奈良市指定文化財 青田家住宅。
築160年の屋敷がリノベーションされ、1年半前に『NARAMACHI HOSTEL & RESTAURANT』として生まれ変わっていた。
醤油の製造販売をしていた建屋は、思いのほか広く当時を今に残している。
醤油蔵、内蔵を利用したホステルを、その日は宿泊者がいないからと案内して下さり、内部をじっくりと見せていただいた。
2段ベッドの4人部屋・・・友達とお喋りがはずみそう・・・修学旅行みたく、きっと楽しいよね。
だが、ふと見上げれば、醤油蔵ゆえ当然ながら屋根まで吹き抜け。
冬は寒そう。
一方、特別個室の内蔵は2階造りのエアコン完備だった。
ちょっと高価だけれど、泊まるならこっちがいいわ。
個室でランチをいただく。
アラカルトメニューのひとつが笑えた。
” 奈良公園産ではない鹿肉の燻製 ”
神の使者” ではない ” 鹿を酒に酔わせ燻しあげました。
だってさ!!
しかし、ターゲットが海外からの観光客だとすれば、このネーミングは妥当なのかもしれない。
勘違いする方もいるだろうしね。
台所の一際大きな釜を前にして。
この釜で炊いた米飯を、毎年の正月に春日大社へ奉納していたことや、先ほど見た内蔵のとてつもなく太い梁は、屋久杉であることなどへと話しは続き。。。
そして、
次にスタッフが、あれはね、と指さす方には、天井に貼り付き宙に浮くかのように小さな開口部分がある。
それは、屋根裏女中部屋の出入り口だった。
でも、どうやって上がるの?と聞く前に。。。
上がる時は梯子をかけ、入室後は梯子をはずして逃げられないようにしていた、と彼が言う。
えっ、、、冷たい風が身体を吹き抜けた。
160年の時を飲み込んだ屋敷。
その繁盛は表立った者だけの功績のみならず、時の流れに縛られた人達の、陰の働きがあってのこと。
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