百人一首の、
これやこの ゆくもかえるもわかれては 知るも知らぬも 逢坂の関
と詠んだのは蝉丸。
その逢坂山の麓まで来ていた。
わずかの待ち時間に、ほんの少し歩いて行き当たったのが蝉丸神社。
子供の頃、正月には家族全員で坊主めくりをして遊んだ。
百人一首かるたの絵札のみを使い、簡単なルールで誰でも参加できる。
詳細は忘れてしまったが、中でも蝉丸はトランプのジョーカー並の嫌われ者。
それはローカルルールによるものだったかもしれないが。
言い換えれば必ず注目を浴びる札でもあり、自然に和歌も覚えてしまった。
しばらく昔を浮遊した心を引き戻し、神社の対面にあり800坪の庭を有する「日本一のうなぎ 逢坂山かねよ」の入り口に立つ。
娘の招待で、チョッピリ早い誕生祝ランチの日。
通された座敷個室からは、鯉が泳ぐ池や、桜の大木が花びらを散らす庭が見渡せる。
実に落ち着ける部屋だ。
桜湯で迎えられる。
この時季の風情が湯呑の中にもあった。
うなぎ処ならではの箸置きがユニーク。
うなぎも然る事ながら、だし巻が半端じゃないと聞かされていた。
迷わず選んだ3メニュー。
蓋を取って、感嘆の声の三重奏。
どっかりと分厚いだし巻がご飯の上を占領している。
ところで、3種の違いは何か。
きんし丼はうなぎが二切れ、上きんし丼は三切れ、特上きんし丼は四切れで一切れはだし巻の下に隠れていた。
因みに、だし巻は共通で卵3個分のボリュームがあり、きんし丼でさえ私は往生した。
うなぎは身がしっかりとし香ばしさの移り香が、米飯をより美味にしていた。
うなぎパワーで、元気モリモリ長生きしてねぇ~だって。
そして、誕生日当日は、おめでとうメールのラッシュに、歳を重ねる喜びをかみしめる私だった。
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