って来ました。しかも、新豆ではありませんでした。いやはや、この私、途中で一度投げ出したくなる程、柔らかくなるまで時間がかかりました。しかも、お重につめると小粒の北海道の黒豆は貧相に見えます。以来、絶対、丹波の飛び切りの新物、と心で思いました。

 3年程前のことです。何かの本で、黒豆は新物よりは古物がいいと書いてありました。同じ頃、料亭では古豆を使って炊く話も聞きます。豆屋に古豆の注文が来るそうです。新豆より乾燥した古豆は、より水を吸って大きくなるというのです。

 先日、いつもの福岡の豆屋に出向きました。もちろん、黒豆を買うためです。行くと、丹波黒豆飛切り、と書かれた樽の中は底をつきかけています。横に、古豆です、と書かれています。聞くと、新豆は2日後に入って来るとのこと、2日後には私はもう香港です。まあ、仕方ない今年は古豆を炊くとしようと買い求めました。

 繁華街のデパートに入っている富澤商店に行くと、新物の黒豆が入っています。ふむふむ、今年は新豆と古豆を炊き比べようと考えました。

  右が新豆、左が古豆です。古豆の方が乾燥が進んで小粒です。これが勢い水を含み新豆より大きく炊きあがるといいます。さて、初めに、古豆の方から炊いてみます。この結果は年を越してまたお話しします。

 私が炊いた黒豆のことを思い出してくださる方が年賀状に懐かしいと書き送ってくださいます。ですから、炊き始める前は、いつもお鍋とお豆に手を合わせます。

 


スープの話

2014年11月18日 | 料理

晴れ、18度、68%

 若い頃は気付かなかった事が沢山ありました。そのひとつがスープの事です。若い頃は、スープを飲む事が少なかったように思います。なぜならスープを食前に取ると、メインの食事が入らなくなると思っていたからです。50を過ぎる頃までずっとそう思い続けて来ました。

 和風のスープは基本のお味噌汁。きちんと昆布やカツをだしを取った具沢山のみそ汁は日本人とって、欠かす事が出来ない毎日のスープです。いい食事の時の吸い物の蓋をとった時のあの一瞬の香りは、これまた、幸せと感じる時です。ここ香港のスープ、「湯」と書きます。ブタの骨や魚のシッポからそして、沢山の乾物、豆や干した野菜を使ったスープは家庭家庭の味です。産後のお母さんのためのスープ、腎臓が弱っている時のスープ、まさに医食同源のスープです。はたまた、最近はシャークフィンの輸入が禁止されているので、結婚式にも出なくなったフカヒレのスープだって、金華ハムを蒸して作る「上湯」と呼ばれる上等なスープがあってこその料理です。西洋料理の澄んだ澄んだコンソメは、鳥ガラや牛の骨を長い時間かけて煮て、丁寧にあくを取ったものです。そして、普段の食事にはコーンや豆を肉と一緒に煮た滋味溢れるスープをいただきます。

 美味しいスープの飲んだ最初の一口が、体に染み渡るようだと感じるようになったのは、ついこの頃の事です。このスープ、手間、ひま、お金をかけたスープではありません。どんなスープをとっても、大事なのはだし、つまりベースとなるスープの素です。鳥ガラをコトコト炊いて取ったスープを卵白を使ってあく取りをしてなどと凝った事をしていた時期もありました。ところがある事に気が付き始めて、私のスープ作りは、飛躍的に手抜きとなりました。その気付いた事とは、お豆腐からだっていいだしが出るという簡単な事です。お豆腐ばかりか、乾燥豆を湯がいたあとの煮汁も美味しいだしが出ています。生の野菜はもちろん軽く日に当てた乾燥野菜からは、驚く程おいしさがにじみ出ます。そこに海のものを加えると、海のものの持つ塩味で味付け不要のスープが出来上がります。

 昨日の私ひとりの昼食は、金時豆と切り干し大根のお味噌汁。日本で求めて来た金時豆が、どうしても柔らかくなりません。こんなお豆にお砂糖を加えたら、それこそカチカチになります。洋風のベーコン入りのスープにしようかとも思いましたが、切り干し大根をほんの少し加えてお味噌汁に仕立てました。昆布もかつおぶしも煮干しも入れていません。一口飲んだだけで、体も心も調います。

 作ってみたいスープがあります。メロンの冷たいスープ。主人が10年程前にシンガポールから帰って来て、美味しかったと言ったスープです。マスクメロンが苦手な私ですので延び延びになっています。他のメロンに置き換えて作ってみようと思います。美味しいと感じる物は、体が求めているもの、そして体が調うものですね。

 


カレー風味のヌードル Laksa

2014年09月29日 | 料理

晴れ、25度、81%

 エスニック料理が、日本に紹介されてどれくらいでしょうか、20年少しではないかと思います。エスニックと一口ではいえない、その国その国様々な料理があり、それが宗教とも関わって、ブタは食べない、牛は食べない、と分かれたり、同じ国の北と南では、粉を使ったパン類が主食、お米が主食とこれまた分かれたりするのが実情です。しかも、中国華僑がそれぞれの料理を中華風にしながら、広めて来た経緯もあります。日本だって、昔は北と南の食生活は違っていたにもかかわらず、今では全国一律の感があります。テレビでの影響もお取り寄せや、デパートの地下での催し物、日本中の食べ物が何処にいても手に入ります。海外の料理だって、どん欲に日本に持って来て、しかも、日本人の口に合うようにしてしまう、ものすごい人種です。

 カレーに至っては、我家では敢えて「日本のカレー」というほど、今や何処のカレーでもない「日本のカレー」が存在します。カレーといえばインド、そして、最近ではタイカレーの台頭ですが、東南アジア一帯、カレーと呼ばれるものが、その土地その土地にあります。

 カレーのヌードル、もちろんカレーうどん、カレーそば(先日初めてメニューでカレーそばというのを見ましたが、美味しいのかな?)本場インドには、ヌードルがないので、チャパティのようなパンやご飯と一緒です。タイは、ビーフンが有名です。種類も豊富、カレー風味の焼きそばまであります。ベトナムは、やはりビーフンの汁そば、ホーが有名です。

 カレー風味のヌードルというと、マレー料理の「ラクサ」。シンガポールの屋台ではポピュラーな食べ物です。マレー料理ですので、イスラム教徒の掟通りに、豚肉は使いません。スープの元になるのは海老や小魚です。干しえび海老のペーストと唐辛子、コリアンダーやガーダモンなどの香辛料を練り合わせたものがスープの基本です。これに、ココナッツミルクをくわえます。強い唐辛子の刺激を、このココナッツミルクが緩和してくれるところは、タイカレーと同じです。しかも、ほんのりと甘みも添えてくれます。麺は、ビーフンの細いのから太いのまで、卵麺(日本のチャンポン麺に似ている)まで、好みで選べます。半分ビーフン、半分卵麺もありです。上にのせてくれるのは、海老、チキン、ゆで卵、必ずのっているのが、サイコロ型の薄揚げと生のもやしです。そしてたまには生のミントの葉っぱ。

 見出し写真は、我家で作ったものです。生のもやしは、このやや濃厚なスープにしゃっきりと爽やかさを添えてくれます。ミントが最初は?だったのですが、これまた、口の中をさっぱりとしてくれます。お店では、小皿にライム、赤唐辛子、海老ペーストの唐辛子の辛いソースが添えられて出て来ます。

 夏も終わって欲しいのですが、まだ暑い香港です、ラクサを食べて体の底から汗を流しましょう。

 


マッサマンカレー

2014年09月11日 | 料理

曇、27度、85%

 タイのカレー、黄色に赤に緑と辛さもさることながら、ココナッツの香り豊かな私の好きな食べ物です。あまり有名でないのがマッサマンカレーやペナンカレーと思っていたら、つい先日、マッサマンカレーが世界一おいしい料理に選ばれていたことを知りました。

 アメリカのCNNが2011年に選んだ一番おいしい料理がタイのマッサマンカレーだそうです。それを知った時、やや首を傾げました。そうかな?というわけで、久しぶりに作ってみる事にしました。香港ちょっと市場を探せば、タイ料理の食材を扱うお店が見つかります。そこでは出来上がった、カレーペーストが売られているので、簡単に作ることが出来ます。

 いつも使うのはメイプロいというメーカーのペースト、タイの女性の絵がトレードマークで日本でも一番見かけるのもです。メイプロいのマッサマンカレーペーストはどこを探しても売り切れ、仕方なく、 このペーストを使ってみました。随分いろいろなメーカーのペーストを食べ比べましたが、メープロイのものが美味しいように思います。マッサマンカレーは、マッサマンが表すようにイスラム教徒のカレーです。タイ南部のカレーで、香り付けがインド影響かコリアンダーが強く感じられます。イスラム教徒のカレーですからブタは避けました。

 思い立って、すぐに作ったので少し辛みや香りがきつく感じます。とはいっても、グリーンカレーよりは数段まろやかです。私が一番好きなのは、グリーンカレー、辛みが強いばかりでなくあの香りが好きです。少し時間を置いて、このマッサマンカレーを食べると、ふむふむ、なんだか美味しいと言われるのが分かる気がします。レッドカレーよりまろやかです。かといってイエローカレーよりは複雑な味がします。それでも、なぜ、マッサマンカレーが世界一美味しいのかは、納得できません。もちろん、私は毎日食べるタイのご飯ジャスミンライスと一緒に食べました。

 今回使ったカレーペーストは、塩ッ気が強く感じます。やっぱり、メイプロイのペーストを探して今一度作ってみましょう。

 我が家のタイ人のお手伝いさんは北のチェンマイの出身です。マッサマンカレーのことは、ほとんどご存じない、どこの国でも、北と南では味や素材が違った料理があります。しかも宗教の違いもあれば、食べ物は変わります。いつものことですが、私は食べ物を通して、その国その国を見ているようです。


テールシチュー

2014年08月01日 | 料理

晴れ、29度、80%

 この暑いのにシチューなんて、そうです、こういう買い物をするときは主人が一緒です。きれいな牛のテールを見て、シチューとおっしゃいます。ちょっと考えましたが、そういえば冷凍庫にドゥミグラスソースが固まったまま、あれを使い上げれるわ、と主婦の計算が働きます。

 それに考えてみれば、台所でお鍋に入れてほって置けば出来上がる、天ぷらや唐揚げのように火の側に付いていなくてもいい分、楽だわと頭をよぎります。

 一度ざっぷりと湯こぼしして、汚れを取ったテールを赤ワインとブーケガルニとコトコト3時間も煮込むと身もホロホロに美味しくなります。2時間目ぐらいに冷凍庫から出して来たドゥミグラスソースを入れて、最後の30分でお野菜を足しました。

 こんなに美味しいソースがたっぷりとあるときは、パンなどを付け合わせにせず、茹でただけのスパゲッティを添えます。かなり濃厚なソースです。テールの軟骨部分からじんわりと出て来るゼラチン質が、食べ終わる頃には、口の周りに感じるほどになります。なんでテールやタンは、こんなに美味しいのかな、部位からするとちょっと嫌な感じがするかも知れません。テールの柔らかなおいしさもタンの腰のある柔らかさも癖になります。香港地元の人はブタのタンもテールもよく買って行っています。スープにするととても美味しいと聞きました。私の実家では、父が、大の牛のテールのス−プが好きで、ニンニクを利かせたス−プを自分で作っていました。いえ、これもお鍋に入れるだけのものですが。

 さて、食後、美味しかったねえ、と話していると、今度は倍の量のテールを使って作ろう、とどなたかがおっしゃいます。テールがたくさん食べれるのは大歓迎。はたと考えました、ドゥミグラスソースの作り置きはもうありません。手間ひまかけたあのドゥミグラスソースのおかげで美味しいシチューが食べられます。鶏ガラ、牛のすじ肉、野菜を煮込むこと6時間、未だに、亡くなった村上信夫さんのレシピイ通りに作ります。あくを取って、脂も取って、シノアで漉す、シチューを作るより手間がかかるドゥミグラスソース、おいしさの要です。日本には缶詰のものが売られています。あれを使うと簡単です。


ある日の夕飯

2014年07月27日 | 料理

雨、26度、86%   雷注意報

 夕飯の支度をしていました。特別な夕飯でなく、普通の主人と二人の夕飯です。前の晩、遅くまでお付き合いがあった主人ですから、少し我家にしては軽めの夕飯になりました。なにげに用意していたにもかかわらずふと気付くと、これは凄い!と。

  生のイチジクが、出始めました。イチジクが生で香港に入って来るようになったのは、最近のことです。これは、トルコ産。ミックスのサラダの葉っぱは、アメリカ産。甘いチェリートマトは、イスラエル産。

  こちらは、ホースラディッシュがはいったハバティ、ハバティはデンマークのチーズですが、こちらはアメリカ産。

  ガルーパのソテーです。香港では、このガルーパを丸ごと蒸した有名な料理があります。美味しい魚です。生のときは少し匂いがあります。匂い消しに、お酒で洗って主人が買って来てくれたプロバンスのハーブをまぶしておきます。たっぷりのオリーブオイルで焼くと、身がフワッと持ち上がっていい香りがします。フィリッピンで捕れた魚です。付け合わせの新ジャガは、オーストラリア産。上にのっているイタリアンパセリは、我家で出来た種はオーストラリア産。その横のみどりの塊は、バジルで作ったペストです。バジルは、我家で出来た種はオーストラリア産。中の松の実は、中国産。

 これに、私が焼いたパンを添えました。くるみは、中国産。強力粉は日本産。それと、マヨネーズが好きな主人に、日本の味の素のマヨネーズを。

 なにが凄いって、こんなに多国籍な食卓は、日本では考えられないかもしれません。香港産は、我家のバジルとイタリアンパセリだけ。

 出来るだけ、地元の野菜、魚を食べたいと思っています。それなのに、こんな食卓になってしまいます。地元の魚、庶民の魚だったイトヨリダイ、ちょっと高級なイシモチ。そんな魚が、魚屋の店先から姿を消しています。そして、不思議なことに輸入物のサーモンが丸のまま売られています。トマトやサラダの葉っぱは、香港のものも美味しくなりました。地元の果物は、今はライチがありますが、季節によっては輸入ものばかりです。香港の人は、きっとそんなことに慣れ切って、疑問にも思わないのでしょう。かくいう私も、毎日のことですから当たり前になっています。多国籍な夕飯でした。


herbes de provence  エルブ ドゥ プロヴァン

2014年07月15日 | 料理

晴れ、28度、84%

 夏になると度々テーブルに登場するのが、ラタトゥイユです。夏野菜ばかりをトマトと煮込んだ家庭料理、オリーブオイルとニンニクが隠し味です。 夏野菜といっても、野菜の季節感がなくなった昨今ですが、やはり夏野菜は夏が一番美味しい。もう永年作って来たラタトゥイユですから、作り方はほんとに適当です。弱火でゆっくりと炒めたら、あとはトマトを加えてお鍋まかせに煮込みます。味付けは、いいお塩を少しと胡椒だけ。ただ、香り付けに一振りするのが、エルブ ドゥ プロバン、乾燥したハーブです。この一振りは、鍋の蓋をとったとき、大いに効果を発揮してくれます。 タイムやローズマリー、ローリエ、サリエットなどのミックスされた香りが鍋の中で充満しています。

 見出し写真は、主人が先日フランスからお土産に持って帰ってくれたものです。ちょうど、このミックスハーブがきれていました。 こうした乾燥ハーブは、それぞれの料理に合わせて調合されたものもあります。右の小さなものは、魚用。左は、ピザ用。エルブ ドゥ プロバンの空いた素焼きに容れ物には、我家のローリエが入っています。料理別に用意しなくても、このエルブ ドゥ プロバンひとつで充分です。ラムのローストやサバやイワシの煮込みにもこの一振りは、いつもの料理とは違った一品にしてくれること請け合いです。ただ、振りかける時に一ひねりしてやってください。山椒の葉っぱをポンとたたくのと同じで、香りがより立ち上がるように思います。

 主人が買って来てくれたエルブ ドゥ プロバン、プロバンス地方の布が被っているだけで、蓋がありません。乾燥した南フランスならいざ知らず、ここ香港では湿ってしまいそうです。それで小さく切った和紙を挟みました。素焼きの容れ物は、通気性があると聞きます。乾燥したハーブを蓄えておくには、適した容れ物です。

 粉末のスパイス、生のハーブともちょっと趣が違います。布の袋に入ったものも売っているはずです。お試しください。


サマーピクルス

2014年06月29日 | 料理

曇、28度、85%

 たった3日家を空けました。旅行中は台所に立つことがありません。帰って来るや、翌朝一番に市場へと出かけます。香港の市場の空気は、どうも私の元気の素のひとつのようです。30年見慣れた市場なのに、ワクワク感が消えません。以前は、夏の野菜、冬の野菜と区別があったのに、世界中が集まったような香港の市場、季節感が全く無くなりました。

 何か夏らしいものと思います。さっぱりと食べれるものがいいですね。サマーピクルスを作ることにしました。甘みの少ない、サラダ代わりにもなるピクルスです。 シルバ−オニオン、キュウリ、プチトマト、小さなイエローベル、手前はディルの葉っぱです。黄いスカッシュを探しますが、いいものが見つかりません。そこで、イエローベルに。ピクルスを作る時は、日本の米酢は使いません。少し匂いがきつく思います。透明の蒸留されたお酢を使います。甘みをあまりきつくしたくないので、蜂蜜とやはり透明なグレープジュースとで漬け酢を作ります。香り付けは、ディルにローリエ、瓶の真ん中にある八角、少しのニンニクです。

 野菜は、トマトを除いて軽く蒸します。蒸すとシルバ−オニオンの皮がむき易くなります。瓶に詰めて、お酢を入れるだけ。いたって簡単にできるピクルスです。透明な輸入物の蒸留酢が手元に無い時は、日本の米酢を同量の白ワインで割って使います。八角やディルの香りが爽やかなピクルスです。冷蔵庫のドアを開けたとき、このピクルスの瓶は庫内をパッと明るく見せてくれるのも、楽しみのひとつです。

 野菜を選んでいるとき、新しょうがも目につきました。白いやさしい新しょうがです。 こちらはしっかりと甘めの米酢で漬けました。香港でも、このしょうがの甘酢付けをこの時期仕込みます。八百屋の店先でしょうがの薄切りを作っているのを見かけます。時期はやや違いますが、らっきょもやはり甘酢で漬けます。ただ中国のお酢は、日本のもののように深みがありません。ツンと鼻を刺す匂いです。大量に作るわけではありません。我家の分だけですから、自家製で。

 サマーピクルス、私が名付けました。冬のピクルスは、少し甘めに漬け込みます。