◎2017年8月2日(水)
ロープウェイ山麓駅(9:00)──山頂駅(9:05)……茶臼岳(9:38)……牛ケ首(10:30)……峰の茶屋跡(10:55)……山麓駅駐車場(11:30)
山歩きと温泉をセットでやりたくなった。那須を選んだのに特別な意図はなく、涼し気な感じがしただけのことで、赤城山と那須を天秤にかけたらそうなった。
朝起きると霧雨になっていた。ネットで峠の茶屋駐車場のライブカメラを覗くと、陽が照っていて、駐車場の車には影までできている。こうなったら、さっさと出かけたいが、意に反し、女房が出張に出かけるため、駅まで送って行かないといけない。那須とは正反対方面の駅に送り届け、自宅前を素通りして高速道に乗った。ずっと曇り空だった。日光の山も那須の山もまったく見えない。この時は、雲の上は晴れているだろうと思ってもいた。
今日は最初からまっとうな歩きをするつもりはない。そもそもできない。仕事を辞めてから不摂生な毎日が続き、歩ける自信はまったくない。八幡平の歩きにしても、不本意な歩きになってしまった。それでいて、8月に入ったら、北アルプスにでも行こうかと、だったら少しは暑い中でも歩いておかないといけないな、なんて身の程知らずのことを考えていたりもする。
躊躇することもなくロープウェイ山麓駅に向かった。今の自分にはこれしかないだろう。茶臼岳に登って、周辺をブラブラする。体力があればせめて朝日岳か。歩いたという事実だけ作ってさっさと温泉に直行しよう。頭にはこの展開しかなかった。
(ロープウェイ山麓駅)
山麓駅の周辺は真っ白で視界も30mといったところ。ロープウェイが動いているのか怪しく、警備の方に聞くと、通常に動いているとのこと。すぐに9時発のがあるようだ。車に戻って準備してチケット売り場へ。片道分(950円)のみ買うと、渡された乗車券は往復分になっていた。今日は下りサービスディのようだ。いくら何でも、往復ロープウェイになるほどの体たらくではないつもりだ。
(何も見えんわ)
(歩き出す)
わずか4分の乗車。周囲は何も見えない。乗客は4人。山歩きスタイルは他に1人のみ。山頂駅に着くと、視界は幾分良くなったようだが、それでも50~60m程度のものか。着実にガスは薄れていく気配があり、時たま、青空が一瞬見えたりもしている。
歩いて5分もたたずに大汗をかいた。動悸がして、息切れもひどい。吐き気すらした。やはりなぁ。こうなることは予想もしていたが、早々になるとは。これでは、これまでの積み重ねの歩きも帳消しだ。休んで、ウインドブレーカーを脱ぐ。外気はひんやりしているのに、身体だけは熱い。
周囲にはだれもいない。ロープウェイ同乗のオッサンは牛ケ首の方に歩いて行った。もう適当に休みながらノロ足で歩くことにする。それにしても、歩きやすいというか、ロープに沿って歩くだけのことで、視界が悪くとも迷うようなところはない。たまにはこんなところを歩くのもいいが、本当にたまにはだ。
(次第に晴れ渡ってきた)
(こんなところを歩くのは実のところ恐ろしい)
一瞬晴れ渡り、先行の4人組のオバチャンたちが休んでいるのが見えた。実をいうと、歩き出し直後の苦悶の壁を過ぎたら、身体も平常に戻りつつあった。4人組は少なからず20分早いロープウェイに乗ったはず。こちらは、やけに遅い歩きだなと思ったりしている。脇を通って抜く。おしゃべりに夢中だ。これでは抜いたことにもならないか。
次第に青空が広がってきた。上から5人、下りて来る、一人は単独女性、4人はファミリーのようだ。ファミリーは空身。ロープウェイ往復か。単独女性は峠の茶屋か三斗小屋温泉からか。他人のことを斟酌する気持ちの余裕はできてきたが、本調子になったわけではなく、立ち休みは続いている。
三斗小屋温泉が出たついで。大黒屋には30m以上前に泊まったことがある。薄暗いランプの部屋で一人、とてつもなく寂しい夕食をとった記憶だけが残っている。その3年後、グループで煙草屋に泊まる予定が、急きょ自分だけ行けなくなり、律義に、翌朝早く、雨とガスの中を朝日岳を越えてグループと合流し、三本槍岳まで往復した。あの頃は体力もあった。今では、那須そのものが遠い地だ。
(大岩)
(朝日岳)
大岩の脇を通過。右手に朝日岳が顔を出した。アルプス的な端正な形をしたピークだ。これも昔のことだが、朝日岳に登った際、何かの行事があったのか、アルプホルンを演奏している一団に出会ったことがある。あの風情は、この周辺の山の景色にえらくマッチしていた。そういえば、強風にあおられ、ピッケルを支えに30分ほど身を小さくして固まっていたこともあった。そんなことを思い出して朝日岳を眺めていたら、わざわざ体力を消耗して騒がしい北アルプスに行くまでもないかといった気分になってしまった。
(山頂)
山頂に到着した。こんなに広々として、岩がゴロゴロしたところだったっけ。最近来たのは7年前に3人で来た時で、雨とガスで周囲は何も見えていなかった。あの時は、煙草屋に予約を入れていたが、天気がこうではと、途中でキャンセルを入れたりしている。
山頂にはだれもいず、適当にのんびりできるのだが、陽射しが強くなりかけてもいるし、風が止むとジワリと暑い。少し下って、岩陰で休んで菓子パンを食べる。山頂にあった寒暖計は22℃を指していた。
ここからどうしよう。朝日岳は予定外だし、今さら向かっても、すんなりとは登れまい。またゼーゼーしながら登って、己の体力の衰えに嫌気が差すだけのことになるのではないのか。ガスが出てきて、朝日岳がまた消えた。いい理由ができたとほっとした。だが、このまま峠の茶屋に下って山麓駅に戻るのでは物足りなさ過ぎる。せめて、牛ケ首あたりまで往復しようか。さりとて、南月山まで行く気にはなれない。
(山頂を見上げる)
(茶と緑と白の世界だ)
(峰の茶屋跡が見えてくる)
ぐるりと回って(お鉢周りというらしい)、お釜口というところで分岐となり、峰の茶屋跡に向けて下る。ハイカーが多くなってきた。やはり、自分とは違って、峠の茶屋から登る人が圧倒的のようだ。その中に、駐車場で見かけた小学生連れのファミリーがいた。楽ちんコースを歩き、余裕あり気な顔をして下っているのが恥ずかしくなってきた。
(牛ケ首へ)
(噴煙)
(牛ケ首の向こう側も良さげだが)
(牛ケ首)
峰の茶屋跡の上を牛ケ首に向かう。あまり面白味のない斜面道だが、巨大な岩があったり噴煙が上がっていたりする。周囲は硫黄の臭いがする。ここが無限地獄というスポットらしい。以前、歩いたことはある。途中で、ロープウェイで一緒だったオッサンに会う。
牛ケ首に到着。ここもだれもいない。ベンチに腰かけて10分ほど休む。地図を広げる。ここから大丸温泉というところに下ると、車道歩きが20分ある。これはやめとこう。小周回して沼原分岐というところに出る手もあるな。だが、コースタイムを見る限り、中盤から上り基調になっている。どうも積極的になれない。結局、ここで打ち止めにして、さっさと温泉という当初の予定どおりにしておこう。戻る。
(岩峰を見上げて)
(戻る)
(峰の茶屋跡)
(消えていく朝日岳)
朝日岳がまた出てきた。もう気持ちが揺らぐこともなくなっている。しかし、いい景観だ。アルプス情緒もさることながら、赤岳から見る阿弥陀岳に似たところもある。
峰の茶屋跡で休もうと思ったが、オバチャン2人が騒がしくしていたので素通りとなった。あとはひたすらに登山道を下る。平日なのに随分とハイカーと出会った。また雲が下りてきたのか、朝日岳は消え、周囲もガスに覆われてきた。この雰囲気も悪くはない。まして、道を失う心配もない。
(ガスの中の下り)
(一応、花も撮ったりしている)
下りがてらに、那須の高山植物の案内板がいくつか置かれている。その中にエゾリンドウとオヤマリンドウというのがあった。リンドウだから、紫の花を咲かすのだろう。ここまでその色彩を見ることはなかった。
さも火山帯の登山道の周辺が緑になってきた。何やら知らぬ枯れた感じの花らしきものをずっと撮ってきた。後で調べることもあるまい。先日の八幡平は特別だった。図鑑で調べもした。3人組のオバチャンが登って来た。コンニチワと言った直後、オバチャン達が脇道に逸れて「わっ、すごい、群生よ」と言い合っている。振り返って、その方を見ると、紫の花の群生が見えた。いずれかのリンドウだろうか。戻っていっしょになって見るのもなんだし、そのまま下ったが、やはり、その筋に目ざとい方には、すぐに目に入るのだろうな。
(山の神)
(狛犬)
(石畳を下って)
山の神、狛犬、鳥居をくぐると、左に峠の茶屋の駐車場が見えた。出がけにネットのライブカメラで見た駐車場だ。もう霧で白く、車はシルエットだ。あとはずっと車道に接しながらも石畳の道を下る。
ガスの中をどんどんどんどん下る。錯覚なのか、右後ろにロープウェイの案内アナウンスが聞こえてきたりする。ついGPSを取り出してみると、まだ先。ようやく、アナウンスは前方から聞こえてきた。そして小雨になってきた。
(駐車場に戻る)
左に駐車場が見え、とりあえずザックを車の中に入れ、山麓駅に行った。お目当てはラーメン。出る時、何となく、ここのラーメン、600円ながらもおいしいのかなと期待していた。食べてみた。まずくはないが、ロープウェイの片道料金950円と相応の味か。
ガスのおかげでというか、確かに陽が出ると暑くなるのは仕方のないことだが、総じて涼しい中の歩きが出来たようだ。やはり那須の山は涼しい。これで体力に不安がなければ、もっと快適な歩きができたのにと少々残念。今回のことで、登山道がしっかりしているところでは、多少のガスの中の歩きも苦にならないことを知った。当分は陽がカンカンと照る中での歩きは避けたいが、少しはガスの中での歩きを楽しんでみたいものだ。
来た時よりもガスは濃くなり、クネクネ道をライトを点け、断続的なブレーキ踏みで下った。前の東京ナンバーの車は運転に不慣れなようで、ブレーキを踏みっぱなし。広いところになるとカーブと思って右往左往したり、余計な停車を繰り返す。こちらはじっと後ろについていたが、そのうちに後続車にクラクションであおられた。ようやく気付いたのか、車を左に寄せたので追い越そうとしたら、すぐに右にウインカーを出す始末で、こちらも急ブレーキ。また後ろからクラクション。オレが悪いわけじゃないんだよ。
(ここの温泉に立ち寄り)
下調べしていた温泉があった。下に出ると、ガスは消えたが、急な左折路を素通りしてしまった。戻るのもなんだしと次の候補。しばらくインター方面に向かう。ここも通り過ぎたが、難なくUターンできた。入浴料は870円と高めだが、ヒノキの湯舟で広い。改装間もないのか、お湯もまたきれいに感じた。
元々、温泉にダラダラと入っている趣味はない。身体を洗う前後に湯に浸かるだけで、2回目は露天と決まっている。腰かけてゆっくりと上半身を風にあてるようなことはしないが、つい、露天でしばらく湯舟のヘリに腰かけて涼しい風にあたった。それだけで贅沢な気分になってしまった。
来る時は高速で行ったが、高速代3,110円はもったいなく、ましてエアコンをつけなくとも走れる。4号、新4号、50号、407号と国道を乗り継いで帰った。3時間半ほどかかったか。山を歩いたのはほんの2時間半ほど。ちょっとしたドライブで終わってしまった感じになってしまった。
ロープウェイ山麓駅(9:00)──山頂駅(9:05)……茶臼岳(9:38)……牛ケ首(10:30)……峰の茶屋跡(10:55)……山麓駅駐車場(11:30)
山歩きと温泉をセットでやりたくなった。那須を選んだのに特別な意図はなく、涼し気な感じがしただけのことで、赤城山と那須を天秤にかけたらそうなった。
朝起きると霧雨になっていた。ネットで峠の茶屋駐車場のライブカメラを覗くと、陽が照っていて、駐車場の車には影までできている。こうなったら、さっさと出かけたいが、意に反し、女房が出張に出かけるため、駅まで送って行かないといけない。那須とは正反対方面の駅に送り届け、自宅前を素通りして高速道に乗った。ずっと曇り空だった。日光の山も那須の山もまったく見えない。この時は、雲の上は晴れているだろうと思ってもいた。
今日は最初からまっとうな歩きをするつもりはない。そもそもできない。仕事を辞めてから不摂生な毎日が続き、歩ける自信はまったくない。八幡平の歩きにしても、不本意な歩きになってしまった。それでいて、8月に入ったら、北アルプスにでも行こうかと、だったら少しは暑い中でも歩いておかないといけないな、なんて身の程知らずのことを考えていたりもする。
躊躇することもなくロープウェイ山麓駅に向かった。今の自分にはこれしかないだろう。茶臼岳に登って、周辺をブラブラする。体力があればせめて朝日岳か。歩いたという事実だけ作ってさっさと温泉に直行しよう。頭にはこの展開しかなかった。
(ロープウェイ山麓駅)
山麓駅の周辺は真っ白で視界も30mといったところ。ロープウェイが動いているのか怪しく、警備の方に聞くと、通常に動いているとのこと。すぐに9時発のがあるようだ。車に戻って準備してチケット売り場へ。片道分(950円)のみ買うと、渡された乗車券は往復分になっていた。今日は下りサービスディのようだ。いくら何でも、往復ロープウェイになるほどの体たらくではないつもりだ。
(何も見えんわ)
(歩き出す)
わずか4分の乗車。周囲は何も見えない。乗客は4人。山歩きスタイルは他に1人のみ。山頂駅に着くと、視界は幾分良くなったようだが、それでも50~60m程度のものか。着実にガスは薄れていく気配があり、時たま、青空が一瞬見えたりもしている。
歩いて5分もたたずに大汗をかいた。動悸がして、息切れもひどい。吐き気すらした。やはりなぁ。こうなることは予想もしていたが、早々になるとは。これでは、これまでの積み重ねの歩きも帳消しだ。休んで、ウインドブレーカーを脱ぐ。外気はひんやりしているのに、身体だけは熱い。
周囲にはだれもいない。ロープウェイ同乗のオッサンは牛ケ首の方に歩いて行った。もう適当に休みながらノロ足で歩くことにする。それにしても、歩きやすいというか、ロープに沿って歩くだけのことで、視界が悪くとも迷うようなところはない。たまにはこんなところを歩くのもいいが、本当にたまにはだ。
(次第に晴れ渡ってきた)
(こんなところを歩くのは実のところ恐ろしい)
一瞬晴れ渡り、先行の4人組のオバチャンたちが休んでいるのが見えた。実をいうと、歩き出し直後の苦悶の壁を過ぎたら、身体も平常に戻りつつあった。4人組は少なからず20分早いロープウェイに乗ったはず。こちらは、やけに遅い歩きだなと思ったりしている。脇を通って抜く。おしゃべりに夢中だ。これでは抜いたことにもならないか。
次第に青空が広がってきた。上から5人、下りて来る、一人は単独女性、4人はファミリーのようだ。ファミリーは空身。ロープウェイ往復か。単独女性は峠の茶屋か三斗小屋温泉からか。他人のことを斟酌する気持ちの余裕はできてきたが、本調子になったわけではなく、立ち休みは続いている。
三斗小屋温泉が出たついで。大黒屋には30m以上前に泊まったことがある。薄暗いランプの部屋で一人、とてつもなく寂しい夕食をとった記憶だけが残っている。その3年後、グループで煙草屋に泊まる予定が、急きょ自分だけ行けなくなり、律義に、翌朝早く、雨とガスの中を朝日岳を越えてグループと合流し、三本槍岳まで往復した。あの頃は体力もあった。今では、那須そのものが遠い地だ。
(大岩)
(朝日岳)
大岩の脇を通過。右手に朝日岳が顔を出した。アルプス的な端正な形をしたピークだ。これも昔のことだが、朝日岳に登った際、何かの行事があったのか、アルプホルンを演奏している一団に出会ったことがある。あの風情は、この周辺の山の景色にえらくマッチしていた。そういえば、強風にあおられ、ピッケルを支えに30分ほど身を小さくして固まっていたこともあった。そんなことを思い出して朝日岳を眺めていたら、わざわざ体力を消耗して騒がしい北アルプスに行くまでもないかといった気分になってしまった。
(山頂)
山頂に到着した。こんなに広々として、岩がゴロゴロしたところだったっけ。最近来たのは7年前に3人で来た時で、雨とガスで周囲は何も見えていなかった。あの時は、煙草屋に予約を入れていたが、天気がこうではと、途中でキャンセルを入れたりしている。
山頂にはだれもいず、適当にのんびりできるのだが、陽射しが強くなりかけてもいるし、風が止むとジワリと暑い。少し下って、岩陰で休んで菓子パンを食べる。山頂にあった寒暖計は22℃を指していた。
ここからどうしよう。朝日岳は予定外だし、今さら向かっても、すんなりとは登れまい。またゼーゼーしながら登って、己の体力の衰えに嫌気が差すだけのことになるのではないのか。ガスが出てきて、朝日岳がまた消えた。いい理由ができたとほっとした。だが、このまま峠の茶屋に下って山麓駅に戻るのでは物足りなさ過ぎる。せめて、牛ケ首あたりまで往復しようか。さりとて、南月山まで行く気にはなれない。
(山頂を見上げる)
(茶と緑と白の世界だ)
(峰の茶屋跡が見えてくる)
ぐるりと回って(お鉢周りというらしい)、お釜口というところで分岐となり、峰の茶屋跡に向けて下る。ハイカーが多くなってきた。やはり、自分とは違って、峠の茶屋から登る人が圧倒的のようだ。その中に、駐車場で見かけた小学生連れのファミリーがいた。楽ちんコースを歩き、余裕あり気な顔をして下っているのが恥ずかしくなってきた。
(牛ケ首へ)
(噴煙)
(牛ケ首の向こう側も良さげだが)
(牛ケ首)
峰の茶屋跡の上を牛ケ首に向かう。あまり面白味のない斜面道だが、巨大な岩があったり噴煙が上がっていたりする。周囲は硫黄の臭いがする。ここが無限地獄というスポットらしい。以前、歩いたことはある。途中で、ロープウェイで一緒だったオッサンに会う。
牛ケ首に到着。ここもだれもいない。ベンチに腰かけて10分ほど休む。地図を広げる。ここから大丸温泉というところに下ると、車道歩きが20分ある。これはやめとこう。小周回して沼原分岐というところに出る手もあるな。だが、コースタイムを見る限り、中盤から上り基調になっている。どうも積極的になれない。結局、ここで打ち止めにして、さっさと温泉という当初の予定どおりにしておこう。戻る。
(岩峰を見上げて)
(戻る)
(峰の茶屋跡)
(消えていく朝日岳)
朝日岳がまた出てきた。もう気持ちが揺らぐこともなくなっている。しかし、いい景観だ。アルプス情緒もさることながら、赤岳から見る阿弥陀岳に似たところもある。
峰の茶屋跡で休もうと思ったが、オバチャン2人が騒がしくしていたので素通りとなった。あとはひたすらに登山道を下る。平日なのに随分とハイカーと出会った。また雲が下りてきたのか、朝日岳は消え、周囲もガスに覆われてきた。この雰囲気も悪くはない。まして、道を失う心配もない。
(ガスの中の下り)
(一応、花も撮ったりしている)
下りがてらに、那須の高山植物の案内板がいくつか置かれている。その中にエゾリンドウとオヤマリンドウというのがあった。リンドウだから、紫の花を咲かすのだろう。ここまでその色彩を見ることはなかった。
さも火山帯の登山道の周辺が緑になってきた。何やら知らぬ枯れた感じの花らしきものをずっと撮ってきた。後で調べることもあるまい。先日の八幡平は特別だった。図鑑で調べもした。3人組のオバチャンが登って来た。コンニチワと言った直後、オバチャン達が脇道に逸れて「わっ、すごい、群生よ」と言い合っている。振り返って、その方を見ると、紫の花の群生が見えた。いずれかのリンドウだろうか。戻っていっしょになって見るのもなんだし、そのまま下ったが、やはり、その筋に目ざとい方には、すぐに目に入るのだろうな。
(山の神)
(狛犬)
(石畳を下って)
山の神、狛犬、鳥居をくぐると、左に峠の茶屋の駐車場が見えた。出がけにネットのライブカメラで見た駐車場だ。もう霧で白く、車はシルエットだ。あとはずっと車道に接しながらも石畳の道を下る。
ガスの中をどんどんどんどん下る。錯覚なのか、右後ろにロープウェイの案内アナウンスが聞こえてきたりする。ついGPSを取り出してみると、まだ先。ようやく、アナウンスは前方から聞こえてきた。そして小雨になってきた。
(駐車場に戻る)
左に駐車場が見え、とりあえずザックを車の中に入れ、山麓駅に行った。お目当てはラーメン。出る時、何となく、ここのラーメン、600円ながらもおいしいのかなと期待していた。食べてみた。まずくはないが、ロープウェイの片道料金950円と相応の味か。
ガスのおかげでというか、確かに陽が出ると暑くなるのは仕方のないことだが、総じて涼しい中の歩きが出来たようだ。やはり那須の山は涼しい。これで体力に不安がなければ、もっと快適な歩きができたのにと少々残念。今回のことで、登山道がしっかりしているところでは、多少のガスの中の歩きも苦にならないことを知った。当分は陽がカンカンと照る中での歩きは避けたいが、少しはガスの中での歩きを楽しんでみたいものだ。
来た時よりもガスは濃くなり、クネクネ道をライトを点け、断続的なブレーキ踏みで下った。前の東京ナンバーの車は運転に不慣れなようで、ブレーキを踏みっぱなし。広いところになるとカーブと思って右往左往したり、余計な停車を繰り返す。こちらはじっと後ろについていたが、そのうちに後続車にクラクションであおられた。ようやく気付いたのか、車を左に寄せたので追い越そうとしたら、すぐに右にウインカーを出す始末で、こちらも急ブレーキ。また後ろからクラクション。オレが悪いわけじゃないんだよ。
(ここの温泉に立ち寄り)
下調べしていた温泉があった。下に出ると、ガスは消えたが、急な左折路を素通りしてしまった。戻るのもなんだしと次の候補。しばらくインター方面に向かう。ここも通り過ぎたが、難なくUターンできた。入浴料は870円と高めだが、ヒノキの湯舟で広い。改装間もないのか、お湯もまたきれいに感じた。
元々、温泉にダラダラと入っている趣味はない。身体を洗う前後に湯に浸かるだけで、2回目は露天と決まっている。腰かけてゆっくりと上半身を風にあてるようなことはしないが、つい、露天でしばらく湯舟のヘリに腰かけて涼しい風にあたった。それだけで贅沢な気分になってしまった。
来る時は高速で行ったが、高速代3,110円はもったいなく、ましてエアコンをつけなくとも走れる。4号、新4号、50号、407号と国道を乗り継いで帰った。3時間半ほどかかったか。山を歩いたのはほんの2時間半ほど。ちょっとしたドライブで終わってしまった感じになってしまった。
あの7年前以来で茶臼岳に行きましたが、歩きルートは、あれに牛ケ首往復を添えただけのことで、たいした歩きにもなりませんでしたが、あの時のように、ずっとガスの中を歩いていたのでは気も滅入るし、さっさと下ってしまいたくもなります。
今回は、山頂駅に立った時点で繰り返しかなと思ったりしたのですが、徐々に霧も上がってきて、それなりの展望を楽しむことはできました。
私は、山を終えてから温泉に立ち寄るということは滅多にしませんが、別に心の余裕とかということではなく、当初から温泉も目的に入れていましたから立ち寄ったのですが、八幡平の温泉に3泊したことが、温泉もいいなということになったのかもしれませんね。
那須山は、見晴らしには難しい山なのかと印象がありますね。
でも、今回は視界が開けた時間もあり、それなりに良かったのでは・・・
日帰り温泉で、のんびりするなんて、心の余裕ですか?
実は、昨日、赤城の鳥居峠から黒檜山まで歩いてきましたが、ルートミスでヤブをさまよいながら、苦戦して尾根に取り付いたりしていたら、ようやく体調が元に戻ったような感じになりました。適材適所といったところでしょうか(笑)
どうでもいいことですが、鳥居峠にある看板やら石碑を見て、ふみふみぃさんが出会った咆哮の方の意図がわかったような気がします。鳥居峠は、特殊な思考の方が行かれる聖地のような所でもあるようですね。
世間では盆休みに入っても、今のところ、こちらはいつでも日曜日ですから、北アルプスに行くにしても、当然、混雑の盆休みねらいということはありません。むしろそれは外します。ただ、果たしてどうなるか。さほど積極的に行きたいわけでもありませんし。
まして、北アルプスとはいっても、縦走でも何でもなく、私の場合、あの山には行ってみたいなといった感じで、日帰りで行けるような山ですよ。
ガスの中の歩きだしとはいえ上に行くと晴れ間が見えてくるのが良いですね。半月ほど晴れ上がった山を見てないだけなのに随分羨ましく思えます。日曜も晴れた場所に出かけたいもののどうしたものかと。
盆休みの北アルプスはやっぱり混んでるんでしょうね。騒がしく居心地は悪そうですが雰囲気的に涼しいのではないかとなんとなく私も北アルプスへ行く気分にはなっています。