たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

八幡平でぶらぶら歩き。まずは滝見を二本。7月19日。

2017年07月25日 | 東北の山
 毎日が日曜日になった。群馬から東京まで30年通った。この辺で終わりにしてもいいだろう。これからは通勤定期を使って電車に乗ることはない。もっぱらSuicaへのチャージ頼りになる。そして、用事がなければ東京に出向くこともない。
 本を買い、店員さんに「カバー付けますか?」と問われ、いつものように「お願いしますと」返答し、直後に「いや、結構です」と言い直し、苦笑いしてしまった。もう、通勤電車の中で本を読むこともなくなったんだよなぁ。これまで、年間90冊前後の本を読んでいた。大半が電車の中だった。これからは寝床だけの読書になる。
 しばらくは休暇消化の時を過ごすが、9月からはハローワークに通うことになる。サンデー毎日とはいっても、ブラブラしているわけにもいかない。山歩きにしても体力的に週一が限度。ましてや、この暑い時期に退職したことを今になって少々後悔しているところもある。
 一人慰安旅行にでも行ってみたい気分になった。北関東は暑過ぎの日々が続いている。ふと、八幡平に行きたくなり、とりあえず後生掛温泉を20日から2泊で予約した。その先は未定だ。白神山地の山にも行きたいし、名瀑も楽しみたい。帰りに墓参りだけはしておいた方がいいか。
 ところが、22日からの天気予報が雨になってしまった。これでは八幡平も一日歩きしかとれない。19日出発の前倒しにしたら、宿の空室が高い料金設定しか残っていない。一人旅で贅沢する気分にもなれず、別の温泉宿に変更した。一時は、後生掛温泉の自炊棟に一週間ほど泊まってブラブラするのもいいかなと考えていただけに、後生掛温泉に泊まれないのはちょっと残念だ。
 さて、6月23日に足尾の山を歩いて以来、せいぜい地元の金山を歩いただけで、まっとうな歩きをしていない。暑さで、金山すらバテバテで歩いた。暑い中を歩く気力も体力も持ち合わせてはいないが、八幡平なら、涼し気なイメージもあるし、少しはロングな歩きもできるのではないのか。その時は多少なりとも期待はしていたのだが…。

【岩手山山麓・七滝】
駐車地(11:40)……七滝コース入口……七滝(12:20)……駐車地(13:13)

 そんなことで、19日(水)5時に八幡平に向けて出発する。長距離の運転になるが、せっかくだし、どこかに立ち寄りたい。地図を眺めていると、岩手山の山麓に「七滝」という滝がある。岩手山を登る時間はないので、この滝だけでも見ておこう。岩手山に松川温泉から登ったことはあるが、七滝コースというのがあるのは知らなかった。七滝はそのコース上にある滝だ。
 途中、紫波SAで給油する。レギュラーが1リットル143円もしたのには驚いた。下に出てから給油すべきだったと後悔する。まずは500円ほどの無駄遣い。松尾八幡平ICで下りて七滝コースの入口付近に着いたのは11時半。涼しさを期待したが、カンカン照りでえらく暑く、さらに無風。せっかく避暑に来たのにとがっくり。往復2時間程度のものだろうと、小型のザックに水とカメラ、昼食だけを入れて出発。足は地下タビ。

(七滝コース入口)


(その辺の道と変わりない)


 ちょっと行くと、七滝コース登山口があり、駐車のスペースもあって、車が1台置かれている。ちょうど日陰にもなっている。知っていれば、ここまで車で来たものを。
 幅広の登山道を先に進む。至って平坦な歩きだ。緑がまぶしい。標識には岩手山9.5km、野鳥観察舎0.7kmとある。その観察舎だが、左手に見え出すと、帰りにでも寄ろうかと思いながら、結局、たいした施設でもないだろうと、パスしてしまった。

(ここを右に行ってみた。帰りは直進でここに出た)


(暑い林道歩き)


 標識に七滝が加わる。1.89kmとある。単調な歩きが続くと、分岐にさしかかる。直進は「七滝(登山道)」とあり、右は「七滝(林道)」。ここは林道コースを選んでみたが、これまでの日陰の登山道と違って、直射日光を浴びる歩きになってしまった。頭から汗がポタポタと落ちてくる。
 オバチャン2人組がやって来た。軽装だし、時間的にも滝見だったのだろうか。

(こんな道になった)


 林道はまだ先まで続いているが、先ほど分岐した登山道が近づいてきたので、登山道に戻ることにする。登山道はいつの間にかえぐられたような道になっていた。粘土で滑る。ここは雨の日になると、水が流れ込むのではないだろうか。

(七滝の分岐)


(お不動様が置かれていて)


(七滝が見えてくる)


 普通の道に戻ってちょっと先に行くと、七滝の分岐。岩手山まで7.7kmとあるから、2kmほど歩いたことになる。この暑さでは手頃な距離だろう。
 不動様を祀った石祠があり、その先に七滝が見えている。ここから見る限りは2段滝だが、微妙に3段になっているか。『岩手の滝』によると、落差は30mとある。見るからに普通の滝といったところだ。

(下から)


 沢に下りてみる。夜中に雨が降ったのか、ロープ伝いに下ったが、やたらと滑る。七滝を前にして休憩して撮影。ついでに菓子パンを食べた。
 滝の水量はどんなものだろうか。『岩手の滝』掲載の写真と比べると大差はない。コンデジでの撮影だ。シャッタースピードを遅くすれば真っ白になるし、複雑な組み合わせもできないので、せいぜいISOを100にして撮るしかないが、見栄えのある写真にはとうていならない。こんなことを記せば笑われるか。

(どういう仕組みになっているのやら)


(登山口前の駐車場)


 さっ、戻るとするか。ここから八幡平までどれくらいの時間がかかるかもわからない。
 帰路はそのまま登山道を下った。途中、これから登る単独氏に出会う。テント泊かなと思ったが、ザックは小振り。やはり滝見だろうか。駐車場に戻って、菓子パンを食べ、八幡平に向かう。1時間半の滝見だった。

(左側の尖がった山、畚岳というが、明日は、あれに登ることになる。センター奥に秋田駒)


【八幡平・曽利の滝】
駐車地(14:33)……曽利の滝(14:48)……駐車地(15:20)

 八幡平に入ったが、時間に余裕がある。「曽利の滝」を見て来よう。予定には入れていたが、今日の滝見2本は無理かなと思っていた。八幡平を通り越し、玉川温泉に続く国道に入る。バス停を見ながら走ると、秋北バスの「曽利滝」停留所があった。その前に駐車地がある。
 ここもまた八幡平の一角だろうが、八幡平周辺のクマ目撃情報は日常化している。話は前後するが、泊まった宿には、油物の料理を出す翌日には決まって残飯あさりに来るようだし、湿原歩きをした宿泊客のオバチャンがクマが目の前を歩いていたと騒いでもいた。せめてスズだけは欠かせない。
 七滝同様に軽いザックにし、特別な意味もなくスパ長にした。明日は山歩きになりそうだし、地下タビ歩きにして、さっき水を吸いこんでしまった地下タビは乾かそうと思い、外に出しておいた。こんなもの、持って行く人はいまい。

(曽利滝への標識)


(踏み跡は明瞭)


 谷地沢橋を渡る。左に「十和田八幡平国立公園」の石碑。その脇に「曽利滝0.5km」の小さな標識があった。踏み跡は明瞭だが、すぐに下りになった。後でGPS軌跡をカシミールで見ると、沢まで150mほどの急降下になっていた。当然、帰路はつらくなるはず。

(急なヤセを下ると)


(右手に曽利の滝が見えてきた)


 要所にロープが張られてはいるが、注意して下れば、ロープの世話になることもない。まだかまだかと小尾根を下っていくと、右手下に滝が見えてきた。この小尾根、左右ともに沢になっているようで、曽利の滝は、てっきり左手にあるものとばかりに思っていた。

(正面の観瀑台から)


(下に降りて)


 滝見台に到着。瀟洒なというかお上品な感じの滝だ。上の沢の流れが落ち口まで糸を引いて下って来て見えるのが何ともいえない。『あきたの滝』には、推定落差30mとある。
 沢に下りる。ここもまた七滝同様に滑ってしまう。滝は正面に見えるが、落ち口の上は見えない。やはり、さっきの滝見台の方が良かったか。

(きつい登りが待っていた)


(駐車場)


 滝を前にして一服。今日の予定はこれで終わりだが、明日はどうするか、ずっと迷っている。こだわりの滝に行ってみたいが、自分にはどこをどう歩いても実力オーバーな気がする。クマを3頭見て、出だしでさっさと戻った方もいるようだ。これとは別に、歩いてみたい秋田・岩手の県境ルートもある。それでいて、瀑泉さん記事に余計なコメントを入れて、雪田爺さんともどもに、件の滝のアドバイスを受けてしまってもいる。いい気になって、行けもしない滝のコメントは入れなきゃよかった。
 明日の予定が決まらぬままに帰路につく。だが、のんびりと、明日はどうすんべぇと考えるほどの余裕はなく、短時間の150m登りはえらくきつく感じ、駐車地に着いた時には汗みどろになっていた。

 アスピーテラインを宿に向かう。そして宿に着く。すぐに部屋に入ったが、部屋にエアコンはない。あるのは暖房ストーブだけ。窓を開けると、涼しい風がスースーと入ってくる。これでは確かにエアコンは要らないだろうな。
 温泉に入って、まずは自販機で200円の缶チューを一つ買う。ようやく一息ついた。横になってBSの「必殺仕事人」を見ていたら眠くなったが、夕食までは間もない。必死にこらえた。
 夕食で生ビールと冷酒を飲み、また風呂に入って、9時には寝てしまった。滝見よりも長距離の運転に疲れてしまったようだ。
 明日の予定は未定のまま。それでいて、22日は午後からの雨のようだし、その前に田代岳にでも行こうかと、21日は大館のビジネスホテルの宿泊予約を入れてしまった。

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4 コメント

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野放し (K女)
2017-07-25 10:23:38
やっと自由の身になりましたか、最初に東北に向かうのはたそがれさんらしいかな。
トップの曽利の滝、迫力がありますね、ついででなく、この滝を目的に行きたくなりました。
明日からの予定も、気分で決めるなんて、やってみたかった事の一つではないのでしょうか。
こちらも楽しみにしています。
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K女さん (たそがれオヤジ)
2017-07-25 13:18:12
K女さん、早速のコメントありがとうございます。
引き続き、2日目をアップしましたので、こちらもよろしく願います。
自由の身となったとはいえ、先の見通しはありませんので、深刻になる前に一風呂浴びて来たといったところですよ。
曽利の滝、お気に入りですか。誠に申し訳ありませんね。写真が下手くそで。これでもイメージ半減なのですが、両方の滝ともに、K女さんでも簡単に行けますよ。まして、曽利の滝には、太い支えロープもありますし。
翌日の予定については、基本は天気次第、暑さ次第ですが、3日目予定に至っては、どうも、酒の力を借りた気配ですよ。
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Unknown (瀑泉)
2017-07-26 01:31:10
まずは,長年のお勤めご苦労様で,ございました。
一先ずは羽を伸ばして・・・といったところでしょうかネ。

曽利の滝にも寄っていただけたようで何よりでした。
やはり,滝頭を形づくる節理は良さそうですネ。
其れと滝は下から仰ぎ見るモノと思っている自分には,下に降りて~の画像の方が,好みのようです(笑)。
岩手山の七滝も,他の方の画像と比べても大差ないところを見ると,平水なのでしょうが,中々,豪快で良い感じですネ。
山は一度降りて,車で移動してもう一山とはならないんですが,こうしたチョイ滝巡りは,苦にならないんですヨねぇ~。
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瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2017-07-26 06:18:27
瀑泉さん、こんにちは。そして、ありがとうございます。
曽利の滝は、実は茶釜の滝の後に行くつもりでいたのですが、この時点で茶釜の滝に行くかどうかは微妙な状態で、簡単に行けそうな曽利の滝だけは済ませてしまおうといった腹づもりでした。
そうですか。滝は下から仰ぎ見るものだと。まだまだ、私の場合は行楽客の目で滝を見ているところがありますね。もっと、修行を積むことにいたします(笑)。
それと、節理ですか…。そういうのも総合して観察するものなのですね。以降、もっと気を配った視点でグローバルに見るようにします。
七滝の方は、沢伝いに行ってみようかなと思っていたのですが、ネットの記事を見ていると、沢登りの方のほとんどが七滝から焼切沢に入渓するようで、自分には上に用はないし、下からの情報がないのではなぁと、登山道を歩きました。確かに、七滝は豪快で、水の勢いもかなりありましたよ。
大湯のチョイ滝巡り。宿のオヤジさんに強く薦められました。絶品だと。車移動続きでも魅力はあるのでしょうね。できれば、紅葉の時期にでも見たいと思っているのですが。
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